自宅で自分らしい死を迎えるためのチェックシート

自宅で穏やかな死を実現するためには、自分なりの死生観が必要です。死を現実のものとして意識することから、自分らしい生き方が見えてくることもあります。自分らしい死を迎えることができた患者さんやご家族の共通点を在宅緩和ケア医萬田緑平さん著書「穏やかな死に医療はいらない」より紹介します。


元気なうちに

・自分らしい生き方をする。自分らしく死ねる人とは、自分らしく生きてきた人である。

・家族や大切な人に宛てて「死後に読んでもらう手紙」を書いてみる。自分にとって大切なものとは何か、見えてくるはず。

・「平均寿命は●●歳だから、自分も●●歳までは生きられるはず」という思いこみを捨てる。

・終末期にしてもらいたいこと、してもらいたくないことを家族と話し合う。一緒に暮らす家族だけではなく、離れて暮らす家族や親類にも伝えておくのが理想的。「死」の話をタブーにせず、気軽に話し合う雰囲気を元気なうちに作っておくことが大切。書面に残すのもよい。

・自宅近くの在宅医や緩和ケア病棟、ホスピスの情報は元気なうちにチェックしておくことが大切。

病院・診療所が必要になったら

・遠くの専門病院より通いやすい地元の病院や地域の基幹病院を選ぶ。「●●治療の名医がいる」ことよりも、病院全体の雰囲気や医師との相性を重視したい。ネットの情報よりも実際に受診している人の生の声が参考になる。

・自分の病状を正確に把握する。病名や病状、余命の告知を受ける。

・治療法や治療方針を医師任せにしない。自分の生き方や価値観を医師に伝え、治療によってそれが妨げられないかどうかを聞いてみる。治療の目的と予測される結果、成功率などは必ず確認したい。医師に

「先生ならこの治療を選びますか」
「他の治療法はありますか」
「治療しなかった場合どうなりますか」

と聞いてみるのも参考になる。がんや難治性の病気の場合は、緩和ケアを併診できるか聞くとよい。疑問点は紙に書き出しておくと、問診がスムーズになる。

・訪問診療所を選ぶ場合は、医師や看護師との相性が何よりも大切。「この人たちとなら最後まで精いっぱい生きることができる」と思える人と出会いたい。自宅での看取りを希望する場合は、「看取り率」を聞いてみる。

・介護施設や民間老人施設に入所する場合は、施設の看取り体制や実績を聞く。施設の雰囲気や介護者との相性も大切。

・治療方針について改めて家族と話し合う。家族と本人の意見が一致していることを主治医にアピールしておく。主治医を家族と患者との調整役にしない。

終末期になったら

・治療のやめどきを自分で見極める。医師や家族の意見は参考にしても、最終的には自分自身で決断する。

・自宅に帰りたくなったら、帰る。医師から「こんな状態では帰せない」と言われたとしても、在宅医療のサポートがあれば家で過ごすことは可能。

・いつでも家族と話せるように、ベッドはリビングに置いてもらう。

・家族には自分の介護で無理をさせず、できるだけ普通の日常生活を送ってもらう。

・信頼できる在宅医療スタッフを早めに見つける。病状が悪化したり、意識状態が悪くなったりしたときには、救急車ではなく在宅医療スタッフを呼ぶ。

・苦痛をやわらげるための治療は、我慢せずに積極的に受ける。

・大事な人に会い、感謝を伝える。伝えておきたい言葉や気持ちは思いついたらすぐ口にする。

・食べたくないときには食べない。食べたいときには好きなものを食べる。

・口から食べられなくなったら人工栄養や点滴は望まない。

・「死」の話をタブーにせず、葬式やお墓の希望を家族に伝えたり、死装束を選んでおく。こうした話題を明るく話せる家族は強い。

・小さな子どもや孫がいる場合は、自分がもうすぐ死ぬことを伝え、最後まで精いっぱい生きる姿を見てもらう。

・自分の身体の訴えに素直になり、「身体にいいこと」ではなく、「心にいいこと」「身体が望むこと」をする。

自分の死を考える上で非常に参考となるチェックシートです。自分の最後をどう迎えるか考えることが大切です。

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参考本

「穏やかな死に医療はいらない(萬田緑平)」

    
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