穀物食品を主食にすると太る理由

ご飯やパンなど穀物食品を主食にすると、肥満から抜け出せません。なぜ穀物食品を主食にすると太るのでしょうか?


ケトジェニック・ダイエット

ケトジェニック・ダイエットというダイエット方法があります。ケトジェニック・ダイエットは肉食だけでなく、糖質の摂取量を抑えた食事をするのが特徴です。カロリーの摂り過ぎよりも、糖質の摂り過ぎこそが肥満のもとと考えるダイエット方法です。

穀物を食べると太る理由

穀物を食べると太るのは、穀物が糖質の固まりだから。肉食でやせられるのは、牛肉をはじめとする肉類に糖質がほとんど含まれていないからです。

これまでのダイエットの物差しとなっていたのはカロリーのみでした。食べものから摂取するカロリーが運動などで消費するカロリーを上まわると、消費されず余ったカロリーが体脂肪になって太ります。

反対に摂取カロリーを抑えると、摂取カロリーが消費カロリーを下まわるようになり、足りないぶんを体脂肪が補ってやせられるというのです。

うどんとステーキどちらが太る?

しかし、カロリーをいくら制限しても、糖質をセーブしないとやせられません。ダイエット中に、「うどんとステーキだったら、どちらが痩せるでしょうか?」。ほとんどの人が「うどん」と答えるでしょう。うどんのほうがカロリーが低いからです。

茹でたうどん1人前(240g)のカロリーは約250kcal。これは麺だけのカロリーです。一方、厚さ1cmのサーロインステーキ(150g)は約500kcal。こちらも調理前の生の状態のカロリーですが、それでもステーキはうどんの2倍近いカロリーがあります。

カロリーコントロールだけを重視するこれまでのダイエットでは、ステーキの2分の1のカロリーしかないうどんを選ぶのが正解でした。でも、ケトジェニック・ダイエットではカロリーよりも糖質のカットを重視します。

そんな視点に立つと、やせたいならうどんよりもステーキを食べるのが正解なのです。うどんはステーキよりも圧倒的に糖質が多いからです。茹でたうどん1人前(240g)の糖質量は約50g。対するサーロインステーキ(150g)の糖質量はわずか0.6g。うどんにはステーキの80倍以上の糖質が含まれているので太りやすいのです。どんなにカロリーを減らしても、糖質をたっぷり摂っていては、いつまでたってもやせることができないのです。

糖質が太る理由は「インスリン」

糖質を摂り過ぎると太るのは、「インスリン」というホルモンが原因です。インスリンは、すい臓のランゲルハンス島という部分にあるβ細胞から分泌されています。

うどんのように糖質を大量に含む食事をすると、すい臓からインスリンが大量に分泌されます。この大量に分泌されたインスリンが、体脂肪の蓄積を促して肥満を進めてしまうのです。体脂肪とは、脂肪細胞に収められた「中性脂肪」のことです。インスリンは、中性脂肪を合成する働きがあります。同時に中性脂肪の分解にブレーキをかけます。

中性脂肪、つまり体脂肪の合成を促して分解を抑制するのですから、糖質を摂ってインスリンが大量に出続けている限り、決してダイエットに成功することはないのです。インスリンが「肥満ホルモン」と呼ばれる理由です。

飢餓の時代に役立ったインスリン

肥満ホルモンと呼ばれているとはいえ、インスリンの本来の役割はヒトを太らせることではありません。それどころか、インスリンのおかげで人類は飢餓の時代を生き延びることができたのです。

人類の歴史は「次はいつ食べものが手に入るかわからない」という飢餓の恐怖と闘ってきました。その飢餓と闘うために大いに役立ったのが、インスリンです。運よく糖質を含む食べものが手に入ったときは、インスリンによって糖質を体脂肪として蓄積します。食べものが手に入らない間は、蓄積した体脂肪を分解してエネルギー源として使いながら、飢えをしのいでいたのです。

糖質も筋肉や肝臓で「グリコーゲン」という形で蓄積されますが、その量は筋肉で200〜300g、肝臓で50〜80gとごく少量です。それに対して体脂肪はその気になれば何十kgでもためられます。さらに糖質は1gあたり4kcalのエネルギーしか出せないのに、脂質はその2倍以上の1gあたり9kcalのエネルギーを出せます。体脂肪は効率のよいエネルギー源なのです。

飢餓を生き抜く武器だったインスリンですが、現代の日本人のように1日3食欠かさず糖質を摂る生活をしていると肥満を招く元凶になってしまいます。

細胞が糖質を利用するために、インスリンは24時間休みなく少量ずつ分泌されています。これを「基礎分泌」といいます。ところが、うどんのように糖質を大量に含む食事をすると、血糖値が急激に跳ね上がります。その結果、基礎分泌の何十倍ものインスリンが「追加分泌」されて肥満をもたらすのです。

インスリンの役割

インスリンの基本的な役割は血糖値を下げること。血糖とは血液中のブドウ糖(グルコース)のことです。糖質は体内ではブドウ糖としてやりとりされており、100mlあたりのブドウ糖の量を血糖値といいます。

健康なら、空腹時の血糖値は80〜100mg/100mlほどに保たれています。ところが、糖質を大量に含む食事をすると、糖質が消化吸収されてブドウ糖になり、血糖値が急上昇します。

血糖値が高い状態が続くと、血液の浸透圧が上昇し、致死的状態に陥ります。そうならないためにインスリンが役立ちます。インスリンは肝臓、筋肉、心臓、脂肪細胞などに糖質を摂り込ませて血糖値を下げ、体内環境を一定に保つのです。

糖質を細胞の内部に運び込むのは、「GLUT」(糖輸送担体)というシャトルバスのような乗り物です。GLUTにはいくつかのタイプがありますが、肝臓、筋肉、心臓、脂肪細胞に備わっているのは「GLUT4」というタイプ。GLUT4は通常、細胞の奥に引っ込んでいますが、インスリンが作用すると細胞の表面に移動して糖質を内部に摂り込むのです。インスリンによって摂り込まれた糖質は、場所によって利用法が変わります。

筋肉と肝臓では、グリコーゲンとして蓄積されます。休みなく働いている心臓では、その運動エネルギーとして即座に消費されます。そして脂肪細胞では中性脂肪に合成されて体脂肪として蓄積されるのです。

1日3食で糖質を欠かさず摂る生活を送ると、筋肉と肝臓のグリコーゲンを蓄積するタンクは空っぽになりません。心臓で使われる糖質はそれほど多くないので、引きとり手のない糖質は最終的には体脂肪に変わります。

ダイエットの真実

ダイエットをする上で知っておきたい大切な真実があります。それは、「血糖値を上げて、インスリンを追加分泌させ、体脂肪を増やすのは糖質のみ」という真実です。どんなにカロリーが高いものを食べても、糖質が入っていなければ血糖値は上がりませんし、インスリンの追加分泌もないからです。

食べてカロリーになるのは、脂質、タンパク質、糖質の3大栄養素だけです。タンパク質と糖質は1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcalなので、カロリーコントロールに重きを置いたこれまでのダイエット法では、高カロリーである脂質をカットすることを主眼に据えていました。

しかし、脂質やタンパク質をいくら摂っても、血糖値は上がらないため、インスリンは追加分泌されません。体脂肪を蓄積させるインスリンが出ないのですから、脂質やタンパク質の摂取は肥満に直結しないのです。

穀物食品を摂ると、糖質を多量に摂取することとなりインスリンを追加分泌させてしまいます。これが穀物食品を主食にすると太る理由だったのです。

次は、タンパク質を摂取すると健康になる理由を紹介します。

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参考本

「腹いっぱい肉を食べて1週間5kg減!ケトジェニック・ダイエット(斎藤糧三)」

    
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