子どもはどう語られて来たか?

現在は子どもは尊いものであり、社会にとって大切にしなければいけない存在とされています。しかし歴史を紐解くと、必ずしもそうとは言い切れない時代もありました。さらに子どもは、国や地域の文明ごとに扱いが異なることもあります。そのような子ども観の変遷をまとめたものが村知稔三、佐藤哲也、鈴木明日見、伊藤敬佑によってまとめられた『子ども観のグローバル・ヒストリー 』(原書房)です。


どう変わってきたか?

本書では子どもがどう見られてきたのか、大きく歴史の中、文化の中、現代社会の中と区分けしています。そもそも子どもはどういう扱いであったのか、歴史の中においては中世伊、初期アメリカ、奴隷解放運動時期の子ども、近代日本の子どもといった、それぞれの地域ではどのように扱われてきたのかが追求されています。興味深いものは、初期のアメリカでは子どもは何をするかわからない存在として性悪説で語られていたことです。子どもに対するこうした考え方も、かつては存在したのです。

教育はどうされてきたのか?

さらに子どもにはどういった教育が施されてきたのかについても語られています。イタリアのルネサンス時期はどうであったのか、あるいはフランスの児童文学には子どもがどう描かれてきたのかといったテーマで考えられていきます。学術書ではありますが、現在に至るまでの子ども観の変遷を知ることができる良書だといえるでしょう。

    
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