東京大学における法学部と経済学部の学生のキャリア格差

日本一頭がよい大学である東京大学。将来の心配などないようにみえます。しかし、最近の東京大学ではキャリアに関してとある変化が起きています。今回は、就職にいたるまでに起きる東京大学における法学部と経済学部の学生のキャリア格差について紹介します。


■東大法学部のキャリアは官僚or弁護士

東大の法学部には、官僚になるか、法科大学院に進んで法曹界に入る道を目指している学生がたくさんいます。この目標を実現するには、脇目もふらず資格試験の勉強をする必要があるため、いったん道を目指しはじめると、東京大学法学部の学生はそれ以外の世界をまったく見ようとしなくなります。人によっては大学に入った瞬間から、すなわち高校生の時から、将来は公務員、司法試験を受けると決めており、大学入学直後からそのための勉強に集中して、それ以外のリアルな社会とのつながりを持とうとしません。

■東大経済学部のキャリア変化

しかし、経済学部の学生は、法律職が幅を利かせる官僚の世界の将来性にも懐疑的となり、巨大な金融機関やインフラ系の大企業で働くというキャリアについても疑問をもち始めています。そんな彼らの中では、在学中から外資系企業やIT系ベンチャー企業などでインターンを経験する人が増えています。そこで彼らはリアルな社会と出会い、劇的に意識が変わるのです。

市場ではどんな人材が求められているのか、ビジネスはどう動いているのか、世界はどうつながっているのか、自分には何が必要なのか、彼らはさまざまなことを一気に学び、考えるようになります。「日本で活躍するアジア人リーダー」の存在を知れば、日本でトップの大学に在籍している自分のレベルの低さ、自分がこれから身につけなければならないものの大きさに愕然とします。この危機感が東大経済学部の学生を育てるのです。

入試時点においては法学部コースのほうが常に高い成績が求められます。ところが三年生以降に就職活動を通して彼らに会った時、採用担当者の目から見れば、法学部生は経済学部の学生のはるか後ろを歩いているように見えます。キャリアを考える上で興味深いですね。

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