免疫力を高める18つの方法【がん予防にも効果的な食事・運動・生活習慣】

免疫力を高めるには、「ボス細胞(樹状細胞)」を活性化させることが欠かせません。この樹状細胞は、がんワクチンの開発にも利用されるなど、免疫力アップの鍵を握っています。免疫力研究の第一人者・矢﨑雄一郎さんの本「免疫力をあなどるな!」より、免疫力を高める18つの方法を紹介します。


免疫力とは

まず、免疫力とは何でしょうか? 免疫力とは、身体が本来持っている、病気にならないための「予防する力」であり、身体が病気になったときに健康を取り戻す「回復する力」のことです。

免疫力アップは何歳からでも可能

免疫力の力はずっと一定ではありません。年齢を重ねるごとに、少しずつですが免疫力は弱くなっていきます。しかし一方で、免疫力が優れているところは、免疫力を上げようと思ったらかんたんに上げることができます。高めようと思ったら何歳からでも高めることができ、病気を予防することができます。

免疫力を高めるポイントは「ボス細胞」

近年のバイオテクノロジーの躍進と開発により、免疫力を高めるためのポイントは、たったひとつの「ある細胞」にあることがわかりました。この細胞が免疫機能をつかさどっており、この細胞を活性化させるだけで、じつは免疫力を大きく高めることができるのです。

私たちの健康の要ともいえる細胞の名前は、「ボス細胞」です。正式には「樹状細胞」と呼ばれる細胞ですが、免疫機能をあやつる「司令官(ボス)」のような細胞であることから、「ボス細胞」と呼んでいます。

この樹状細胞は、枝のような突起(樹状突起)を持つ免疫細胞のひとつで、風邪のウイルスやがん細胞など攻撃すべき相手が現れたとき、樹状突起を伸ばして、いちばん効率よく闘い、そのほかの免疫細胞にさまざまな指示を出しています。

樹状細胞は数ある免疫細胞のなかでも、特にほかの免疫細胞に外敵を教える能力(=抗原提示能力)が優れているという特徴を持っているため、獲得免疫が効率よく働くかどうかは樹状細胞が機能しているかどうかにかかっています。

この樹状細胞の働きがあるからこそ、先制攻撃を担う自然免疫と、より強力な敵を倒す獲得免疫が相互作用し、最大限の効力を発揮できるのです。まさに、この「樹状細胞」が免疫システムの司令塔の役割を果たす「ボス細胞」だといえるのです。

「ボス細胞」は何歳からでもトレーニングできる

私たちの身体は何歳からでも、普段の生活習慣のなかでボス細胞をトレーニングすることが可能です。たとえば、「味噌汁を飲む」など発酵食品を摂るということは、そこに含まれる微生物が腸内環境を整えるとともに、ボス細胞に刺激を与えてがんなどに対抗する力を高めてくれる、まさに「腸トレ」とでもいうべきものなのです。

このような食生活や運動など、さまざまな生活習慣を改善していけば、私たちの健康をつかさどるボス細胞は今よりもずっと強くなり、私たちの身体を健康に導いてくれます。

がん治療の鍵ともなるボス細胞

さらにボス細胞の可能性は、鍛えれば強くなるということだけではありません。なんと、ボス細胞は「薬」にもなることがわかっています。ボス細胞の「体内の免疫細胞に対して外敵の特徴を教える」という能力を利用して、がん治療に応用した「がんワクチン」が開発されています。

免疫力が弱まると、がん細胞が増えるのを抑えられず、がんを発症してしまいます。つまり、がんを抑えるためには、弱くなってしまった免疫の力をもう一度活性・強化し、攻撃力を強めてがんをやっつければいいわけです。そこで、ボス細胞の元となる細胞を患者さんの血液中から取り出し、体外で人工的に成長・活性化させるのです。

さらに、がんの目印を認識させて確実に免疫の司令塔として働けるようにします。そうしてから患者さんに投与し、体内でがんに対する免疫反応を起こさせる。これが、がんワクチンのしくみで、「樹状細胞治療」と呼ばれるものです。

このワクチンは患者さん本人がもともと持っている免疫の力を高めてがん細胞だけを攻撃するようにしているため、正常な細胞までも攻撃してしまう抗がん剤などに比べて副作用が少ないのが特長です。しかも、この「樹状細胞治療」の可能性は、がんだけに限ったことではありません。

ボス細胞は、体内のほかの免疫細胞に外敵の特徴を伝えて攻撃命令を出すことができる一方で、免疫の過剰な活性化を抑える力も持ち合わせています。この働きを利用すれば、花粉や食物などの無害な異物や、自分の細胞を攻撃してしまうことで発症する病気への臨床応用ができると期待されているのです。

現在、関節リウマチや多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、クローン病などの自己免疫疾患や、喘息、花粉症、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患に対する新たな免疫療法の開発が進められています。

ボス細胞が活性化する3つの方法

病気を予防し、健康になるためには、ボス細胞の働きが低下するのを防ぎ、かつ、機能を高めるための生活習慣を取り入れることが重要です。ボス細胞を活性化する方法は、とっても簡単でたったの3つしかありません。

  1. 「ボス細胞」を活性化させる食事を摂る
  2. 運動は「汗をかく前」にやめる
  3. 「ストレスフリー」な環境を整える

この3つを意識するだけ免疫力は上がります。ひと言でいえば、「食事メイン、運動サブ」の生活を送り、ストレスを取り除くことです。

ボス細胞もひとつの細胞ですから、「食事」によってつくられています。骨の成長にはカルシウムが必要なように、ボス細胞をつくり、元気にさせる栄養や食事というのが明確に存在します。その食事をしっかり摂って、自分に適した運動習慣を整える。そして細胞をつくりながら、身体を「ストレスフリー」の状態にして、加齢に伴う細胞の老化を防いでいくことです。

それでは、免疫力を高める方法を詳しく見ていきましょう。

1.腸内環境を整えると免疫力の70%がよくなる

人間の身体は約60兆個の細胞でできているといわれています。そのうちの約2兆個、重さにするとだいたい1キロ前後が健康をつかさどる免疫細胞です。約2兆個もある免疫細胞ですが、身体全体にバランスよく分布しているわけではありません。

私たちの健康を日々維持している免疫細胞全体の70パーセントもの数が、腸に存在しているのです。人間の身体を覆う皮膚の面積は、成人男性でも約1.5平方メートルなのに対し、腸管粘膜の面積は約400平方メートルもあり、テニスコートよりも広いのです。

その大きな面積を有する腸の粘膜は、外来物である食物を消化吸収することで常に膨大な量の抗原と接触しています。腸管は体内にありながら、外界と直接触れあっているということになります。

腸内にいる免疫細胞は、食物として摂取されたさまざまな栄養素とともに、最も多くの細菌やウイルス、化学物質などの異物にさらされています。そのような環境で、彼らは人体に必要な栄養と害になる病原菌などを正確に見分け、栄養を取りこみ、害があると判断したものを正確に排除していかなければなりません。

食べ物に対する過剰反応が起きて下痢や腸炎が起きないように、免疫を抑える役割も果たしています。だからこそ、全体の約7割にもおよぶ免疫細胞が腸内に集まっているというわけです。腸は消化器官であると同時に、最も大きな免疫器官でもあるのです。

細菌やウイルスなどの抗原の多くは、タンパク質や脂質など、食品とほとんど同じ成分でできています。それをきちんと識別することができるのですから、免疫細胞の能力はすごいものです。こうした判断能力を腸内にいる免疫細胞が備えているのは、外来物である食べ物からたくさんの刺激を受けることで、より元気に、より有能になっていくことができるからです。

特に子どものうちにできるだけたくさんの外来物に接して、腸内の免疫細胞の認識能力を磨くことができれば、それだけ大人になってからの免疫力も高まります。50種類の食物しか摂取しない人より、その10倍となる500種類もの食物を摂る人のほうが、当然ながらより多くの刺激を腸内の免疫細胞に与えることができるので、免疫力を高めることができるわけです。

「好き嫌いなど偏食をしてはいけない」
「1日30品目を食べるのが理想」

という食の常識も、「細胞レベル」で健康を考えると、納得できます。「腸内環境が大事」といわれるのも、腸が最大の免疫器官であり、私たちの健康を大きく左右する器官だからです。免疫力を上げるには、全免疫細胞の7割を占める腸内の免疫細胞をバランスよく活性化させることが大切なのです。

2. 免疫力を高める食事

免疫力を高める食事は、発酵食品です。発酵食品が免疫力を高める秘密は、食材を発酵させ、発酵食品を作る微生物です。微生物が腸に届くことで身体を健康にしてくれるのです。

昔ながらの日本の朝ごはんであるぬか漬け、浅漬、納豆などは健康にいい食事です。其の中でも、おすすめの食べ物は、「味噌汁」と「納豆キムチ」です。それ以外の食材としては、キムチ、ヨーグルト、チーズ、ピクルスなどの発酵食品も免疫力を高めてくれます。

3. 免疫力を上げる最高の食材「大豆」

さきほど免疫力を上げるのには、味噌汁、納豆キムチがおすすめと言いましたが、納豆の主原料である大豆には、ボス細胞をつくるのに欠かせない良質なたんぱく質や便秘を防ぐ食物繊維、腸管の粘膜を強化するビタミンB群などが豊富に含まれています。

さらに、納豆には乳酸菌と同じように腸内のボス細胞を活性化させる納豆菌まで入っているので、免疫力を上げるためには積極的に摂りたい食品のひとつです。そして、

最高の健康食品は発酵食品と納豆を組み合わせた「納豆キムチ」

です。

4. 野菜は「皮ごと」食べるべし

野菜には、ボス細胞を活性化させるファイトケミカルが豊富に含まれています。ファイトケミカルは第七の栄養素として注目され、活性酸素を抑える抗酸化作用があり、免疫力を高めてくれます。そこで、野菜は香りが強いものを皮ごと食べるようにし、ファイトケミカルを摂取するようにしましょう。

また、ファイトケミカルは熱にも強いので、加熱調理しても、そのままサラダで食べてもOKです!

5. 野菜と肉は「2対1」のバランスを心がける

肉を食べるときは、必ず野菜と一緒に食べ、野菜と肉の割合を2:1にするようにしましょう。また、肉を食べたあとにヨーグルトを食べると、調査ない細菌のバランスが整い、免疫力低下を防ぎます。

6. 肉は鶏むね肉を食べよう

疲労回復成分である「イミダゾールジペプチド(イミダペプチド)」が含まれる鶏むね肉を食べることで、疲労予防につながり、免疫力アップにつながります。

7. サプリメントに頼り過ぎない

サプリメントは食品ではありません。しかも、いろんな調整剤や添加物が入っています。普段の食事でどうしてもとれない栄養素が取れる場合は、サプリメントで補ったほうがよいケースもありますが、基本的には食事で栄養を確保するほうがいいのです。必要な栄養はバランスのいい食事で吸収するのを基本としましょう。

8. 生活は食事メイン、運動サブにする

免疫力を高めるボス細胞は「運動」ではなく「食事」が重要な要素となっています。健康を維持するには、運動をメインではなく、食事をメインに考える必要があります。

ボス細胞の機能を活性化させるには、アミノ酸(タンパク質)、水、コレステロール(脂質)、ファイトケミカルなどが重要です。そのため、忙しいからといって、カレーやパスタだけといったワンディッシュにするのではなく、一汁三菜を心がけましょう。

9. 朝食で一日のリズムを整える

「朝は忙しいし、起きてすぐは食欲がないから朝食はいらない」

そういう方は、自律神経のバランスが崩れている可能性があります。人間の身体は日中に交感神経が優位になっていて、夜になると副交感神経が優位になるようにスイッチが切り替わります。この切り替えがうまくできずに、夜の間にきちんと副交感神経優位になっていないと、朝起きても食欲がわかないのです。

夜の間にしっかりと副交感神経優位のリラックスした状態になってないということは、睡眠中も緊張が解けないことを意味します。夜もずっと緊張して闘っているような状態です。すると朝起きたときにもしっかりと副交感神経優位の状態に切り替わっておらず、朝の食欲は生まれません。だから、朝、食欲がないということは、夜しっかり休めていないということでもあるのです。
 
朝の食欲低下は決して見過ごしてはいけません。朝食には一日の状態を左右する重要な働きがあるからです。朝食を摂ることで身体はしっかり目覚めて、夜の間に下がっていた体温が徐々に上昇し、交感神経へとうまくスイッチを切り替えることができます。ところが、朝食を抜いてしまうと、身体はしっかりと目覚めきることができないので交感神経との切り替えがうまくできません。

朝食には自律神経のスイッチを切り替えるだけではなく、排便のリズムを整えるという働きもあります。朝食を摂ると、その刺激を受けて腸が目覚め活発に動きはじめます。このように排便を促すことで便秘の防止にもなり、理想的な腸内環境を維持できるようになるのです。

ちなみに朝食と排便は「朝の二大リラックスイベント」です。このふたつのイベントを習慣づけることで、自律神経や腸内環境のバランスをしっかりと保つことができるというわけです。ボス細胞の活性化には自律神経のバランスがとれていること、そして善玉菌優位の腸内環境であることが欠かせません。

10. お風呂あがりのアイスは避ける、ヨーグルトはOK

お風呂あがりのアイスは至福のひとときですが、体温を下げ、砂糖をたくさん摂取してしまうからです。体温の低下、砂糖の摂り過ぎは、免疫力を下げてしまいます。そのため、入浴後は、アイスではなく、発酵食品であるヨーグルトを食べると免疫力がアップします。詳しくは、

「入浴後はアイスよりヨーグルトを食べるべき2つの理由」

で説明しています。

11. 歯磨きは1日2回以上で効果倍増

腸につながる口の中(口腔)は、免疫力アップに欠かせません。そこで大切なのは歯磨きです。1日1回歯磨きをする人に比べて、

1日2回歯磨きをする人は、口腔ガンになるリスクが3割も低くなります

。食事ごとに歯磨きをすると、虫歯や最近の増殖を防ぐだけでなく、口腔癌も防ぎ、免疫力も高めてくれます。

12. 免疫力を高める運動習慣

適度な運動は免疫力を活性化させますが、辛いと感じながら毎日運動するのは避けましょう。ストレスがボス細胞を傷つける活性酸素の原因となってしまうからです。楽しい範囲内で運動やスポーツをしましょう。また、水分を十分摂取した状態でスポーツをしましょう。

次に、燃焼のスイッチが入ったタイミングで運動をやめるようにしましょう。燃焼がはじまるタイミングというのは、疲労因子と疲労回復因子のバランスがベストの状態になっているからです。

13. 水分補給のタイミングは「のどが渇く前」

人の身体の60%は水分でできています。しかし、水分が枯渇すると、免疫力を高めてくれるボス細胞が正常に機能しなくなります。そのため、免疫力を高めるには水分補給が欠かせません。しかも、のどが渇いてから水分補給をするのではなく、

「のどが渇く前」に水分補給をする

ことが大切です。

14. 眠くなったら10分仮眠をとる

睡眠は免疫力を回復してくれます。日中に疲れを感じたら、10分仮眠を取るようにしましょう。効果的に

仮眠をとることで、免疫力が回復

します。

15. 寝る前にポジティブなことを考える

いい睡眠をとるには、寝る前に

「人生で一番楽しかったこと」
「人生で一番うれしかったこと」

を思い出すことです。寝る前にネガティブなことを考えたり、スマホをするのは避けましょう。また、ぬるめのお風呂に入り、副交感神経を優位にし、リラックスして快眠を心がけましょう。

16. 清潔にしすぎない

清潔にし過ぎることは、免疫力を下げてしまいます

。潔癖症の人は、菌は悪者と考えがちですが、人間の体には「常在菌」と呼ばれる微生物が欠かせません。常在菌がバランスよく存在することで肌をバリアしてくれます。

特に小さな子供のうちは、適度に菌と触れ合う泥んこ遊びなどが免疫力を高めるために重要なのです。そうすることで、肌荒れ、アレルギー、アトピーなども防いでくれるのです。

17. ストレスフリーな環境を整える

ストレスは免疫力を低下させます。そのため、ストレスフリーな環境を整えることが免疫力アップに繋がります。ストレスフリーな環境を整えるには、ボス細胞を活性化させる生活習慣を徹底することが大切です。そのためにも、「食事」「運動」「睡眠」のバランスを維持することを心がけましょう。また、

「健康と見た目」は無関係

です。働き過ぎでバランスを崩しているので注意しましょう。

18. トイレやあくびは絶対にガマンしない

トイレ(特に便意)を我慢するのは、ストレスがたまり、免疫力低下につながります。便秘になってしまうと、腸内環境が大きく変化してしまいます。便意以外にも、おならや、あくびなどの生理現象も我慢してはいけません。

いかがでしたか? 免疫力研究の第一人者・矢﨑雄一郎さんの本「免疫力をあなどるな!」では、今回紹介した免疫力を高める方法が詳しく紹介されています。免疫力を高めることは、がん予防にも効果的なので、健康なうちに本書を読んで免疫力アップしましょう!

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