花粉症が発症する「背景」と「引き金」はスギ花粉?

すべての人が花粉症を発症するわけではありません。人によって症状の有無、強弱がありますが、発症するには必ずその前提となる「背景」と「引き金」が存在します。花粉症が起きる「背景」と「引き金」を、現在判明している範囲で紹介します。


スギ花粉の飛散量

戦後のスギの植林事業によって、スギ花粉飛散量は拡大してきました。それに伴って、人体がスギ花粉に晒される量(暴露量)は増えています。

スギ花粉暴露量と暴露期間

花粉症は、コップに水を注ぐことにたとえられます。多くの患者さんは、スギ花粉への暴露を繰り返した後、コップから水が急にあふれるように突然発症することが多いのですが、発症に至る暴露量と暴露期間は個人によってさまざまで、その原因はわかっていません。

このメカニズムに関する有力な仮説は、暴露されるたびに抗体を産生するリンパ球由来の細胞(形質細胞と呼ばれる)が製造され、その中に4、5年も生きる形質細胞があり、暴露が重なって形質細胞の数が増し、産生されるIgE抗体の増加が突然の発症に関与する、というものです。

また、抗原を提示する抗原提示細胞はそもそも長生きで、その細胞がスギ花粉の抗原情報を保持していて、リンパ系への抗原の提示を継続している可能性も指摘されています。

遺伝素因によるIgE抗体過剰

IgE抗体は、特に寄生虫に対する免疫システムとして発達したと考えられていて、遺伝的にこのシステムが強くなっている人がいます。彼らは、現代でこそ、IgE抗体を産生しやすい「アトピー体質」と呼ばれていますが、かつては、寄生虫にたいして防衛力が強く、寄生虫のいる環境に適応していた、優れた個体だったと思われます。

大気汚染および黄砂

ディーゼル排気微粒子に代表される排気ガスや、浮遊粒子状物質による大気汚染である黄砂などは、それぞれ単独で上気道粘膜の炎症を引き起こすばかりでなく、粘膜を過敏にして、スギ花粉によるアレルギー反応を起こしやすくします。

また、花粉と共に摂取すると、アジュバント(抗原性補強剤)として働いて、アレルギーの発症や症状を促進します。スギ林の深い故郷を離れて、東京に出てきた途端に花粉症を発症した、という話をよく聞きますが、大気汚染は大きな発症因子の1つであると考えられます。

花粉症が発症する「背景」と「引き金」はこれらのことが原因と考えられているのです。

「サーファーに花粉症はいないの記事」の詳細を調べる

    
コメント