ワインを飲むと頭痛がするのはなぜか? 毒性が強く頭痛を起こす酸化防止剤「亜硫酸塩」

「ワインを飲むと、頭痛がする」という人もいます。それは、ワインに添加された酸化防止剤の亜硫酸塩が原因でしょう。一種の化学物質過敏症で、亜硫酸塩に体が敏感に反応して、結果的に頭痛が起こるのです。


化学物質過敏症とは

化学物質過敏症とは、微量の化学物質を摂取した際に起こる症状です。それは、化学物質に対する体の「拒否反応」と考えられます。人間の体には自己防衛システムが備わっていて、有害な化学物質を摂取した時には、嘔吐や下痢などによって、それをすぐさま体内から排除するような仕組みがあります。

ところが、有害化学物質がごくごく微量の時は、それらのシステムがなかなか機能しないらしく、排除されずに消化管から吸収されてしまいます。そして、それが臓器や組織、神経などの細胞を刺激して、さまざまな症状が現れると考えられます。

ただし、化学物質に対する感度は人によって違いがあり、同じ微量の化学物質を摂取した場合でも、症状が現れる人と現れない人がいます。

化学物質過敏症というと、一般には目の刺激感や疲れ、のどの痛み、ぜんそく、胸痛などシックハウス症候群に見られる症状がよく知られていますが、ほかにも、めまい、動悸、不眠、頭痛など、神経的な症状も知られています。

これらの症状が現れるということは、その人にとって、摂取した微量の化学物質がよからぬ作用をしているということです。そして、その症状はそのことを知らせているという意味で、化学物質に対する「拒否反応」、あるいは「警告反応」と解釈することができるのです。

ですから、ワインを飲んで頭痛がするという人は、それに含まれる亜硫酸塩に対して、体が拒否反応を示していると考えられるのです。

ワインに使用される二酸化硫黄は有毒ガス

市販されているワインの瓶には、たいてい「酸化防止剤(亜硫酸塩)」という表示があります。とくに輸入ワインの場合、ほぼ100%こうした表示があります。ワインはブドウを酵母で発酵させることによって造られます。その本場はフランス、イタリア、ドイツなどですが、ヨーロッパでは以前からワイン造りには亜硫酸塩が使われてきました。酵母が増えて発酵が進みすぎるのを抑えたり、雑菌を消毒するためです。また、ワインが酸化して変質するのを防ぐ目的でも使われています。そのため「酸化防止剤」と表示されているのです。

しかし、亜硫酸塩は毒性が強いのです。亜硫酸塩にはいくつか種類がありますが、ワインに一番よく使われているのは、二酸化硫黄です。これの気体は亜硫酸ガスといいます。実は火山ガスや工場排煙などに含まれている有毒ガスです。

三宅島の雄山が噴火して、一時島民全員が島から避難しましたが、その後、島民はなかなか島に帰れませんでした。それは、空気中の二酸化硫黄の濃度が高かったからなのです。それほど毒性が強いのです。有毒だからこそ、ワイン中の酵母や雑菌の増殖を抑えることができるのです。

そんな有毒物質ですから、微量でもワインに含まれていれば、化学物質に敏感な人は頭痛を起こすのだと思います。つまり、頭痛は「もう飲まないようにしてくれ」という体からの訴えだと考えられます。

二酸化硫黄を0・01%および0・045%含む2種類の赤ワインと、0・045%含む水をラットに長期にわたって飲ませた実験では、肝臓の組織呼吸の抑制が認められました。また、ビタミンの欠乏を引き起こして、成長を悪くすることも認められています。こうした毒性があるため、厚生労働省では、ワイン中の二酸化硫黄の量を0・035%以下に規制しています。しかし、この実験の「0・01%」よりもむしろ高濃度なのです。したがって、人間が市販のワインを飲み続けた場合も、同様な影響が現れる可能性があるのです。

頭痛がするなら無添加ワインがおすすめ

ワインを飲むと頭痛がするという人には、無添加ワインがおすすめです。コンビニやスーパーなどには、値段が安い無添加ワインが売られているので、容易に手に入れることができます。

甘納豆や干しあんずにも使われる亜硫酸塩

亜硫酸塩は、酸化防止剤のほかに、漂白剤としても使われています。漂白剤は、食べ物を漂白するための添加物です。見た目をよくするためのもので、本来は必要ないのですが、業者の要望があって使用が認められています。亜硫酸塩の場合、見た目の目的で使われることが一般的です。

亜硫酸塩は、二酸化硫黄のほか、亜硫酸Na、次亜硫酸Na、ピロ亜硫酸Na、ピロ亜硫酸Kがあります。これらは、どれが使われていても、「亜硫酸塩」という表示でよいことになっています。ただし、メーカーの判断で、「次亜硫酸Na」などの具体名が表示されることもあります。

その他の亜硫酸塩も、動物実験の結果から、ビタミンの欠乏を引き起こして、成長を悪くする恐れがあります。さらに、水に溶けると亜硫酸ができて、それが胃の粘膜を刺激します。干しあんずには二酸化硫黄が漂白剤としてよく使われています。

ドライフルーツやコンビニ弁当にも使用されている

亜硫酸塩は、ドライフルーツの漂白剤としてよく使われています。コンビニや駅の売店には、レトルトパックに入ったドライフルーツが売られています。パイナップル、マンゴー、ピーチなどいろいろな種類がありますが、果物を乾燥させただけでは色が悪くなってしまうので、亜硫酸塩を使って、きれいな色にしているのです。ドライフルーツは、手軽に果物が食べられるということで人気があるようです。しかし、胃の敏感な人は、注意したほうがよいでしょう。

このほか、亜硫酸塩は、かんぴょうやれんこん、栗、あんぽ柿などの漂白にも使われています。使われている場合、「漂白剤(亜硫酸塩)」、あるいは「漂白剤(二酸化硫黄)」「漂白剤(亜硫酸Na)」などと表示されています。

また、「酸化防止剤(亜硫酸塩)」と表示されるケースもあります。それらの表示がある製品は買わないほうが無難です。また、お弁当に亜硫酸塩が使われているケースもあります。なお、漂白剤が使われていないドライフルーツも売られています。漂白されていないので、見た目は少し悪いですが、こちらのほうが安心して食べることができます。

ワインを飲んで頭痛がよく起こるのであれば、「亜硫酸塩」が原因の可能性が高いです。どうしても飲みたいのであれば、無添加ワインを飲むのがおすすめです。

参考本

「体を壊す10大食品添加物(渡辺雄二)」

    
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