日本の若者は海外でさまよう?

人生を変えてみようと、海外留学に挑戦しようとする人は多いでしょう。ただ、それは考えてであって、実際に実行に移す人というのは少ないかもしれません。それでも実行できただけで偉いとも思われるかもしれませんが、加藤恵津子による『「自分探し」の移民たち:カナダ・バンクーバー、さまよう日本の若者』(彩流社)を読むと、また違った感慨を持つと言えるでしょう。

バンクーバーに何がある

本書の舞台として取り上げられるのはカナダのバンクーバーです。太平洋に面した東海岸にあり、年間を通して温暖な陽気で知られています。英語留学をまずはじめる場所として選ばれることが多いようです。そのため、この場所がはじめての海外という若者が多いようです。それゆえに、仕事や異性関係への悩み、孤独、将来への不安といった要素が多くうずまいています。もちろん、それは誰かに助けてもらえるというのがベストなのでしょうが、土地柄か自分で抱え込んでしまう若者も多いのです。

移民がいない?

さらにカナダのバンクーバーには日系移民が多くいる場所といったイメージがあります。しかしながら日系の一世や二世といった人たちは、家を買って郊外に移り住んでいます。若者が留学先として選び、学校のある中心部に出てくることはほとんどなく、日系移民と新しい日本人の移民ともいえる留学生たちの交流がほとんどないと言われています。そのような断絶が何重もの排除や孤独を生み出してしまう。海外生活というのは必ずしも夢ばかりではないとわかるかもしれません。