食品添加物は「敵」? 食品添加物と上手に付き合う5つのポイント

食品添加物と言うと食の「敵」と考えがちです。しかし、食品添加物はつきあいかた次第でたくさんのメリットも与えてくれます。食品添加物と上手に付き合う5つのポイントを紹介します。


人と添加物の歴史

人は昔から添加物と付き合っています。豆腐は大豆を搾った豆乳を「にがり(塩化マグネシウム)」で固めてつくりますが、この「にがり」は添加物そのものです。添加物はだめだからといって「にがり」を使わないのなら、豆腐も食べられない。豆乳を飲むだけになってしまいます。

また、日本人には古来より結婚式で来客に「紅白まんじゅう」を配る習慣がありますが、この紅白まんじゅうの赤のほうは「食紅」で染められてきました。食紅を使いたくないなら、紅白まんじゅうだって食べられなかったわけです。

それ以外にも、まんじゅうのふくらし粉として使われる「重曹」だって添加物です。こんにゃくを固めるための「水酸化カルシウム」もそう。添加物がだめだというのなら、私たちは「まんじゅう」も「こんにゃく」も食べられないのです。

食品添加物にもメリットはある

食品添加物にはメリットもあるのです。「安さ」「手軽さ」「便利さ」といったメリットから、豆腐や紅白まんじゅうを食べられるのも、それは添加物のおかげです。

台所にないものが食品添加物

食品添加物とは「台所にないもの」です。台所にはさまざまな調味料があります。まず、「しょうゆ」「味噌」「砂糖」「塩」「酢」などの基本調味料はあるでしょう。「化学調味料(グルタミン酸ナトリウム)」はあるかもしれませんが、そのほかに添加物らしきものを探すと、「重曹」「ベーキングパウダー」ぐらい。漬物を漬ける人ならば、たくあんに色をつける「クチナシ」もあるかもしれません。

でも、家庭で漬物を漬けるとき、保存料の「ソルビン酸」を使う人はいないでしょう。「安息香酸」も「キサンタンガム」もない。「コチニール」も「亜硝酸ナトリウム」も「ポリリン酸」もないでしょう。台所にないもの、およそ想像がつかないものが食品添加物なのです。

食品添加物と上手に付き合う5つのポイント

では、そんな食品添加物と上手に付き合うための5つのポイントを紹介します。

1. 「裏」の表示をよく見て買う

スーパーなどで食品を買うとき、どれほどの人が「裏」の表示を見ているでしょうか。値段と外見、それにせいぜい賞味期限を見るぐらいで、簡単にかごに放り込んではいないでしょうか。食品を買うときには、必ずひっくり返して「裏」を見る習慣をつけてほしいと思います。

そして、「台所にないもの=食品添加物」という公式を頭の片隅に置きながら、なるべく「台所にないもの」が少ない食品を買うことです。台所にないカタカナがぞろぞろ書いてあるようなものは避けましょう。

もちろん「台所にないもの」がまったく入っていない食品を探すのはなかなか困難です。ゼロにするのは無理といっていい。 「裏」の表示を見比べて、できるだけ「台所にないもの」が少ないほうを選ぶ。

こうすれば添加物ひとつひとつの毒性の知識などなくても、おのずと安全性の高い食品を選ぶことができるのです。

2. 加工度の低いものを選ぶ

食品を購入するときには、なるべく「加工度」の低いものを選ぶことも大切です。たとえば、ご飯。まったく加工されていない状態が「生米」。加工度が最も高いのが、スーパー、コンビニで売られている「冷凍ピラフ」や「おにぎり」だとします。お米を買ってきて、自宅の炊飯器で炊けば添加物はゼロです。

これが、冷凍ピラフやおにぎりに加工されると、「調味料(アミノ酸等)」や「グリシン」などの添加物が入り込んできてしまうのです。でも時間がなくて、自分で炊いていられないというときもあるでしょう。そんなときでも、最終形(冷凍ピラフやおにぎり)に安直に頼るのではなく、その途中の段階であるパック入りのご飯にするとか、そういう工夫をしてほしいのです。

手間をとるか、添加物をとるかです。加工度が高くなればなるほど、添加物は多くなります。「光」が強ければ強いほど、「影」も深いのだということを、くれぐれも忘れないでください。

3. 「知って」食べる

自分の食べるもの、あるいは家族に食べさせるものに、どんな添加物が入っているかを、「知って」食べることが大切です。表示を見れば、それだけで何種類かの添加物をとってしまうことがわかります。その事実をきちんと「知る」だけでも、全然違うのです。

週に3日、加工食品の日があってもいい。それでも、もし自分が何を食べているかを「知って」いれば、そこからきっと家族や自分自身に対する「ごめんなさい」の気持ちが生まれるはずです。

こまかい毒性や危険性まで知らなくても、自分が口にした加工食品には添加物が入っていることを「知って」いれば、必ず「手づくり」の反動が来るのではないでしょうか。だから「すべてを手づくりなんて無理」と言わず、1週間というスパンで考えてほしいのです。そのためにも、まずは自分が何を食べているのかを、「知って」食べてほしいのです。

4. 安いものだけに飛びつかない

買い物をするときに値段だけを見て、安いもの、特売のものだけを買っていませんか? ほかの食品と比べて値段の安いもの、便利だなと思うものには、必ず理由があります。そしてその答えは、「裏」にちゃんと書いてあります。

大手スーパーは「価格破壊」を打ち出しています。直取引をすることで問屋の中間マージンをなくしたと主張していますが、それだけで値段が2割3割も安くなるはずがありません。「価格破壊」の「裏側」には、添加物屋や加工食品業者の暗躍があったのです。

昨日まで398円だったソーセージを298円で売りたいと言われれば、利益は変わらず、298円のものをつくるのがプロの仕事です。要は材料の質を落とし、その分添加物を駆使して、「それなりのもの」をつくり上げるのです。

しかし、そんな「それなりのもの」でも、消費者は値段だけを見て、「これは安い、ラッキー」と買っていってくれるのです。

水だってそうです。いまは水ブームで、スーパーではさまざまなミネラルウォーターが売られています。海洋深層水、活性水素水、還元水、イオン交換水、電気分解水。普通の消費者には、あまりに複雑でどれを選べばいいのかわからないほどです。

しかし、注意していただきたいのは、スーパーで売られている安い「それなりの水」は、たんに水道水を機械で浄化し、ミネラルを強引に加えただけのものだということです。もちろん、水道水を浄化して売るのが悪いというわけではありません。ただ、あたかも「自然のミネラルウォーターだ」と誤解させてしまうところはやはり問題です。

たとえば「富士の湧水」のように、江戸時代に富士山に降った雪が解け出してゆっくり地下を流れてきた水には、人工的にはとてもつくれないような、それはそれは貴重なミネラルが含まれているのです。

「どうして、2リットル100円の水から、1,000円以上する水まであるのだろう」

そんな「素朴な疑問」を持ってほしいのです。「安いものには理由がある」ということを肝に銘じておいてください。

5. 「素朴な疑問」を持つこと

まずは「素朴な疑問」を持つことが、添加物と付き合う、加工食品を選ぶ、最初の第一歩になります。

「なぜこの明太子は、こんなにきれいな色をしているのだろう?」
「なぜこのハンバーグは、こんなに安いのだろう?」
「なぜコーヒーフレッシュは、安いお店でも使い放題なのだろう?」
「みりん風調味料「風」って何だろう? 純米みりんとどう違うのだろう?」

こうした「素朴な疑問」を持つことがすべての始まりなのです。そしてそんな「素朴な疑問」を持ったら、加工食品の場合は、ぜひひっくり返して「裏」のラベルを見てください。その答えはおのずと出るはずです。

参考本

「食品の裏側―みんな大好きな食品添加物(安部司)」

    
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