オーダーメイド枕が合わない3つの理由

枕を選ぶ場合に、まず必要なことは、自分の体格を正確に計測することです。できれば骨格の状態まで調べたうえで、自分なりの好みや寝姿勢の癖を考え合わせていくべきです。そのためには、枕に関してきちんとした知識をもった専門家の助けが必要となります。

最近では、寝具専門店やデパートの寝具売り場に行くと、枕の測定をしてくれる専門アドバイザーが常駐していて、枕選びの相談に乗ってくれるところが増えてきました。しかし、実際には「オーダーメイドで枕をつくったのに、合わない」という不満を訴える方が少なくありません。なぜでしょうか?


オーダーメイド枕が合わない3つの理由

1つ目は、計測方法が間違っていること。2つ目は、体型ばかりにとらわれて「寝方」を考えていないこと。3つ目は、顧客の好みを聞きすぎていることです。

1. 計測方法の誤り

計測方法の誤りですが、「どういう体位で、どこを測るか」が間違っているということです。

まず「どういう体位で測るか」ですが、枕は横たわった姿勢で使うものなのに、なぜ立ったまま、あるいは椅子に座った状態で計測するのでしょうか。起立時と横たわったときとでは、背骨の傾きも、背骨を支える筋肉の緊張度も違います。立ったままでは、いくら正確に計測しても意味がないのです。

次に「どこを測るか」ですが、枕アドバイザーが使う計測具に、首のS字カーブを測るための専用スケールがあります。脊椎はS字状の弧を描いていますから、首の彎曲部の深さを測るのは、枕を選ぶには不可欠のように思えます。

しかし、人間の脊椎がカーブを描くようになったのは、立ち姿勢を支えるためで、筋力が働いて身体を支えるための生理現象です。寝姿勢では違います。枕が頭を支え、寝具が身体全体の重量を受けとめてくれるので、重力に打ち勝って頭を支える筋肉を使う必要がありません。

首の筋肉も、ほっと力を抜いた状態にあり、S字になどなる必要がないのです。それにもかかわらず、S字カーブにばかりこだわれば、せっかく力を抜こうとしている頸椎に無駄な圧力をかけることにもなってしまいます。

もちろん、横たわった姿勢で計測する枕アドバイザーもいますが、その場合でも、上向き姿勢だけで測るケースが多いようです。寝返りを打って横向きになったときはどうなるでしょう。

枕の高さを決定するには、上向きだけでなく、右横向きや左横向きに寝ることまで想定し、どんな状態になっても自然な高さの範囲を測定しなければなりません。さらに、静的寝姿勢だけでなく動的寝姿勢、つまり寝返りの打ちやすさを確認しなければなりません。

2. 体型ばかりにとらわれて「寝方」を考えていない

次に、ご本人の寝方に何らかの癖がある場合も考慮すべきです。寝方の癖は、たいていの場合、適切な寝具で眠るうちに少しずつ改善されていくものですが、体型に関係しているケースもあります。

たとえば、「自分は右向きでなければ眠れない」とか「いざ眠ろうとするときは、いつも左向きになる」という方の場合、調べてみるとじつは右側と左側で肩幅が違うことが意外に多いのです。肩幅だけでなく、腕幅や肩の柔軟性も含めて、左右が違うことがあります。右向きに寝る場合と左向きの場合では、適切な枕の高さにも違いが出てくるのです。

私たちの骨格や筋肉のつき方、落ち方は、生活歴や病歴によって微妙に変化しています。鎖骨骨折や肩関節脱臼などのケガをしたことのある方、頸椎の病気を経験した方、また何らかのスポーツに打ち込んでいる方などでは、骨格も筋肉の状態も完全に左右対称ではありません。

寝姿勢の肩幅は、見た目の肩幅とは違います。運動で鍛え上げた肉づきのよい肩や、肥満のために脂肪づきのよい肩では、肩幅があるように見えても肩関節が柔軟なため、さして寝返りの邪魔にならないことがあります。

見た目よりも寝姿勢の肩幅は小さいのです。逆に瘦せているようでも、肩の骨が左右に張り出していたり、関節に柔軟性がないため、寝返りが打ちにくい人がいます。これは、寝姿勢の肩幅が大きいということです。

寝姿勢の肩幅が小さければ、枕が低くても楽に寝返りを打つことができます。反対に、寝姿勢の肩幅が大きければ、高い枕が必要です。本人の寝方や寝姿勢を詳細に分析しなければ、適切な枕の高さを判断することはできません。

3. 顧客の好みを聞きすぎている

最後に、枕アドバイザーがあまりにも顧客の好みを聞きすぎていることです。最先端の枕市場では、羽毛に羊毛、シルク、ソバガラ、檜チップ、ビーズにストローと何十種類もある素材のなかから、「お好み」の素材を好きな分量だけ袋に詰めてもらうことができます。これが最大のセールスポイントになっています。

しかし、自分に合った素材がわかっていたらプロの枕アドバイザーに相談などしません。「何でも選べる」というのは、その枕アドバイザーのおすすめがないことと同じです。

オーダーメイド枕を選ぶときは、信頼出来る枕アドバイザーのお店を探すことが大切です。

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参考本

「頭痛・肩こり・腰痛・うつが治る「枕革命」(山田朱織)」

    
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