医師をどう選ぶべきか。いい主治医の選び方、探し方

医師選びは非常に難しいものです。名医の定義や評価は、なにをもとに評価するかで変わってきてしまうからです。手術の成功率が高いといいように思いますが、がんでも早期がんだけを手術していれば、当然、成功率は高くなり、難しい手術をするほど成功率は下がります。

また、多くの患者さんを手術していれば名医かというと、経営優先で多くの患者を診ているケースもあります。それ以前に、治癒率や患者数などのデータを公表している病院は少ないという現実もあります。

ですから、本や雑誌をひとつの材料にして選択肢を広げること自体は有効ですが、最終的には知人や友人の情報をもとに、実際に医師に会って、治療方針を聞いて決めるというあたりまえの方法が、もっとも現実的で確実な方法かもしれません。

そして最終的には信頼できる医師を見つけてすべてを任せてしまえると、気持ちが楽になるという考え方もあります。ただ、このときも、ただ任せるのではなく、ある程度は基礎知識をもった上で、選んだ医師と話し合い、納得の上で治療を受けるということが必要かもしれません。それでは、いい主治医の選び方、探し方を「子どもに迷惑かけたくなければ死の迎え方は自分で決めておきなさい」より紹介します。


主治医の選び方

主治医は、なんでも相談できる医師になります。たとえば高齢になると介護の問題が避けられませんが、このときも主治医の診療、意見は重要です。介護保険申請のために市役所に行くと、書類に主治医の名前を書かされますが、認定を受けるには、この主治医の意見書が重要です。これがきちんと書かれていないと、認知症がひどくても、認定が低く評価されてしまうなどといったことが起こります。

いい主治医の条件

患者の言うことを聞いてくれる
専門用語を使わないで説明してくれる
家族背景を理解してくれる
他の医師への紹介をすぐにしてくれる
正面を見て話してくれる
本音を言ってくれる

「他の医師の意見も聞きたい」「別の病院で治療を受けたい」と思ったときも頼りになる、信頼が置ける医師をもてるかどうかは、とても重要なことでしょう。そして主治医については、みなさんの家庭の事情や家族の問題なども理解して診てくれる医師を選ぶことが大切です。

主治医の探し方

医師の情報は、ほとんど公開されません。個人のホームページをもつ医師であれば、まだ手に入りますが、病院の医師だと情報は制限されてしまいます。そうなると主治医選びは、友人からの紹介や口コミが情報源となることが多くなります。

結局は、自分でいろいろな医師にかかってみて、そのときの印象や対応の仕方で判断していくしかありません。ただし、個人の情報については、インターネットである程度、検索することが可能かもしれません。たとえば名前で検索すれば、卒業大学、専門、どんな論文を書いていたかがわかります。

また、専門医としての資格をもっているかも調べられることがあります。あるいは専門のさらに専門を調べるのもおすすめです。たとえば消化器内科といっても、肝臓のことは詳しくても、胃のことは苦手というようなことがあったり、整形外科でも脊椎の専門なのか、関節の専門なのかなど、専門の専門まで詳しく調べられると、自分のかかりたい医師が比較的選びやすくなるでしょう。

最後に在宅、往診などをどれくらいしてくれるかも調べられると、いざというとき、きっと役に立つはずです。

在宅医療を専門に行っている医師の探し方

家で最期を迎えたいと希望するなら、在宅医療専門の医師を見つけるとともに、ナースとの連携も重要です。最近ではチームをつくって、24時間態勢で診てくれる医師も増えているので、これについては在宅医療を専門にしている医療機関の紹介サイトをネットで探すといいでしょう。

病院に入院したあと、家に戻るというときに、在宅医療を行ってくれる医師がいると助かります。現時点でこういう医師は、がんの末期を診ているケースが多く、脳卒中や認知症の末期の対応までは行っていないことがあるので、相談が必要です。

開業医にずっとかかっていたものの、重症になって通院できなくなった場合も、在宅医療を頼む必要が出てきますが、その場合は主治医である開業医から、在宅医療を行っている医師を紹介してもらうこともできるかもしれません。

このとき医師に義理を感じて、「ずっと昔から通っている医師だからいまさら医師を替えるのは申し訳ない」と思う人が多いようですが、あまり気にする必要はありません。医師はあくまでも、あなたの都合で選んでいいのです。

いい主治医が見つかると安心して医療を受けることができます。在宅医療や終末期医療を受ける前に見つけておきたいですね。

参考本

「子どもに迷惑かけたくなければ死の迎え方は自分で決めておきなさい(米山 公啓)」

    
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