台所の塩はミネラルたっぷりの天然の塩? 4つの塩の種類から考える食の安全

塩業界も「うそ」「ごまかし」がはびこっています。「塩ブーム」から、スーパーやデパートにはさまざまな種類の塩が並ぶようになりました。では、あなたが使っている塩は本当にミネラルたっぷりの天然の塩なのでしょうか? 4つの塩の種類から考える食の安全について紹介します。


塩の種類は4つ

塩は、大きく次の4つの種類に分かれます。詳しくみていきましょう。

1. 精製塩

海水から電気と膜を使って塩化ナトリウムだけを取り出したもの。塩化ナトリウムの純度が高く、それ以外の成分はほとんど除去されています。いままで一般的に使われていた食塩がこれに当たります。

2. 輸入塩

いわゆる岩塩や天日塩です。一部、海塩もあります。メキシコやオーストラリア、中国製が多いようです。

3. 再生加工塩

メキシコやオーストラリアなどから輸入された岩塩や天日塩などを、一度海水で溶かし、塩化マグネシウムなどを加えて再生加工したもの。

4. 自然海塩

海から直接くみ上げ、水分を蒸発させた塩。日本古来の塩のつくり方で、成分をまったく調整しない伝統的な塩です。「自然海塩」と書かれています。

塩のうまみは海のミネラル

塩のうまみは、しょうゆと同じで雑味から来るものです。海のミネラル成分がどれだけ含まれているかで決まります。ミネラルが十分に含まれている塩は、甘いし、おいしいです。よく「塩は血圧を上げるからだめだ」と言われますが、こういう塩は血圧も上げないし(むしろ下げます)、体にいいのです。

この4つのうち、もっともミネラルの豊富なのが「4. 自然海塩」です。ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛など、海の複雑なミネラルがそのまま凝縮されています。「微量元素」と呼ばれる海のミネラルを豊富に含んでいるのです。

同じように、「海水からつくったミネラルたっぷりの塩」のイメージで売られているものに「3. 再生加工塩」があります。「●●の塩」などの名称で販売されていたりします。これはまず、メキシコなどの外国から安い岩塩や自然結晶の天日塩を買ってきます。これを海水の中で溶かし、それを煮詰めて結晶化するのです。

ところが、岩塩にしろ、天日塩にしろ、ミネラルはほとんど入っていません。塩を自然結晶させると、ミネラルを押し出してしまいますから、純度が高い塩になってしまうのです。そこでどうするかというと、「塩化マグネシウム」とか「塩化カルシウム」などを、あとから添加するのです。これで「海のミネラル入り」の塩が完成します。

その土地の海でとれた塩でないのに、いかにもその土地の海水からとったミネラルたっぷりの塩であると誤認されているのも問題です。なかにはそれらしく見せかけるために、鉄さび(鉄アンモニウム塩)で茶色に着色しているものもあります。

塩の情報公開問題

塩は、価格差が非常に大きい調味料です。1キロ60円のものがあるかと思えば、7,000円もするものがあります。しかし、塩業界はまったく情報をオープンにしていません。「裏」を見ても、情報がすべて書かれているとは限らないのです。

いつも買っている「●●の塩」が、●●でとれた塩ではなく、輸入塩に添加物で手を加えただけのものだという事実なのです。それを私たちは知りようがないのです。つまり、ミネラルが入っているものと入っていないものの違いを見分けられないのです。

現状では製法、ミネラルの種類や量はわかりません。見分けがつかなければ、使い分けることもできないのが問題なのです。塩は製造・販売・輸入が自由化されたのがつい最近のことで、製造メーカーによって表示がまちまちです。表記を統一し、情報を公開しようという動きも出てきてはいますが、まだまだ十分とは言えないのが現状です。

酢や砂糖も「ニセモノ」がはびこっている

酢や砂糖も昔ながらの製造法に代わり、添加物を使って「ニセモノ」をつくる製造法が主流となってきています。砂糖にも、もちろん添加物が使われています。三温糖と上白砂糖の栄養価の差は、黒砂糖に比べれば微々たるものですが、「上白砂糖は体に悪く、三温糖は体にいい」と言われはじめてから、三温糖が売れるようになりました。

そこでメーカーはどうしたか。上白砂糖をカラメル色素で染めて「三温糖」として売り出すようになったのです。ザラメも同じようにカラメルで染めています。それが証拠に、着色したザラメは水をかけると茶色の液が溶け出して、透明のザラメになります。周りを染めているだけだからです。

もちろんすべての三温糖、ザラメが染めて売られているわけではありません。染めていない「本物」もあるので誤解しないでください。スーパーなどで「裏」の表示を見比べてみればすぐわかります。染めているものには「カラメル色素」と表示されていますから、確認してみてください。

塩だけでなく砂糖にも「ニセモノ」がはびこっているのです。知らず知らずのうちに、こうした添加物でつくり上げた「ニセモノ」「まがいもの」を、口にしてしまっているのです。食の安全に、もっと気をつけるようにしましょう。

参考本

「食品の裏側―みんな大好きな食品添加物(安部司)」

    
コメント