社会人大学生の入門書

いつかは大学院へ行ってみたい、そんな思いを抱えている人はそれなりにいると思います。大学の学部時代はなまけてしまったからあらためて勉強をやりなおしたい、あるいはロースクールやMBA、心理学系の大学院などで仕事のスキルアップに役立つ資格を取りたいといった思いがある人もいるでしょう。社会人が大学院を目指す理由はさまざまです。


社会人大学院生とは何か?

そもそも大学院を目指す動機は何か、そんな曖昧な思いをクリアにしてくれる本が『社会人大学院生入門:社会人だからこそ楽しめる』(世界思想社)でしょう。著者の影山貴彦は、テレビ局でディレクター、プロデューサーとして活躍していました。そんな彼が大学院を目指した動機は「大学時代の忘れ物を取りにいく」感覚に近いものだったようです。大学院は学費に対してサービスを受けられるような場所ではありません。例えば1万円のホテルと、3万円のホテルだったならば、当然3万円のホテルの方が良いサービスを受けられるはずだし、客は受けて当然だと思いますよね。ですが大学院はそういう場所ではありません。自ら研究テーマを見つけて、それにあわせた勉強を自ら行い、最後は修士論文なり、博士論文なりを執筆しなければいけないのです。もちろん指導教授や、あるいは同期の仲間たちに励まされ、意見をもらうこともあるのですが、最後は自分で研究をしなければいけないのです。

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著者は現在、大学で放送を中心としたメディア論を講じています。実務を活かした内容であるともいえますが、同時に大学院で学んだこともいかされているでしょう。本書の巻末には、著者が大学院受験時に提出した研究計画書も収録されています。内容は決して高度なものとはいえませんが、その分、自分の頭で考え、自分の言葉で書いたものだとわかります。社会人大学院を目指したいという人にとっては最適な読み物だといえるでしょう。

    
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