中古車で値引きの要求はアリなのか?

新車を購入したことのある方なら、ディーラーとの値引き交渉はごく当たり前と考えているのではないでしょうか。では、中古車でも値引きは有効なのか? 実際のところ、新車とは事情が大きく異なるようです。「ネットに騙されない本当の中古車選び」(野瀬貴士著)から、その実態を押さえておきましょう。


新車の値引きの仕組みとは

新車の場合、同じ車種である以上、状態は当然同じ。スペックなどもグレードが同じならどの店で買っても差はありません。これを値引きするということは、販売店の利益を減らすことになります。いくらまで値引きできるかどうかは、どこまで利益の圧縮が許されるかにかかってきます。その裁量は、立地している販売店の周囲にライバル店が多く点在しているなど、様々な状況によって微妙に変わるわけですね。

中古車で値下げに応じる訳とは

しかし、中古車の場合、店に並ぶまでの履歴は1台ごとに違うわけで、同じ車種、同じグレード、同じ色の車の場合でも1台ごとそれぞれに別々の値段がつくことになります。
それでも、店が値下げに応じることはあり得ると、本書の著者である野瀬貴士さんは言います。
例えば、あらかじめ相場よりも高い値段に設定した状態で、値下げに応じることでお客さんにお買い得感を持たせるといった戦略を店側がとっている場合があるようです。
また、整備やクリーニング、諸々の保証を省くことで実質的な値下げを可能にしている店もあるといいます。

中古車の値引き=クオリティの低下かも

ただし、野瀬さんは「そうなると、たしかに価格的には下がりますが、同時に中古車購入のクオリティも低下していることになる」と指摘しています。
新車と中古車の違いをまず頭に入れ、「なぜ値下げできるのか」の背景を押さえておくことが大前提。そうでないと、整備や保証など本来必要であるはずのものを省かれただけの状態を、
”安くしてもらっている”、“値下げしている”と誤解することになりかねないわけです。

何のための値引きなのか

販売店の方から「整備を外せば10万円安くなりますよ」などと持ちかけるようであれば、その店は購入候補から外すことを考えたほうがいいかもしれません。
「安心・安全を犠牲にして10万円安く買えたとしても、それは表面的な満足にしかなりません。適正な価格というのは、それ自体に意味があります」という野瀬さんの言葉は、自動車に限らずあらゆる買い物に当てはまることではないでしょうか。

「ネットに騙されない本当の中古車選び」
野瀬貴士 啓文社書房 11月22日

足立謙二(ライター)
1966年生まれ。さいたま市出身。通信社記者を経てフリー。雑誌、ニュースサイトなどに執筆。得意ジャンルは昭和カルチャー、特撮、アニメなど。

    
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