タンパク質を摂取すると健康になる理由

タンパク質を摂取するとダイエットに効果的と言われています。しかし、タンパク質を摂取するとダイエットだけなく、健康にも効果的です。


タンパク質を増やすとデトックス効果

タンパク質の摂取を増やすメリットは、ダイエットだけではありません。健康にプラスの効果もあります。デトックス効果が高まるのです。

食べものには有害な毒素も含まれています。毒素は肝臓で解毒しています。毒素のうち「水溶性」の成分は腎臓から尿に混じって排泄されます。問題になるのは水に溶けにくい「脂溶性」の毒素です。解毒しないと脂肪組織などに溶けて人体に蓄積、根雪のように長期間たまるとカラダへのダメージとなります。

消化管から食べものに混じって体内に入った毒素は、血液に溶け出します。消化管を流れる血液は「門脈」という太い血管で肝臓へ移動します。肝臓で解毒されてから、きれいになった血液は全身へ運ばれます。

肝臓での解毒は、3段階で行われています。

第1段階は、脂溶性の毒素をより処理しやすい水溶性にスイッチします。そのときに必要になるのが、「シトクロムP450」という酵素です。毒素に酸素を与えて水に溶ける水酸化を行います。

第2段階では、水酸化されて水溶性になった毒素をアミノ酸などと合体させて「抱合体」という安定した物質をつくります。

そして最後の第3段階で、抱合体は肝臓がつくる「胆汁」に混じり、消化管へ排泄され、便とともに体外へ出ていきます。

タンパク質が供給するアミノ酸がないと最初の2つのプロセスが滞ります。第1段階で働くシトクロムP450はアミノ酸からなりますし、第2段階でも安定した抱合体をつくるためにアミノ酸が欠かせないからです。タンパク質をきちんと摂取していると、これらの解毒が円滑に進みますから、毒素の蓄積によるカラダのダメージを防げるのです。

タンパク質を増やすとうつ病も防げる

タンパク質の供給が滞ると、困るのはカラダだけではありません。気分にも悪い影響が出てきます。気分が塞ぎ、やる気が低下して不安や焦燥感に駆られる「うつ病」になりやすくなります。

うつ病の一因と考えられているのが、脳内の神経伝達物質である「セロトニン」の不足です。セロトニンは気分を安定させ、睡眠や体温のリズムを保つ働きがありますから、セロトニンが足りなくなると気分が不安定になります。

その原料となるのは、「トリプトファン」という体内で合成できない必須アミノ酸の一種です。脳内で分泌されたセロトニンは神経細胞に再吸収されます。

うつ病の治療に使われている「SSRI」という薬はこの再吸収をブロックし、セロトニンの不足をカバーする働きがあります。しかしこの薬に頼らなくても、トリプトファンを含む良質のタンパク源を摂取すれば、セロトニンの分泌が増える場合があります。

うつ病患者には不眠を訴える人が多く、睡眠不足はうつ病を悪化させるのですが、その悪循環にもセロトニンが関わっています。

安眠へと誘う代表的なホルモンに「メラトニン」があります。ヒトは体温が下がるときに眠りやすくなりますが、メラトニンには体温を下げる働きがあります。そしてメラトニンはセロトニンから合成されるのです。

セロトニンからメラトニンを合成するプロセスは、太陽が出ているうちはブロックされています。日中にメラトニンが合成されて眠くなったら困るからです。太陽が落ちて暗くなると、覚醒と睡眠の切り替えをする脳の体内時計の指令により、セロトニンからメラトニンを合成する回路のスイッチが入り、メラトニンの分泌が増えて体温が下がり、眠りに入りやすい環境が整います。

肉を食べてタンパク質を摂り、トリプトファンがしっかり供給されていれば、セロトニンもメラトニンも必要量が確保されますから、うつ病や睡眠障害のリスクが下がります。

それでは、最後に、タンパク質が足りているか不安という人のためにタンパク質不足を示すサインを紹介します。

タンパク質不足を示すサイン

タンパク質不足を示すいくつかのサインがあります。

1つ目のサインは、ミカンやオレンジを食べたときに手足が黄色くなるタイプは、タンパク質が足りていない可能性が大きいでしょう。ミカンやオレンジの黄色は「レチノール」や「β-クリプトキサンチン」という色素ですが、血液中にこれらの色素を運ぶのはタンパク質です。

タンパク質が足りないと、色素を運ぶタンパク質も不足します。レチノールやβ-クリプトキサンチンが必要な組織に運ばれないため、手足などの末端に沈着して黄色くなるのです。

2つ目のサインに、浮腫がとれない人もタンパク質が不足している恐れがあります。肝臓でつくられるタンパク質の一種「アルブミン」が足りなくなるからです。

アルブミンは酵素や脂肪酸を運搬する船のような働きを持ち、血液中にもっとも多く含まれているタンパク質です。血液中のアルブミンの濃度は一定になるように保たれています。成人のカラダのおよそ60%は水分からなります。水分は毛細血管の壁を自由に出入りしますが、アルブミンは分子サイズが大きいため、血管の壁を通過できません。

タンパク質不足でアルブミンが減ると、その濃度を上げるために血管から漏れ出る水分が増えてきます。そのため、浮腫が生じるのです。さあ、タンパク質を摂取しましょう!

次は、タンパク質が不足すると太りやすくなってしまう理由を紹介します。

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参考本

「腹いっぱい肉を食べて1週間5kg減!ケトジェニック・ダイエット(斎藤糧三)」

    
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