医療機器に振り回されないで

医療機器は新しいほど効果がある、と思い込んで最新医療機器を備えたクリニックにやってくる患者さん。高価な医療機器が本当にその人に合っているか、考えたことはあるのでしょうか。


高価な医療機器

美容皮膚科の治療機器にはさまざまな種類があります。
私のクリニックにも複数の機器をそろえ、それらを組み合わせてベストの治療法を提案しています。
最近は、美容情報雑誌でこうした最新機器をどのクリニックが導入しているといった情報が掲載されることもあり、「この最新レーザー機器を試してほしい」といってくるマニアックな患者さんもいます。
こうした医療機器は非常に高価で、1台につき1000万円以上する機器も少なくありません。

すべてを解決する医療機器はない

高価な機器を入れたクリニックは、元を取るために、こんな最新機器がうちにはあるとホームページなどでアピールします。どんな機器があるのかを明確にするのは、悪いことではありませんが、なかには1台ですべてのシミを治せるなどと豪語するところもあったりします。
しかし、1台でオールマイティーに効くなどということは決してありません。
もしそんなふうにうたっているクリニックがあったら、まず疑ってかかるべきです。

医療機器によって得意分野が違う

私のクリニックで、レーザーだけでも複数台導入しているのは、患者さんのより幅広い症例に対応したきめ細かな治療をするためです。
たとえば「Vビーム」というレーザーは、波長595ナノメートルのレーザー光が赤い色素に吸収される特徴があります。
血管中のヘモグロビンに反応し、吸収・凝縮されるため、赤あざ、赤ら顔、赤く色素沈着してしまったニキビあとの改善、ケロイドの治療、ウイルス性のいぼなど、さまざまな症状に高い効果を発揮します。
一方「Qスイッチルビーレーザー」の波長は694ナノメートルで、ほかの波長のレーザーに比べてメラニンの吸光度が相対的に高く、メラニンに対する選択性が最も高いという特徴があります。真皮色素性病変の治療に使えるレーザーのなかで圧倒的に効果が高いため、唯一の治療法として用いられます。

情報に飛びつかず見極めて

こうした機器は、ただ種類がたくさんあればそれでよいというわけではありません。
機器を使い分けたり、組み合わせたり、使う医師の判断や施術の経験値も関係してきます。また、医療機器の多くは日本製とは限りません。欧米のセレブに人気だからといって飛びつくのではなく、日本人の肌に合うかどうかを見極めてから使う必要があります。
美容情報誌やインターネットの美容サイトをあれこれ見て、医療機器の情報に振り回されないようにしましょう。

<まとめ>

豪華なクリニックで高価な最新医療機器を見せられれば「きっと効果があるはず」と思い込んでしまいがちです。でも、実はすべての肌トラブルを解決する機械はまだできておらず、機器によって得意分野が違うという現実。情報に飛びつく前に、自分に合っているかどうかじっくり研究することも大事ですね。
参考書籍『日本人の肌はなぜ世界一美しいのか?』主婦の友社 (2016/7/15)  著者:渡辺奈津

    
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