泡風呂、スチーム、ハイテク美容法との上手な付き合い方とは?

最近では高額なエステサロンに通わなくても、自宅のお風呂で手軽に体験できる泡風呂用キットや、ヘアドライヤーだけにとどまらない多種多様な美容家電が登場してきています。こうした身近になった美容ツールについて、その効能をたずねられる機会が多いという、海老名皮ふ科クリニック院長・天野彰人さん。冷静な立場からこんなアドバイスをしています。


泡風呂で美肌になれるの?

美容皮膚科にくる患者さんは、皆さん美容に興味を持っているので、「○○は効果ありますか?」と本当にいろいろな美容法について質問されます。

最近多い質問の中に、「泡風呂」があります。炭酸水パックが流行していたので、その流れだと思います。

質問の答えとしては面白くないのですが、実際、「泡風呂」は美肌とはあまり関係ないと思います。牛乳風呂や日本酒風呂ならまだしも、お湯や、バブルバス用の入浴剤の成分次第だと言えるでしょう。

泡風呂の効果は美肌というよりも、泡でモコモコのお風呂に入るという非日常のエンターテイメント効果と、癒し、リラックスの効果ではないでしょうか。

泡いっぱいのお風呂というのは、お風呂にバラの花びらを浮かべたり、キャンドルの灯りでお風呂に入るのと、その「目的」としてはほぼ同じことだと思います。

スチームを顔面噴射。きれいなお姉さんになれますか?

大手家電メーカーは、ドライヤーやカーラーなどの頭髪用の小物家電だけでなく、美顔器や脱毛器など、美容に関わるさまざまな製品を製造しています。その中のひとつであり、広く知れ渡っているもののひとつに「スチーマー」があります。

機械に水をセットしてスイッチを入れ、しばらくすると機械からモクモクと水蒸気が煙のようにゆっくりと湧き上がってくる美容機器で、数分間、この水蒸気を顔面に当てることで肌の潤いが増すという商品です。

この商品を使うことで「肌に潤いは増しますか?」と言われると、大きく頷けるわけではありませんが、このようなことをすることで心理的な効果があるとすれば、その心理効果にこそ意味があると思っています。

なぜ大きく頷けないかというと、水蒸気を当てて肌に水を含ませたとしても、肌はその水分を長時間キープし続けることができないからです。

スチームの保湿は長く持たない

スチームを当てるのはミストサウナに入るのと同じことで、それを顔だけに当てている状態です。ミストを浴びた肌はその水分を取り込み、ふっくらとして見えます。確かに、この瞬間の肌内の水分量は高いのです。けれども当てているのはただの水ですから、皮膚内の水分はすぐに蒸発してしまい、長くは保てないのです。

よほど頻回に浴びるのでなければ、肌に水蒸気を含ませたところでシワがなくなるほどの効果は得られないかもしれません。

けれども私は、これらの機器を使うことがその人にとって「美しくなる」ためのルーティーンになっているのならば、それを続けてもらいたいと思うし、美しくなろうとして努力することそのものに意味があると思っているのです。

泡風呂にしろスチーム器にしろ、さすがに魔法のような劇的な変化が期待できるわけではないのが真実、ということでしょうか。でも、「これを続けているおかげで調子いいのよ」と体験談を語る人がいるのもまた事実。天野さんは、それらを気休めと頭ごなしに否定するのではなく、美しくなりたいという意識から生まれているこうした気持ちは、大事にした方がいいと言っているわけですね。
参考書籍『美人の正体は素肌力だった』主婦の友社(2016/9/23)著者:天野彰人

    
コメント