のどが渇いてからではもう遅い! 正しい水分補給のやり方とは

近年、ランニングが大人気です。健康維持の一環として始めた人も多いのではないでしょうか。しかし、ランニングで気をつけなければいけないことが、「水分補給」です。水分補給を一歩間違えると、脱水症状を起こして、時には命の危険にさらされます。

水分補給の怖さというのは、なにもランニングに限った話ではありません。近年、夏の猛暑が続きますが、高齢者の多くが水分補給できずに、中には命を落とす人まで出ています。じつは水分補給には正しいタイミングがあり、それを多くの人が誤解しているのです。

実は、水分補給のタイミングは身体の免疫システムに大きな影響をあたえます。水分補給の正しいタイミングを、免疫力研究の第一人者である矢崎雄一郎さんの著書「免疫力をあなどるな!」より紹介します。


水分補給は必ず「のどが渇く前」にやりなさい

「宝水」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。昔の人は、就寝前に枕元に置く水のことをこう呼んでいたそうです。近頃ではほとんど見かけませんが、以前は旅館などに泊まると水の入ったポットとグラスをお盆に乗せて枕元に用意してくれました。すぐに手が届く所に水を置いて、寝る前や起きてすぐにのどを潤せるようにという、ありがたい心遣いです。

この言葉自体、最近ではあまり耳にしなくなってしまったのは、水道をひねればいつでもきれいな水が出てくることに慣れ、いつのまにか水のありがたみが薄れ、すたれてしまったからかもしれません。けれども、寝る前に一杯の水を飲む、あるいは朝起きたときに水を飲むというのは非常に理にかなった行動です。

なぜなら、人間は眠っている間に大量の水分を失っているからです。よく「人は寝ている間にコップ一杯分の汗をかく」と言いますが、睡眠中は水分補給ができないので、どうしても寝ているときには誰もが気づかないうちに軽い脱水症状を起こしています。だから就寝中の水分不足を補うという意味で、「宝水」は大変有効だったのです。

ここでぜひ知っておいてほしいことは、なぜ水分が私たちに必要なのか、ということです。人間の身体は、その60パーセントが水分でできています。その依存度は大きく、十分な水がなくてはそれぞれの細胞が形をとどめておくことができません。

ですから、全身の水分が枯渇してしまったらボス細胞も正常な形状を保ち、きちんと機能することができなくなってしまいます。すると当然、免疫力は大きく低下し病気にもなりやすくなります。

健康の維持に欠かせないボス細胞(樹状細胞)の機能を損なわないためにも、私たちの身体には水分が必要だったのです。しかし、常日頃からこまめな水分補給を心がけている人はそう多くはありません。スポーツをしているときなどを除き、普段の生活ではよほど激しい「のどの渇き」を覚えなくては積極的に水分補給をしようとは思わないのではないでしょうか。

それどころか、就寝前には夜中にトイレで起きるのを避けるために、あえて水を飲まない人も多いと聞きますし、車での移動や通勤などの際にも同様の理由で水分補給を控えるという話をよく耳にします。

しかし、これらの行為はとても危険です。なぜなら、私たちがのどの渇きを覚えたときには、すでに身体は水分不足の状態になっているからです。このとき、私たちの身体は全体のおよそ2パーセントの水分を失っている状態になっていて、脱水症状の初期段階に突入しています。

だから、のどの渇きを覚える前に意識的に潤さなければ、本当の意味で水分補給をしているとはいえません。ましてや、のどが渇いているのがわかっているのに、我慢して水を飲まないでいるなど、論外ということになります。

これはスポーツをしているときや、真夏の炎天下といった特別な状況に限った話ではありません。のどの渇きは、細胞が発している脱水症状の赤信号であると肝に銘じておきましょう。

高齢者ほど脱水に要注意

特に、高齢者の脱水はきわめて危険なので要注意です。若い人なら自分の身体から2パーセントの水分が失われた段階で、のどの渇きという赤信号によって脱水を自覚することができます。

ところが高齢になると、次第にのどの渇きを自覚することができなくなってくるのです。これは脳に存在する「のどの渇きを知らせるセンサー」の機能が低下してくるために起きる現象です。お年寄りは「のどが渇いていない」のではなく「のどが渇いているのがわからない」だけなのです。高齢の方はどうしても水分補給のタイミングが遅れてしまいがちになってしまうので、若い人以上にこまめな水分補給を心がけましょう。

スポーツドリンクは常用しない

水分補給にスポーツドリンクを飲まれる方が多いのですが、やはり普段の生活における水分補給には水がいちばんです。スポーツドリンクは、激しい運動をして塩分やミネラルが体内から失われたときには最適なのですが、運動をしていないときに飲むには糖分や塩分が濃すぎます。

脱水症状を起こさないためにも、細胞を枯れさせないためにも、最も身体が吸収しやすい常温の水を、のどが渇く前にこまめに飲むという習慣を身につけることが大事です。渇いているという自覚があってもなくても、水分補給をしてボス細胞を潤わせておかなければ、免疫システムがきちんと機能しなくなってしまうのです。

正しい水分補給のタイミング以外にも、免疫力を高める方法を知りたい人は、免疫力研究の第一人者・矢﨑雄一郎さんの本「免疫力をあなどるな!」を読んでみてはいかがでしょうか?

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