なぜ人は眠るのか? 睡眠が必要な理由

なぜ人は眠るのでしょうか? 生物学的に睡眠が必要な理由は何でしょうか?


眠る理由はホメオスタシスを保つため

眠りを必要としているのは、人間だけではありません。ほかの哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類など、すべての動物たちが眠りを取ります。中には、狩りや食事のとき以外はずっと眠っている動物もいるぐらいです。なぜ眠るのでしょうか。

人が眠りを必要とする一番の理由は、体の「恒常性」を保つためです。専門用語で「ホメオスタシス(恒常性維持機構)」と呼びます。ホメオスタシスとは、「体内環境をいつも同じように保つためのシステム」のことです。

たとえば、人の体温はいつも同じ温度に保たれています。このように「いつも同じ体温に保つこと」ができるのは、ホメオスタシスのおかげです。

眠気の元となる「睡眠物質」も一定の量を超えないよう、睡眠によって調整されています。脳細胞が活動をすると、その時間と量に比例して睡眠物質がたまります。そして一定のレベルを超えると、人は強い眠気に襲われ、やがて眠りにつきます。

眠っている間、脳や体は活動を休止します。すると睡眠物質の生産も止まり、それまでに脳にたまった睡眠物質の分解やリサイクルが進められます。

筋肉でも脳と同じようなことが行われます。長時間にわたって体を動かし続けていると、筋肉に疲労物質がたまり、だんだん体の動きが悪くなってきます。そこで休憩を取ったり、睡眠を取ったりして、たまった疲労物質を処理しています。

脳や体に老廃物や不要物がたまったら、体の外に排出したり、リサイクルして新たな物質につくり変えてやらなければなりません。そうしなければ、老廃物や不要物はたまり続け、健康な細胞を破壊し始めます。細胞の破壊、それは生命の危機を意味します。

人を「危機」から守るシステム、それが「ホメオスタシス」であり、ホメオスタシスを正常に機能させるためには「睡眠」が欠かせないのです。

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