ハードな腹筋をしてもお腹はへこまない2つの理由

「腹筋運動でおなかは痩せるのか?」

これはダイエットをしている人には気になることですよね。でも、腹筋をいくらがんばってもお腹がへこまないという人も多いのではないでしょうか。ぽっこりしたお腹をへこませるために、腹筋運動をしてダイエットを行ってもおなかがへこまない理由を紹介します。


ハードな腹筋でもお腹がへこまない2つの理由

理由は2つあります。1つ目に、一般的な腹筋運動は「へこんだおなかを作る」ためのトレーニングではないことです。

2つ目に、筋肉をつけることと、脂肪を減らすことは分けて考えたほうがいいのに、それを一緒に考えていたせいです。

筋肉と脂肪

ここで、筋肉と脂肪について考えてみましょう。脂肪の下に筋肉をつけている体型の典型が、プロレスラーや力士です。相当に厳しいトレーニングを積んでいながら、彼らの多くはおなかが出ています。一見小太り体型ですが肥満体というわけではありません。そのおなかの脂肪の下に強靭な筋肉がついているからです。

激しいぶつかり合いや投げ合いをするには、強い筋肉と同時に、衝撃を緩和するための脂肪の層が必要です。だから脂肪が落ちないよう、食事をたくさん摂っています。

力士が筋肉と脂肪をつけているのはわざとですから、筋肉をつければ全員が力士体型になるわけではもちろんありません。しかし、筋肉をつけさえすれば脂肪が落ちるというものではありません。

ボディビルダーの脂肪と筋肉

コンテストに出るボディビルダーは、筋肉量が1年のなかで激しく変動しているわけではありません。美しく発達させた筋肉を競うボディビルでは、1年かけて筋肉をじっくりと大きく作り上げていくのですが、コンテスト以外の時期は筋肉の上には、それなりの脂肪がついています。

そしてコンテスト前にしっかりと食事制限を行って脂肪をそぎ落とします。このことからも、「筋肉をつける=脂肪が落ちる」わけではなく、筋肉の有無と脂肪を落とすことは別問題ということがわかります。

腹筋運動は筋肉を太くする運動

腹筋運動も同様に考える必要があります。一般的な腹筋運動は上半身を丸めながら起き上がるわけですが、このとき主に使っているのは「腹直筋(おなかの正面にある、縦に長い筋肉)」という筋肉です。

ここを中心とした腹部の筋肉に負荷を与えて、筋肉を「肥大」させるための運動が腹筋運動です。肥大といっても腹筋はたいして大きくはなりませんが、それでも基本的に筋肉を「つける」「太くする」運動には変わりありません。

筋肉をつけても効率的なダイエットはできない

次に、筋肉をつけると基礎代謝が上がってダイエットできるという「定説」の真偽を、数値で検証しましょう。「筋肉を1kg増やして、その分、上がった代謝量で脂肪を燃やす」とどうなるかの試算を紹介します。

一般的に筋肉が基礎代謝で消費するエネルギーは、筋肉1kgにつき1日約30kcalといわれています。年換算で10950kcal。筋肉を1kg増やせば、以前よりそれだけ多くのエネルギーを消費することになります。

一方で、脂肪が蓄えているエネルギーは1gあたり約7kcalです。増量した筋肉がすべて脂肪燃焼にはたらいた(10950kcal÷7kcal)として、脂肪約1.56kg分がエネルギーとして消費される計算になります。

つまり、1kgの筋肉をつけると、1年で約1.56kgの脂肪が減るわけです。減った脂肪から増えた筋肉分を引いて、実質的な体重減はおよそ560gです。体脂肪率こそダウンしますが、体重だけに注目すると、ほとんど痩せていません。

一般的には、1日に増やせる筋肉の量は最大7gといわれます。仮に毎日長時間トレーニングしても、1kgの筋肉を増やすまで5ヵ月近くかかる計算になります。しかも、それを腹筋運動だけで達成するとなると効率が悪すぎます。

腹筋運動は非効率的

目的はおなかをへこませるのではあれば、腹筋運動によるトレーニングを続けるのはとても難しいでしょう。筋トレにはそれなりの効果がもちろんありますが、なんのためにやるのかが明確でなければ、継続することはできません。

ただし、脂肪が多いままへたに筋トレで筋肉をつけても、お腹が痩せるわけではなかったのです。

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