時代とともに変わる、現代の温泉効果がもたらす真実とは?

日本伝統の健康・美容法の筆頭格としてあげられるのが温泉です。玉の肌へのあこがれを抱いて山奥の秘湯へ足しげく通う女性は、今も昔も絶えることがありません。最近では細かい効能を宣伝文句に使う温泉も増えていますが、実際の効果は時代とともに変化していると、海老名皮ふ科クリニック院長・天野彰人さんは語っています。一体どういうことなのでしょうか。


温泉は、昔は皮膚病に効いたけど、今は逆な場合も

健康情報も昔と今では違います。
いわゆるネット社会になり、いくつかは正しい健康法が世の中に広まるようになりました。
たとえば「温泉に行くと、肌もきれいになる」と思っている人もいるかもしれませんが、皮膚科医の立場では入る温泉の種類(泉質)によると言わざるを得ません。

草津の湯も時代の変化が

草津温泉などのいわゆる硫黄泉は、昔は皮膚病に効くと言われていました。昔の皮膚病といえばとてもかゆくて、ボツボツする、疥癬(かいせん、主にヒゼンダニというダニが肌に接触することによって感染する)が多かったようです。そして、草津温泉の湯は硫黄を多く含むので、角質を剥離する働きを持っています。ですから皮膚の中に潜り込んでいるダニを駆除するには、効き目があったようなのです。

ところが、最近では疥癬の患者さんは激減しました。現在の皮膚病とは、アトピー性皮膚炎やかぶれ、あせもなどの、いわゆる皮膚炎などを指します。そして、これらの患者さんが硫黄の多い温泉に浸かると、皮膚がはがれ、かえって症状が悪化する場合もあるのです。

健康法も変化する

このように、昔は正しかった健康療法も、今の症状とは合わないということもあります。 医学的な立場から、民間療法の是非も解明されるようになりました。

時代によって正しい健康法はどんどん変化しています。いつの時代でも、正しい情報を手に入れた人は健康になり、またきれいにもなっていくのです。

皮膚病と言っても、食生活や生活環境の変化によって、かつてのものとは違う傾向が見られているということでしょうか。アトピーという言葉も高度成長期には一般に聞かれなかったですからね。温泉地の効能書きも、場所によってその辺りをアップデートしているのかも気になりますが、正しい情報を取り入れて、より楽しく温泉療法と付き合いたいものですね。

参考書籍『美人の正体は素肌力だった』主婦の友社(2016/9/23)著者:天野彰人

    
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