黄身と白身、好みはどちら?

たまご焼き、オムレツ、茶碗蒸し…。調理方法は違えど、たまごを毎日食べるひとは、少なくないでしょう。1日に1個ずつたまごを食べると、1年で365個。20年で7300個ものたまごを食べる計算になります。今回は、身近でありふれた食材であるたまごの知られざる性質を、ご紹介します。


■たまごの食べ頃はいつ?

「たまごはできるだけ新鮮なほうが美味しい」という考えが浸透していますが、これは正しい認識ではありません。たまご(殻付)の食べ頃は、貯蔵温度と殻の中の炭酸ガスの逸散に関係します。セ氏5度で貯蔵したときには産卵後9日間、15度で3日間、25度で2日間が、「たまごの食べ頃」の目安となります。たまごの卵白は、粘度の高い部分と低い部分から成っており、たまごが古くなるにつれて粘度が失われていくため、調理方法によっても食べ頃が変わってきます。たとえば、粘度の高い卵白が卵黄を包み込み、生たまごのままの形を保って熱で凝固させる「ポーチドエッグ」を作るには、新鮮なたまごが最適です。また、卵白と卵黄を十分に混ぜ合わせることが必要な「かきたま汁」を作るには、やや古いたまごの方が適しています。

■美容にも効くたまごの成分

茹でたまごを剥いたとき、殻と白身の間に、白くて薄い膜があることに気が付きます。「卵殻膜」と呼ばれるこの膜は、何百年も昔から、皮膚トラブルの治療薬として利用されてきました。あの力道山も、怪我をしたときは、傷口に卵殻膜を貼っていたそうです。卵殻膜の厚みは、およそ0.07ミリ。主成分は、繊維状のたんぱく質で、シスチンというアミノ酸を多く含んでいます。シスチンは、毛髪を元気にしたり、肌の美白効果を保つ働きをしてくれます。また、卵殻膜には、肌の柔軟さを維持する上で重要な役割を果たす、3型コラーゲンを増加させる働きがあることが確認されています。加工しづらいのが難点のようですが、近い将来、卵殻膜が美容や健康ブームの一端を担う日が、訪れるかもしれません。

■世界のびっくりたまご料理

たまごは、世界中で食べられている食材ですが、どうやら生たまごを食べるのは、日本人だけのようです。たまごかけごはん専用の醤油が、一時期大ヒットしたことを知ったら、外国の方はさぞいぶかしがるでしょう。



ところで、世界には、日本であまり知られていない様々なたまご料理があります。チュニジアの「ラブレビ」は、ちぎったパンを深皿に敷き、そこに豆と肉類や魚介類の煮込みを入れて、一番上にたまごの黄身を落としたパン粥のような料理。スタミナがつくので、寒い時期に人気だそうです。ブルガリアには、ポーチドエッグに塩ヨーグルトソースをかけた料理があります。さっぱりとしたニンニク入りの塩ヨーグルトの酸味が、クセになるようです。「金の滴」という意味のタイのお菓子、「トーン・ヨート」は、アヒルの卵に米粉と砂糖を混ぜて生地を作り、熱したシロップで煮たもの。見た目は、金柑のシロップ漬けに似ています。いずれにしても、簡単に作ることができて、見栄えも良いのが、たまご料理の特長のようです。

テレビで、老舗洋食屋のつやつやと光るオムレツを見た時や、小説のなかで、登場人物が茹でたまごをぱくっと食べるような描写に出くわした時、無性にたまごを食べたくなることがあります。焼いたり、茹でたりするだけで、すぐさま食欲を満たすことができる優秀な食材、たまご。美容や健康にも効果があるらしいということで、ますます愛着が沸きますね。さて、今日はどんなたまご料理を作ろう?

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