健康診断の数値の「正常範囲」の本当の意味

健康診断や検査をして、「異状なし」という結果が出れば「自分は健康である」と安心する方も多いですよね。しかし、健診や検査でありとあらゆる病気を洗い出しできるわけではなく、「異状なし」でも、「あなたは全く病気のない健康体です」と証明しているものではありません。今回は、健康診断の数値の「正常範囲」の意味を紹介します。


健康診断の正常範囲とは

そもそも健康診断で測る様々な数値の「正常範囲」といっても、これは「この範囲にあれば病気になる」、「この範囲になければ病気」というものではないのです。

この正常範囲とは、実は、正規分布をとったときの標準偏差、つまり、統計上、95パーセントの人がこの数値の範囲に分布する、ということにすぎないのです。

例えば、赤血球のヘモグロビンの正常値の範囲が男性は13.6~18.3g/dl、女性は11.2~15.2g/dlという場合、男女それぞれ100人の人を検査した場合に、男性の95人が13.6~18.3g/dlの範囲に、女性の95人が11.2~15.2g/dlにあるというにすぎないのです。

この場合、例えば女性で11.2g/dlの値だった人で、それまでは貧血症状を起こしたことのなかった人が、あるとき11.1g/dlになったとたんに貧血症状を起こすかといえばそういうものでもありませんし、正常範囲以上の値の15.3g/dlになったからといって、何か悪い症状を引き起こすというものでもありません。

健康の定義なんてない

実は、「健康」がどんな状態であるかということは、医学的には定義づけられないのです。また、「健康」は、

「病気がないから健康」
「病気があるから健康ではない」

といった一律的な言い方でいえるものでもなく、曖昧で、主観的な概念です。何かちょっとした病気があっても、たいした症状も出ず、それ以上悪くなるでもなく、日常生活に支障なく元気に過ごせるのであれば、「自分は健康だ」と言う人もいます。そういう人は、カルテ上には何らかの病名が書かれていても、実際に「健康」であることには間違いないのです。

一方で、仮に医者が「あなたには何の病気もありません」と言っても、患者さんのほうで「何らかの症状があって、これが治らない以上、自分は健康ではない」と思っているのであれば、その人はやはり健康ではないのです。

うーん、健康ってなんだろう…

「健康本」の詳細を調べる

    
コメント