ラーメンの歴史学を知る

ラーメンというのはもはや国民的な食べ物となっています。それぞれのご当地ラーメンといったものもあれば、さらにはチェーン系で猛威をふるうラーメンもあります。さらに雑誌やテレビなどで取り上げられることによって人気が出るラーメンもあります。これはネットで言えばインフルエンサー的な存在とも言えるかもしれませんね。もうひとつ、飲食店で提供されるラーメンとは別にコンビニエンスストアやスーパーマーケットなどで販売されるインスタントラーメンもあります。こちらも日本から生まれたものであり、ラーメン文化のひとつに数えられるでしょう。

クールジャパンとしてのラーメン

バラク・クシュナー著、幾島幸子翻訳による『ラーメンの歴史学:ホットな国民食からクールな世界食へ 』(明石書店)では、ラーメンの歴史についてイギリスの研究者が迫った本です。ラーメンというのは言わずもがな、中国をはじめ東アジア、さらには東南アジアなどで広く食べられている麺料理にルーツが求められるでしょう。それが戦後の日本において、安価であった鶏ガラのスープと、小麦粉の麺を用いたラーメンとなり、独自の進化を遂げるに至ったのです。それがいまや世界に輸出されているわけですから、アニメやゲームといった日本のサブカルチャーがクールジャパンと呼ばれるのと同じように、ラーメンもクールな存在であると言えるかもしれません。

論文になりうる

本書には多くの参考文献が記されています。英語で記されたものと日本語のものは半分くらいの分量でしょうか。この割合を見てもわかるとおり、もはやラーメンというのは日本ばかりではなく世界に認知される食べ物となっていることがわかりますね。さらにラーメンを日本ではじめて食べたのは水戸黄門といったよく知られたトリビアも紹介されており、著者のラーメン愛がうかがえます。著者はもともと、アジア研究者としてスタートさせました。普通は文学や歴史、美術といったものへ興味を持つのですが、ラーメンに着眼点を置いたのは慧眼であったともいえるでしょう。ラーメンの奥深さが味わえる本です。