豚骨ラーメンとは何か?:豚骨ラーメン特集前半

日本の国民食と言える「ラーメン」。そのなかでもこってりとした豚骨ラーメンが好きな人も多いですよね。普通、ラーメンが何味か分類するときに、味噌や塩、醤油など、味付けをする調味料でネーミングされています。しかし、豚骨ラーメンだけはダシの材料でネーミングされています。では、何が基準で豚骨ラーメンと言えるのでしょうか?今回は、豚骨ラーメンについて紹介します。


■豚骨味が豚骨ラーメン?

醤油ラーメン、味噌ラーメン、塩ラーメンなど、ラーメンは通常味付けをする調味料でネーミングされています。しかし、豚骨ラーメンだけはダシの材料でネーミングされていますよね。九州の豚骨ラーメンも味付けには醤油や塩が使われているのですが、塩ラーメンや醤油ラーメンとは呼びません。では、何をもって「豚骨ラーメン」と分類するのでしょうか?

■豚骨を使えば豚骨ラーメン?

豚骨は鶏ガラと並び、ラーメンのスープ作りには欠かせない素材で、一般的には「豚骨=ギトギトの九州ラーメン」と思われているようです。しかし、これは誤った認識です。現実にはほとんどのラーメンに豚骨が使われています。アッサリ系の代名詞とも言える東京の醤油ラーメンも、豚骨と鶏ガラをミックスしている店がもっとも多く、次いで豚骨のみ、意外にも一番少ないのが鶏ガラのみなのです。

なぜ同じ豚骨を使って、まったく異なる澄んだスープと白濁したスープになるのでしょうか?

■煮る時間がポイント

昔の東京ラーメンのような澄んだスープが、弱火でコトコトと煮立たせないように炊くのに対し、九州ラーメンのような白濁したスープは強火でゴトゴトと沸きかえるように炊きます。豚骨にはタンパク質のコラーゲンという物質が含まれていますが、コラーゲンは水中で加熱するとゼラチンに変化します。ゼラチンには通常では分離してしまう水と脂を一体化させる乳化作用があり、豚骨を強火で炊くと骨が崩れてコラーゲンが溶け出し、ゼラチンへと変性していきます。強火で炊くことによりスープが対流を起こし、ゼラチンと水、脂が勢いよく混ざり合い、乳化して文字どおり牛乳のように白く濁ったスープになるのです。豚は鶏と比べてコラーゲンの含有量が多いので、水分と脂分が一体となった白濁スープを作るのに向いていますが、豚骨を使っても炊き方によってはアッサリとした透明なスープも作れるし、鶏ガラでも白濁スープを作ることができます。

■豚骨ラーメンの定義

「豚骨ラーメン」とは、たんに豚骨を利用しているだけでなく、

「豚骨を主要食材として使い、水と脂分が乳化して白濁したスープのラーメン」

という定義になります。この乳化したスープをべースにして、濃いめの醤油ダレと合わせたラーメンは「豚骨醤油ラーメン」、魚介系素材と合わせたものは「豚骨魚介ラーメン」と呼ばれており、どちらも豚骨ラーメンの一種と言えます。

豚骨ラーメンの定義は、「豚骨を主要食材として使い、水と脂分が乳化して白濁したスープのラーメン」だったのです。豚骨ラーメン特集後半では、豚骨ラーメンの誕生について紹介します。

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参考本

「ラーメンの真髄(石神秀幸)」

    
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