糖質制限ダイエットの効果4「肝臓でカロリーが消費される」

糖質制限ダイエットには、4つのダイエット効果があります。前回は、3つ目の効果である「尿と呼気でカロリーが排出される」を紹介しました。今回は、糖質制限ダイエットの4つ目の効果である「肝臓でカロリーが消費される」を紹介します。


糖質制限ダイエットの効果4「肝臓でカロリーが消費される」

糖質制限ダイエットは糖質の摂取を制限し、血糖値を大きく上げない食事法ですが、だからといって、血糖の重要性を軽視しているわけではありません。脳はブドウ糖だけでなくケトン体をいくらでも利用できますが、ブドウ糖は大事なエネルギー源です。

赤血球にとってはブドウ糖が正真正銘、唯一のエネルギー源です。赤血球には「ミトコンドリア」という細胞内の器官がなく、脂肪酸やケトン体を利用できないので、ブドウ糖に頼るより他にないのです。ミトコンドリアは細胞内でもっとも効率的にエネルギーを生み出す器官で、1個の細胞に数十から数千個含まれています。

ブドウ糖は細胞質でもミトコンドリアでもエネルギーになりますが、脂肪酸とケトン体はミトコンドリアでしかエネルギーになりません。血糖値が100mg/dlだと、血糖は全身トータルで5gほどです。

それに対して1時間当たり脳は最大4g、赤血球は約2gの血糖を消費すると言われています。ブドウ糖は絶対に必要だからこそ、外から摂取しなくても体内でブドウ糖をつくり出し、血糖値を一定に保つ仕組みをカラダは備えています。これを「糖新生」といいます。糖新生は肝臓、一部は腎臓でも日常的に行われています。

ブドウ糖は、グリコーゲンというかたちで肝臓と筋肉に蓄えられています。グリコーゲンはブドウ糖に分解されて利用されますが、このグリコーゲンによらないブドウ糖の合成を糖新生と呼びます。

糖質制限ダイエットを続けると、糖新生が活発になります。糖新生はブドウ糖という大事なエネルギー源をつくり出すプロセスですが、その過程でもカロリーを消費します。運動をしなくても、糖質制限ダイエットでは肝臓や腎臓で多くのカロリーが使われるのですから、ダイエットには非常に有利です。

糖新生のサイクルを回す原動力は脂肪酸がつくっていますから、無駄な体脂肪がどんどん消費されるのです。

ところが、糖質を摂取すると糖新生はすぐにストップします。血糖値が上がると、分泌されるインスリンには糖新生を阻害する働きがあるからです。インスリンの役割は血糖値を下げることですから、血糖を新たに生み出す糖新生をブロックします。すると、肝臓や腎臓でのカロリー消費も期待できなくなります。

「糖新生」で脂肪を燃焼する

筋肉のタンパク質は、その機能を正常に保つためにつねに分解と合成を繰り返しています。筋肉などカラダを構成しているタンパク質は、最大20種類のアミノ酸で構成されていますが、分解された一部のアミノ酸が肝臓まで運ばれて、肝細胞でブドウ糖として生まれ変わるのです。  アミノ酸の他に糖新生の材料となるものに「グリセロール」と「乳酸」があります。

グリセロールは、脂肪細胞に蓄えられた中性脂肪が分解されて生まれる物質。ブドウ糖に変わってエネルギーとなります。乳酸は、筋肉などでブドウ糖が代謝される過程で生まれる物質。筋肉内でも代謝されてエネルギー源となりますが、一部は肝臓でブドウ糖となります。

「糖新生は、長期間の絶食時のように糖質が摂取できないときの異常事態に備えたシステム」という見方がありますが、これは誤解です。糖質制限ダイエットにすると糖新生はつねに行われますが、糖質を摂っている人でも日常的に活発になる時間帯があります。それは、食後数時間たったときと睡眠中です。

睡眠中は、糖質は外から供給されませんが、血糖値は昼間と変わらないレベルにキープされています。肝臓と筋肉にはグリコーゲンが蓄えられていますが、筋肉のグリコーゲンは筋肉専用。血糖値を保つために役立つのは肝臓のグリコーゲンのみです。

脳と赤血球が使う血糖は1時間で合計6gほどですが、肝臓のグリコーゲンの貯蔵量は最大で50~80gほどですから、グリコーゲンのみに頼ると仮定すると10時間以上寝ると血糖が保てなくなります。

それでも脳は夢を見ていますし、呼吸も止まらず、赤血球は酸素をせっせと運んでいます。なぜなら血糖を保つ役割のほとんどは糖新生が担っており、睡眠中も肝臓と腎臓でブドウ糖をつくり、血糖として放出しているからです。

ただし糖質を日常的に何回も摂っている人は、食事から摂った糖質を利用できるので、睡眠中のおそらく2~3時間ほどしか糖新生は起こっていないでしょう。寝ている間も起きている間も、糖新生で脂肪を費やしている糖質制限ダイエットの人と比べるとダイエット的には極めて不利です。

糖新生で基礎代謝量が上がる

じっと寝ている間もカラダが消費しているエネルギー代謝量を「基礎代謝量」といいます。基礎代謝量は、1日に消費するカロリーのおよそ70%を占めています。

この基礎代謝量は、ダイエットの重要なキーワードです。基礎代謝量が減ると消費カロリーが落ちるので、食事からの摂取カロリーが同じでもエネルギー収支が黒字になって太りやすくなります。

基礎代謝量に占める割合は臓器では肝臓が最大で27%、脳が19%、腎臓も10%以上を占めています。このなかには糖新生で使われるエネルギー代謝も当然加味されていますが、糖質制限ダイエットにすると糖新生が活性化しますから、肝臓と腎臓で使われるエネルギー代謝が底上げされる分、基礎代謝量がアップします。基礎代謝量が上がると1日の消費カロリーがアップするので、太りにくい体質になるのです。

基礎代謝量を上げるために従来のダイエット本で真っ先にすすめられていたのは、筋力トレーニングです。筋肉はじっと動かないときでも熱をつくるために活動しており、そこで消費するカロリーは基礎代謝量の18%ほどを占めています。筋トレで筋肉量を増やすと基礎代謝量が上がり、ダイエットに有利になるというわけです。

その理屈は間違っていないと思いますが、実際に筋トレで筋肉を増やすのは大変です。しかも筋肉はトレーニングをやめるとすぐに元のボリュームに戻るので、筋肉量を増やして維持するにはずっと筋トレを続ける必要があります。

それに対して糖質制限ダイエットは、つらい筋トレをしなくても、美味しい食べ物をお腹いっぱい食べながら基礎代謝量を上げてくれるのです。

これら4つの効果から、糖質制限ダイエットにおすすめです。気になった人は、「腹いっぱい食べて楽々痩せる「満腹ダイエット」」を読んでみてはいかがでしょうか?

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参考本

「腹いっぱい食べて楽々痩せる「満腹ダイエット」(江部康二)」

    
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