その疲れ「病的な疲れ」かも? 知っておきたい「疲れ」の違い

学校や仕事で疲れがたまりやすい現代。慢性的に疲れを感じる人も多くなっています。でも、あなたのその疲れ「病的な疲れ」かもしれません。今回は、知っておきたい「疲れ」の違いを紹介します。


医学的な「疲れ」の定義

「今日は疲れちゃったな…」

日常で当たり前のように使われる言葉ですが、どんな症状が「疲れ」なのでしょうか。医学的には、一般的な疲れは「疲労とは過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態」と定義されています。通常の疲れは「生理的な疲れ」と呼ばれています。

生理的な疲れは3種類

生理的な疲れとは、仕事や家事、運動などで私たちが感じるものです。そのときかなり体や頭が疲れたと思っても、一晩寝て元気が出たり、週末をのんびり過ごしたりすると回復します。生理的な疲れは3種類あります。

1つ目は、短期疲労。どんなに疲れたと感じても休むことで回復します。2つ目は、中期疲労。短期疲労の回復期間にあるとき、さらに何らかの負荷が加わり、疲れが回復せず残ってしまい、疲労感も抜けきらない状態です。そして3つ目は、長期疲労。休めない状況が長期間続いた場合、疲れが回復する時間もないため、疲れはどんどん体に蓄積されていきます。長期疲労を招いてしまう原因としては、過労の他、睡眠不足やストレスも考えられますから、誰にでも長期疲労の状態に陥る危険性があります。

やっかいな「病的な疲れ」

このような生理的な疲れ以外に、もうひとつやっかいな疲れが存在します。それこそが、「病的な疲れ」です。疲れの原因となっている別の病気があったり、あるいは疲れそのものが病気であったりする場合です。これは「慢性疲労症候群」や「特発性慢性疲労」と言われています。こういった「病的な疲れ」は、長時間眠ったり、休日をなにもせずに過ごしたりしても回復せず、体が明らかに疲れて調子が悪い状態がずっと続きます。

「病的な疲れ」がもっともやっかいな点は、検査をしても大きな異常や疾患などが見当たらないことです。本人は長期間の疲労状態で苦しんでいても、医学的検査で何も見つからなければ、それは単なる思い込みと判断されてしまう場合があり、周囲から怠け者のそしりを受けることもあります。

「病的な疲れ」は長期疲労と区別して考える

長期間の疲労状態になる長期疲労と「病的な疲れ」は、区別して考えるべきものです。なぜなら「病的な疲れ」である「慢性疲労症候群」は、明確な診断基準が定められた「病気」だからです。

現代の病「慢性疲労症候群」

慢性疲労症候群という病名がはじめて登場したのは、アメリカです。1984年、ネバダ州のある町で、人口の約1%もの人々が、原因不明の全身疲労を訴えるという事態が起きました。そのときに「慢性疲労症候群」という名がつけられ、1988年には診断基準が定められました。

慢性疲労症候群の診断基準は、「生活が著しく損なわれるような強い疲労感を主な症状とし、少なくとも6カ月以上この状態が持続、またはこれを繰り返している」とあります。遺伝的要因なども複雑に絡んでいることもあり、特定の治療法はまだ確立していません。慢性疲労症候群は、比較的新しい「現代病」であるといえます。

「病的な疲れ」になったら病院へ行こう

生活が著しく損なわれるような強い疲労感を長期間感じ、「病的な疲れ」により、家に何日も閉じこもってしまったりして社会生活を営むのが難しくなった場合は、すぐに病院へ行って医師に相談すべきです。病的な疲れは、医師の元による原疾患の治療が必要になってきます。

あなたの疲れは「病的な疲れ」ではありませんか? 注意しましょう。

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参考本

「最新医学でスッキリ!「体の疲れ」が消える本(梶本修身)」

    
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