糖質制限ダイエットの効果3「カロリーが排出される」

糖質制限ダイエットには、4つのダイエット効果があります。今回は、糖質制限ダイエットの3つ目の効果である「尿と呼気でカロリーが排出される」を紹介します。


糖質制限ダイエットの効果3「尿と呼気でカロリーが排出される」

糖質制限ダイエットにすると、余ったカロリーが尿と呼気で体外へ排出されるようになります。その理由を順番に説明しましょう。糖質制限ダイエットにすると、誰でも体脂肪がメインのエネルギー源となります。体脂肪がエネルギー源として利用される際は、「脂肪酸」と「グリセロール」に分解されます。そして、血中に出た脂肪酸は「遊離脂肪酸」と呼ばれます。この遊離脂肪酸がメインのエネルギー源となるのです。

糖質制限ダイエットを続けると体脂肪が分解され、遊離脂肪酸が増えていきます。すると肝臓で、この遊離脂肪酸から「ケトン体」という物質が合成されます。ケトン体は、カラダの細胞にとって非常に利用しやすいエネルギー源となるものです。

体脂肪の分解が進んで、遊離脂肪酸が増えてくると、ケトン体の合成量も増えてきます。糖質制限をしていない人でもケトン体の合成は日常的に行われており、一定の濃度で血中に含まれています。基準値は26~122mg/dlくらいです。

これに対して糖質制限ダイエットを始めると、ケトン体の濃度は急激に上昇します。3食とも主食などの糖質を制限する糖質制限ダイエットにすると、脂肪分解が活発になり一般人の数十倍である1000~3000mg/dlにまで上がります。

ケトン体が増えてくると、体内でそのすべてを使うことが難しくなります。しかし、余ったケトン体は遊離脂肪酸に戻ったり、体脂肪に戻ったりはしません。尿や呼気で体外に排出されるのです。

糖質制限ダイエット中は体脂肪が分解され、遊離脂肪酸を介して最終的にケトン体に変わります。そのケトン体を尿や呼気で排出するということは、余ったカロリーを体外へ排出するのと同じです。

糖質制限ダイエットにすると、呼気から甘酸っぱい匂いがすることがあります。これはケトン体のうちのアセトンが発する匂いで、「アセトン臭」といいます。アセトン臭がしたら、ケトン体の排出が始まったサインです。

重症の糖尿病には「糖尿病性ケトアシドーシス」という病気があり、血中のケトン体も増えていきます。このことから、ケトン体が増えることを病的なものだと勘違いする方もいますが、インスリンの作用が落ちていない方の糖質制限ダイエットで生じる生理的ケトン体と、インスリンの作用が欠落した重症の糖尿病で生じる病的ケトン体は意味合いが違いますので、安心してください。

ケトン体は脳のエネルギー源にもなる

糖質制限ダイエットを続けていると、始めて3か月くらいでケトン体の値も落ち着いてきます。ケトン体をとくに使う組織には、心臓をつくる心筋、骨格筋、腎臓、そして脳があります。脳はそのエネルギー必要量の約20%をケトン体でまかなうことができます。

遊離脂肪酸はカラダの主要なエネルギー源なのですが、脳は遊離脂肪酸を直接利用することができません。脳細胞に血液を送る毛細血管には、有害なものをシャットアウトする関所(血液脳関門)があり、遊離脂肪酸の大きさではこの関所を通過できないのです。

しかし、遊離脂肪酸から合成されたケトン体は小さく無事に通れるので、晴れて脳のエネルギー源となるわけです。

インスリンは常時少量ずつ基礎分泌されていますが、血糖値が急激に上がると追加分泌が起こります。インスリンの追加分泌には、血糖をエネルギー源として細胞内に取り込ませる「糖輸送担体」(GLUT:Glucose transporter)のスイッチを入れる働きがあります。

安静時の筋肉や心臓などの細胞では「GLUT4」という糖輸送担体が細胞の内部にあり表面に出ていないので、インスリンの追加分泌というサインがないと血糖がほとんど取り込めません。  それに対して脳細胞では「GLUT1」という糖輸送担体が細胞の表面にいつも出て待機しているので、インスリンの分泌に関係なく血糖がいつでも取り込めます。そのため、糖質制限ダイエットでインスリンの追加分泌が起こらなくても、脳細胞が困ることは何もないのです。

次は、糖質制限ダイエットの4つ目の効果「肝臓でカロリーが消費される」を紹介します。

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参考本

「腹いっぱい食べて楽々痩せる「満腹ダイエット」(江部康二)」

    
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