今、「介護の問題」が社会問題となっている

2015年、日本において、65才以上の高齢者の占める割合が4分の1を超えたという統計が、総務省から発表されました。

10年後には、総人口の3分の1近くが高齢者になると言われています(総務省「人口統計」2015年5月1日現在)。

この急速な高齢化とともに、「介護の問題」が深刻な社会問題となっています。

誰もが介護をする側になる可能性があり、

そして、いずれは介護をされる立場になるかも知れません。

この記事では、『介護で会社を辞める前に読む本』山下哲司著(ダイヤモンド社)の中から、社会問題となっている「介護の問題」をお伝えします。


働きながら介護する人が増えている

「親の介護があるので、仕事を休ませてください」

「親の面倒をみなければならないので、残業はできません」

親を介護するとなれば、仕事にあてていた時間の多くを介護に割くことになります。

なんらかの仕事をしながら身内や家族の介護をする“兼業介護者”は、

2013年に総務省が発表した「就業構造基本調査」によると、約291万人にもおよんでいます。

介護を必要とする高齢者が増えている中で、兼業介護者も急速に増えているのです。

一方で、2007~2011年の5年間で、介護を理由に離職した人の数は、約49万人(総務省「就業構造基本調査」2013年)。

年間10万人弱という人たちが、親の「介護の問題」で仕事を辞めています。

介護を理由に仕事をやめた人の平均収入は、勤めていたときと比べて、半分近くになってしまうケースがほとんどです(明治安田生命福祉研究所、ダイヤ財団共同調査「仕事と介護の両立と介護離職」2014年)。

仕事と介護の両立に悩む人は、これからますます多くなっていくことでしょう。

「親の介護」で結婚できないアラフォー女性たち

さきほど、介護をしながら働いている兼業介護者の数を約291万人とご紹介しました。

しかし、この数は氷山の一角にすぎません。

「介護をしているなんて、会社にはとても言えない」

「介護をしていることが会社にバレたら、昇進できないのではないか」

「介護を理由に会社を休んだら、減給されてしまうのでは」

このように、会社には報告せずに介護をしているいわゆる“隠れ介護”の就業者も、数多く存在しているだろうと言われています。

個人事業主、フリーランス、パートやアルバイトとして仕事をしている人たちも入れれば、統計には出てこない、想像を絶する数の人が、「介護の問題」を抱え、不安な毎日を送っているのだろうと思います。

「親の介護」で結婚できないアラフォー女性も増えています。

「いままで無我夢中で、仕事を懸命に頑張ってきた。いい人がいれば、そろそろ結婚したい」

そう思い始めた矢先に、今度は、「親の介護」に生活の大半を取られ、結婚どころではない、仕事すら辞めなければならない状況に追い込まれてしまう女性たちが、今後も増えていくのではないでしょうか。

親の介護で就職できない“介護奴隷”と化す若者たち

「要介護者」の孫の世代が、介護を担っているケースも増えています。

ある講演会で事務局をやってくれていたとても気の利く学生に、「うちの会社にきませんか」と誘ったことがあります。

彼の答えはこうでした。

「いえ、私は、祖父母の介護で、1年休学することが決まっているんです」

優秀な若者が、介護を理由に就職を延期せざるをえないのは、社会にとっても大きな損失です。

このように介護のために就職できない“介護奴隷”と化した若者は、統計には出てきません。

もはや、「介護の問題」は、世代に関係なく、誰にとっても「ひとごとではない」深刻な社会問題であると言えるのではないでしょうか。

『介護で会社を辞める前に読む本』(ダイヤモンド社)の著者である山下哲司氏は、この社会問題を解決する方法として、「要介護者」をひとりでも少なくすることを提案しています。

そのために著者が勧めるのが、「リハビリ型デイサービス」によって高齢者を元気にすること。

介護で会社を辞める事態になる前に、そして親が元気に暮らしていけるために、「介護の問題」を今から考えていきましょう。

    
コメント