100キロの豚肉から130キロのハムができる!? プリンハムの恐怖

食品業界に「プリンハム」なる用語があります。響きは一見可愛らしいのですが、要は水を肉の中で固めたハムということです。業界では、搾れば水が出るくらい水を含んでいるということで、「雑巾ハム」「水増しハム」と呼ぶ人もいます。


プリンハムの作り方

ハムの原料は豚肉ですが、たとえば100キロの豚肉のかたまりから120~130キロのハムをつくるのです。では、増えた20キロは何でしょうか? もちろん「つなぎ」で増量させているのです。

水とゼリーでかさ増し

増量させるために一番安くて便利なのは「水」です。しかし水をそのまま入れ込んだのでは、肉がグチャグチャになってどうしようもない。そこで加熱すると固まる「ゼリー」を使用するのです。

それ専用につくられた肉用ゼリー液を、豚肉のかたまりに注射器で打ち込むわけです。100本ぐらいの注射器で、肉のかたまりにいっせいにゼリーをチューッと注入するのです。一度見たら忘れられない、それはそれはすごい光景です。

次に、注入したゼリー液が肉の組織に均等に行き渡るように揉みこみます。肉の全量に対して20~30%もの肉用ゼリーを打ち込むわけですから、この段階では肉はブヨブヨです。それをなんとか成形して加熱すると、ゼリー液が熱によって固まり、最終的にちゃんとハムらしい形になるのです。これが「プリンハム」のつくり方です。

この肉用ゼリーの原料は主に大豆や卵白ですが、乳たんぱくや海藻抽出物なども使われます。要するに「固まればなんでもOK」という世界なのです。増量した分だけ、色や弾力を持たせるために、添加物も余計に入れなければなりません。

なんでもぶち込んで固められた肉。安売り競争に生き残るためだけの増量作戦。そこには加工食品業者としての誇りなどみじんもありません。 あなたがカゴに入れたのは「プリンハム」ではありませんか?

安さの裏側

「プリンハム」は、値段も格安です。市場価格でも100グラム100円ほどです。年末になるとスーパーの店頭に特売品として並ぶハムは、多くがこうしたハムです。「目玉商品」として特売されているスライスのハムなどもそうです。

豚肉でつくられるはずのハムに、なぜ「大豆たんぱく」「卵白」「乳たんぱく」が使用されているのか。添加物の知識がとくにない人だって、おかしいとは思わないでしょうか。また「裏」の表示を見れば、ハムには添加物が大量に使われていることがわかるのです。

嘘だらけの無塩せきハム

最近はやりの「無塩せきハム」(発色剤や化学調味料を用いない)も、「亜硝酸ナトリウム」や「化学調味料」だけをはずして、ほかの添加物はそのままという場合が多いのです。毒性の問題以前に、これだけ添加物が並んでいるのに、本当に健康によいのでしょうか?

「素朴な疑問」を持つ

添加物の「物質名」や「危険度」を無理に勉強して覚える必要はありません。「素朴な疑問」を持って、商品の「裏」にある「原材料表示」をよく見て、常識の範囲内で判断すればいいのです。

「なんでこんなに安いのだろう?」と怪訝に思ったときに、「裏」をひっくり返して表示を見ましょう。ラベルいっぱいに細かい字で書かれている、わけのわからないカタカナの物質名。あなたがいままで見たことも聞いたこともないものばかりが並んでいる。

そして、ハムなのになぜ「大豆たんぱく」「卵白」「乳たんぱく」が使われるのか。そういう「素朴な疑問」を持ってほしいのです。「素朴な疑問」を持つことが添加物と向き合う最初の第一歩です。

格安のハムがあったらプリンハムの可能性が高いです。ハムは食品添加物の宝庫です。必ず原材料表示を確認するようにしましょう。

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