一生懸命洗いは禁物! うっかりハマる洗顔美容の落とし穴とは?

美しくなるための情報は積極的に取り入れるべきと言うのが、海老名皮ふ科クリニック院長・天野彰人さんの基本的な考えですが、情報過多に踊らされては元も子もありません。特に気をつけたいのがイメージ作りを目的としたテレビCMや広告の影響。見た目に惑わされることなく、正確な情報を知ってほしいと訴えかけます。


顔はがんばって洗わない

テレビCMなどでは洗顔フォームをモコモコに泡立てて顔を洗う女性や、指でこすって洗っている男性が映し出されているのを観ることがあります。これは、サッパリすっきり気持ちいいというイメージを売り出しているのだと思います。中には清涼感をアップさせるためにミントの香りが足されたり、冷たく感じる物質が追加されたりしているものもあって、確かに「爽快」そうです。

けれども肌のことを考えるのならば、洗顔フォームの使い過ぎは肌に負担をかけているだけと言わざるを得ません。

洗顔フォームは表面の汚れを取るだけ

洗顔フォームの主な洗浄成分は界面活性剤です。そして洗顔フォームがやっているのは、界面活性剤で肌表面の埃や汚れ、汗を取っているだけなのです。界面活性剤と聞いてドキリとする人もいるかもしれませんが、洗顔フォームとは、弱い洗剤のようなものなのです。

そう考えると洗顔で肌が荒れる理由が見えてきますね。

宣伝に惑わされない

そもそも古来の人間は、石鹸で肌を洗うことなどありませんでした。

シャンプーという言葉が登場したのが 1920年代。さらに原料が石鹸ではない現在のシャンプーが登場したのが 1950年代のことです。ここから各社がこぞってシャンプーを発売し、またたく間に消費者にシャンプーで髪を洗う習慣が定着しました。

このように歴史を紐解くと、洗顔や洗髪の習慣は、洗顔フォームやシャンプーを販売する会社が植え付けたイメージによるもので、必ずしも必要ではないことが見えてくるのではないでしょうか。

月に一度、週に1回、そして毎日の洗顔、洗髪。これは頻度を高めて洗顔フォームやシャンプーの消費量を増やすための企業による清潔啓蒙が行われた結果です。「毎日洗っていないなんて不潔」というイメージ戦略は非常にうまくいき、高度経済成長期には「朝シャンブーム」も到来し、次々に、朝シャン後のシャンプーの香りを重視した商品が開発されました。

皮脂のとりすぎはNG

広告に開発者側の意図が透けて見えるという意味では、男性用のシャンプーも同じでしょう。あたかも頭皮の脂が薄毛の原因で、脂を取り除いたほうがいいと思わせるようなCMが流れていますが、頭皮の脂が薄毛の原因などということは、医学的にはありません。

消費者が企業戦略に踊らされた、というだけで済めばいいのですが、問題は人間の肌というのは本来、界面活性剤で汚れを取ることに慣れていないことです。汚れや脂を取り除き過ぎて足りなくなった脂分を補うためにがんばってスキンケアしているのが現代人だと言えるでしょう。

脂の取り過ぎは肌の乾燥を生み、バリア機能を低下させるため、肌トラブルを起こしやすくなります。

現代人が顔を洗わなかった場合に生じる問題といえば、ニキビができやすくなる人以外は加齢臭や脂のにおいが残る、テカる程度の問題で、肌そのものには大きな問題はないはずです。

自分の肌質にあった使い方を

私は洗顔フォームを使うなと言っているわけではありません。

人の肌には個人差があり、脂性肌の人は、水洗いだけでは脂が取れず、肌の上で脂が酸化してしまうこともあります。ですから洗顔フォームは自分の肌質を見極めて「ほどほどに」使うのがいいと思います。

まとめ

煽りすぎの広告にも困ったものですが、顔面の肌は本来デリケートな箇所だということを再認識する必要がありそうです。いかに優れた効果をうたった洗顔フォームでも、ほどほどの使い方にとどめないと、本来の成果はおろか害悪になってしまうこともあるというわけですね。

参考書籍『美人の正体は素肌力だった』主婦の友社(2016/9/23)著者:天野彰人

    
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