日本人は誰もが糖尿病候補者!? 糖尿病にまつわる13の誤解

日本人の食生活は、血糖値を上げやすいものであることに加え、日本人は糖尿病にかかりやすい体質を持っています。遺伝的な素因により、アジア人は欧米人と比べ、型糖尿病を発症しやすいことがわかっています

つまり、普通の日本人として生活していたら、誰でも糖尿病になる可能性はあるのです。あなたにどの程度その可能性があるか、チェックしていきましょう。


糖尿病にまつわる誤解その1「健康診断はぎりぎり正常値内」

多くの健康診断では、空腹時血糖値に替わってHbA1c値(ヘモグロビン・エー・ワン・シーという物質の数値。以下ヘモグロビンA1c)が重視されるようになってきました。厚生労働省の基準では5.6未満を正常としおり、一般的には、5.8以下を正常値としています。

しかし5.8前後の値の人を精密に検査してみると、その約6割が立派な糖尿病です。「5.7で正常値範囲内だからセーフ」という認識は間違っているのです。さらに、空腹時血糖値について言えば、糖尿病患者でも正常値を示すことはいくらでもあります。検査で異常を指摘されない人の中にも、隠れ糖尿病はかなり存在しているのです。

糖尿病にまつわる誤解その2「境界型なので安心している」

「境界型」とは、正常とも糖尿病とも言い切れないグレーゾーンを指します。立派な糖尿病でありながら、合併症のことなどまったく気にせずに、治療すべきはずの大事な時間を過ごしてしまう可能性が高いです。

検査で異常が出ない人にも糖尿病は存在するのだから、境界型と言われて安心している場合ではありません。ここで本気になれるかどうかが、あなたの将来を大きく左右します。

糖尿病にまつわる誤解その3「糖尿病の気があるだけだ」

「Aさんは糖尿病の気があるから注意してね」

こんな一言を医者からかけられた人がいるのではないでしょうか。境界型と言われるよりも、さらに危機感が持てないかもしれません。しかし、これは、「あなたは糖尿病です」と言われたのだと認識しましょう。

糖尿病にまつわる誤解その4「問題なのは血糖値だけ」

糖尿病であることを指摘されたら、血糖値をコントロールする努力と合併症対策が欠かせません。しかし、それだけでは足りないのです。糖尿病患者はそうでない人と比べると、血管系疾患はもちろんのこと、ガンやアルツハイマー病の発生率も高くなることがわかっています。

また、血糖値が高いと免疫力が落ち、あらゆる病気にかかりやすく、治りも遅くなります。新型インフルエンザなどの感染症が重症化しやすいのもこのためです。血糖値はあらゆるシグナルをあなたに送ってくれているのです。

糖尿病にまつわる誤解その5「お酒はきっぱりやめました」

血糖値を上げる最大の犯人は炭水化物であり、カロリーには左右されません。つまり、お酒に関するルールさえ守ればアルコールは飲んでも構いません。アメリカの糖尿病学会誌では、ワインを飲むと翌朝の空腹時血糖値が下がることが報告されたともあります。

糖尿病にまつわる誤解その6「カロリーコントロールしている」

糖尿病患者にとっては、カロリーが問題なのではありません。炭水化物が多く含まれていれば、結果的にお客さんの血糖値は上がってしまうのです。肉や揚げ物などを避けた食事をしている糖尿病患者は、彼らは一日の摂取カロリーを少しでも抑えようと、昼ご飯はざるそばやコンビニのおにぎりですませています。

しかし、米やパン、麵類などの炭水化物こそ、血糖値を上げる元凶だということは意外と知られていません。ステーキをいくら食べても血糖値は上がらないが、ごはんやトーストでドカンと上がるのです。

糖尿病にまつわる誤解その7「白米をやめて玄米に替えた」

GI(グリセミック・インデックス)値と血糖値の関わりが注目されたことがありました。たとえば、うどんよりそば、白米より玄米というように、精製度の低い色の濃い食品のほうが血糖値を上げにくいとされたのです。

しかし、玄米であろうと白米であろうと、炭水化物である以上、同じように血糖値は上がります。玄米のほうが繊維質やミネラルが豊富なぶん、白米よりも体にいいのはたしかですが、血糖値に関して言えば全く違いはありません。

うどんとそばに関しても同様です。ざるそばはかなり血糖値を上げます。

「玄米は体にいいから積極的に摂ろう」
「色の濃い田舎そばを選ぶようにしよう」

よかれと思って食べていたら、糖尿病が悪化したなどということが起こるのです。

糖尿病にまつわる誤解その8「自分は太っていないから大丈夫」

肥満は糖尿病の最大の原因です。太っている人は血糖をコントロールする膵臓のホルモン、インスリンが効きにくくなります。効きにくいぶん必死でインスリンを出すために膵臓に負担がかかり、やがて膵臓の力が落ちてしまいます。

膵臓が弱ればさらにインスリンの出が悪くなり、血糖値のコントロールができなくなるという悪循環となる。肥満者が糖尿病の至近距離にいることは間違いない。 かし、太っていなければ大丈夫かといったらそうでありません。やせていても、もともと膵臓の働きが悪ければ糖尿病になるのです。

アジア人には、やせている人の中に食後血糖値が高くなる人がかなりいることがわかってきています。食後血糖値の急上昇は血管を傷め、合併症を進行させるのですが、それに気づかずに過ごしてしまうのです。

なぜなら、健康診断の空腹時血糖値が正常なために、検査でも引っかからないのです。また、やせているために、自分が高血糖に陥っているなんて思いもしません。「隠れ糖尿病」の人が日本中にたくさんいて、見逃されているのです。

糖尿病にまつわる誤解その9「低血糖だから糖分補充が必要」

ちょっと疲れたり頭脳労働が続いたりすると、

「血糖値が下がっているんだ」
「頭が働かないから、糖分を補充」

と判断する人がいます。気分転換にチョコレートを一粒口にするくらいなら問題はありませんが食べ過ぎは糖質を摂り過ぎてしまいます。

本来、私たちの体には、使われなかったブドウ糖がグリコーゲンとして貯蓄されています。血糖値が低くなれば、そのグリコーゲンがブドウ糖に変わってエネルギーとなってくれます。普通は本当に頭が働かなくなるような低血糖にはならないのです。頭が働かないことを、血糖値のせいにしていてはいけないのです。

糖尿病にまつわる誤解その10「いつでも取り組む自信がある」

血糖値の高さを指摘されても受け流してしまう人の中には、自分が本気になれば糖尿病と向き合うくらい、たやすいことだと考えている人もいます。これがダイエットならかまいませんが、糖尿病の場合はこれが通じません。

糖尿病そのものは痛くも痒くもないし、糖尿病合併症は、早期の段階では症状が出ません。自己コントロールを自覚するような症状になってからでは、もはや何も効かない段階になっているのが糖尿病なのです。本気で取り組むときのはいつなの? 今でしょ!

糖尿病にまつわる誤解その11「血糖値をコントロールできている」

糖尿病という病気は、医者の治療だけでも、患者さんの努力だけでもどうすることもできない病気です。患者さんと医者がタッグを組んで取り組まなくてはならないのです。

医者が薬を処方したり、食事指導をすることはできても、最終的な血糖値のコントロールは患者さん本人の努力によるところが大きいのです。だから、血糖値のコントロールが上手くいくと、ときとして、「もう自分でやっていけるから大丈夫」 と考えてしまいます。

しかし、ここには大きな落とし穴があります。大事な合併症対策が抜け落ちているのです。実際に、血糖値をきちんとコントロールできていても、合併症を発症する人が大勢います。合併症は進んでからではストップをかけられません。一つの自覚症状も出ていない段階から専門的な取り組みをしておかなければ、失明や血液透析という深刻な事態を招きかねません。血糖値の状態がいいときから、専門医とのタッグが必要です。

糖尿病にまつわる誤解その12「主治医の診察を受けている」

あなたはどのような医師に診てもらっていますか。「血糖値は自分でコントロールするしかないんだし、あとは定期的に薬をもらったり検査をしたりするだけだから、どこでもいいんじゃないの?」

こう考えて、近所のかかりつけの医師にまかせているかもしれません。しかし糖尿病はそんなに簡単な病気ではありません。合併症を食いとめるには専門的な知識と経験がなくては難しいのです。

糖尿病にまつわる誤解その13「若い女性にとっては遠い話」

「糖尿病なんてオヤジの病気」と若い女性の多くが考えているでしょう。まさか自分が糖尿病にかかるなんて思わないでしょう。ところが、20代の女性でも糖尿病患者は結構いるし、30~40代ともなるとかなり増えてきます。

女性の場合、スマートで外見上はとうてい糖尿病などと思えない人が多いのだ。スマートな女性の中には、膵臓の働きがもともと弱い人がいるのではないかと考えられます。甘いものが大好きで食事代わりにお菓子を食べている人も、糖尿病の可能性が高くなります。

若い女性の糖尿病は深刻です。高血糖は出産に重大な影響を与えるのす。母体に負担がかかるだけでなく、生まれてくる子どもの奇形率が非常に高くなります。若い女性ほど、糖尿病に敏感になる必用があるのです。

糖尿病は未然に防ぐことが大切です。今回紹介した項目に注意してください。次は、「肥満」と「糖尿病」の関係について紹介します。

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