教育格差を考える

教育というのは日本においては三大義務のひとつに数えられます。教育を受ける権利であり、保護者にとっては受けさせる義務となっています。この義務教育というのは小学校の6年間と中学校の3年間とさだめられています。教科書も無料で支給されます。さらにほとんどの人はその先の高校へ進学することがほとんどです。

格差がある

しかしながらこの教育には歴然と格差があります。それは高校のレベル、さらには公立で義務教育を受けるのではなく私立の学校で学ぶといったところで差が開いていくものと思われがちです。もちろん、それもあるにはあるのですが、もっと深刻な問題が根深くあるのだと気づかせてくれる本が松岡亮二による『教育格差:階層・地域・学歴』(ちくま新書) です。本書にはきれいごと抜きの教育の実態というべきものが記されています。それらはメディアですらきちっと報じていないものでありながらも、実際にそこに暮らす人々や当事者にとっては、避けて通ることができないリアリティのある問題でもあるといえるでしょう。

何が問題なのか?

本書は教育格差は初期条件によって決まると示されています。初期条件とは親の学歴や、住んでいる地域といったものです。出身家庭と地域という2つの問題を如実にあらわしています。日本は平等であるといいながらも、その教育格差によって、ゆるやかに身分が規定されていくのだと記します。それゆえに、すでにスタート地点ともいえる小学校入学前から、学力格差が開いているといった、リアリティのある話も出て来ています。まずそうしたものが存在していることは間違いのない事実であることを認め、ならば、それをどうすればいいのかといった提言が行われています。まさにそこにおいてはきれいごと抜きの話がそこにあるのだといえるでしょう。多くのデータが引用されているのも役立つ要素があるといえるでしょう。