疲れる場所にピンポイントで作用するのはイミダペプチドだけ!

細胞の損傷を防ぐ「抗酸化物質」という観点で考えれば、実はイミダペプチド以外にもいくつも存在しています。商品化されているものも多いため、例えばポリフェノールやビタミンC、カテキンなどといったような抗酸化作用のある物質の名前を耳にしたこともあるでしょう。

しかし、残念ながら、抗酸化物質がすべて「疲労回復物質」であるとは言えません。食品の成分として解析する際には強力な抗酸化作用を持っていたとしても、人体に入ってから消耗の激しい部位までたどり着かないものが多いからです。でも、イミダペプチドは違います。ピンポイントで疲れた場所に働きかけることができるのです。


疲れる場所にピンポイントで作用するイミダペプチド

体に入った抗酸化成分は、消化管から血中へと移動します。例えば、アントシアニンは、強い抗酸化力を有しており、血管内皮細胞に対し優れた血管拡張作用をもっています。しかし、血中ですでに抗酸化作用を発揮し、細胞がぼろぼろに損傷しているような自律神経中枢など疲れのポイントに行く前までには、その作用はほぼ失われてしまいます。

これでは、「疲れのもと」に対しての効果はあまり期待できません。しかし、イミダペプチドは、消化管で吸収されるといったん分解され、β-アラニンとヒスチジンという2種のアミノ酸となります。このアミノ酸は、血中ではほとんど消費されることなく浮遊しており、血液の流れに従って体の各部位に送られます。

とはいえ分解されたままでは、抗酸化作用は期待できません。イミダペプチドの状態になって初めて、その能力が発揮されるからです。しかし、生物の体は、神秘的とも思えるほどきわめて効率的な仕組みを、遺伝子レベルで兼ね備えています。

生き物ごとの、消耗の激しい器官において、「イミダペプチド合成酵素」が存在し、そこまで運ばれてきたβ-アラニンとヒスチジンを、再びイミダペプチドに合成するのです。鳥であれば胸肉、マグロなら尾びれの筋肉に、この合成酵素が豊富に含まれています。

では、ヒトはどこに豊富に含まれているでしょう? 答えは、「脳」です。自律神経中枢を含む脳と、主要な骨格筋には、イミダペプチド合成酵素が豊富に含まれていることがわかっています。

合成酵素が多い場所というのは、すなわち遺伝子レベルで「疲れやすい」と判断された場所であると言えます。そして、イミダペプチドもまた、遺伝子レベルで抗酸化作用を期待されている物質なのです。

このようにして、より細胞が酸化されやすく、消耗の激しい部位までくると、イミダペプチドは再びその姿を現し、おおいに抗酸化作用を発揮してくれます(ドラッグデリバリーシステムという作用が働いています)。

この「疲れている部位にピンポイントで効く」という性質「ドラッグデリバリーシステム」が、他の抗酸化物質と一線を画す、イミダペプチドの最大の能力といっていいでしょう。また、イミダペプチドが運動の疲れにもデスクワークの疲れにも効く理由も、消耗の激しい自律神経や脳に直接、抗疲労効果を発揮できるからなのです。

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