睡眠障害を治療する「睡眠薬」の種類と副作用

睡眠障害を治療してくれる「睡眠薬」の種類、治療方法、副作用、服用の注意点を紹介します。睡眠薬の基本知識を理解することが不眠症改善に役立ちます。


睡眠薬の種類

まずは、睡眠薬の種類を紹介します。

メラトニン

メラトニンは、ほぼすべての生物の体内に自然に存在し、動物では概日リズムを調節しているホルモンです。海外では、サプリメントとして販売されていますが、日本においては個人輸入が必要です。メラトニンは、依存性がありません。

ベンゾジアゼピン系

バルビツール酸系の睡眠薬が危険であることから、よく用いられるようになりましたた。GABA受容体に作用します。ベンゾジアゼピンは、短期的には有効であるが、1~2週間後には耐性が形成されるため、長期間の使用には向きません。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬をやめる時はベンゾジアゼピン離脱症状が生じる可能性があります。副作用を避けるために短期間での治療に利用されます。

非ベンゾジアゼピン系

GABA受容体に作用する。非ベンゾジアゼピン系は、Zからはじまる物質名が多くZ薬とも呼ばれています。ベンゾジアゼピン系よりも副作用が少ないのが特徴です。

抗ヒスタミン薬

中枢神経系に作用して眠気を引き起こす副作用が、睡眠薬として利用されることがあります。

バルビツール酸系

1900年ごろに登場しましたが、効果が強いため、バルビツール酸系の睡眠薬による自殺が増え、ベンゾジアゼピン系の利用がメインとなりました。

睡眠作用時間が異なる

睡眠薬の種類によって、睡眠薬による睡眠作用時間が違います。超短時間型、短時間型、中時間型、長時間型など時間によって分類が異なります。軽度の不眠症なら短時間型を、重度であれば長時間型の睡眠薬を処方するのが一般的です。

睡眠薬による治療方法

現在日本の医療療機関で主に⽤用いられる睡眠薬には、ベンゾジアゼピン系、⾮ベンゾジアゼピン系、およびメラトニン受容体作動系の各睡眠薬があります。

入眠障害の治療には、入眠のサポートをすれば良いので、短時間タイプの睡眠薬が利用されます。途中覚醒や熟眠障害などの場合は、10時間ぐらい効果のある睡眠薬を用います。

どの睡眠薬を利用するかは、医師と必ず相談をしてから決めましょう。勝手な服用は絶対避けます。また、睡眠薬による治療がうまくいかない場合もあるので、認知行動療法による治療の併用も考えましょう。

睡眠薬の利用方法

睡眠薬は就寝30分前に服用するのが基本です。眠る前以外に使うのはNGです。また、アルコールは睡眠薬の効果を強くするため。睡眠薬を服用するう場合は、アルコールは飲まないでください。

睡眠薬の副作用

睡眠薬は、睡眠改善に効果的ですが、副作用があります。また、妊娠、授乳中の睡眠薬の使用は避けます。また、高齢者ほど効果が強くなるので注意しましょう。

1. 依存性

長期で服用した場合、睡眠薬への耐性が作られてしまうため、同じ効果を得るために睡眠薬の量が増加していきます。つまり、睡眠薬を飲めば飲むほど、効果が低くなってしまうのです。また、睡眠薬の使用量が増加すると、副作用が強く出る可能性が高くなります。睡眠薬を何種類も一度にのむと、依存性が形成される可能性が高くなるので避けましょう。

2. 持ち越し効果

薬の効果が翌朝以降にも残っていて、日中の眠気やふらつき、頭痛、倦怠感などの症状が出ることがあります。睡眠薬の種類に応じた用法用量をきちんと守りましょう。

3. 記憶障害

薬をのんでから寝つくまでのできごとや、睡眠中に起こされたこと、翌朝目覚めてからのできごとに対する記憶があやふやになること。

4. 筋弛緩作用

睡眠薬は、脳の活動を抑制させるため、筋肉に力が入りにくくなります。長期間服用することによって、筋弛緩作用がよく出るようになります。起きてから動こうとすると、ふらついたり、転倒しケガをすることがあるので注意しましょう。

それ以外にも、早朝覚醒になる、睡眠薬を急にやめると以前よりも強い不眠になる反跳性不眠、不安感や焦燥感、手足のふるえやせん妄、発汗、けいれんなどの症状が出る退薬症候、攻撃性が強くなる奇異反応などの副作用になることもあります。

高齢者が睡眠薬を利用する場合の注意点

高齢者は、排泄活動が若い人よりも弱いため、睡眠薬の作用時間が長くなります。そのため、睡眠薬が体内に蓄積し、ふらふらしたり、昼間の眠気が強くなるケースがあります。そのため、高齢者の人が睡眠薬を利用する場合、特に長時間作用する睡眠薬の使用には、注意しましょう。

睡眠薬をやめる方法

睡眠改善されたからといって、睡眠薬を薬を急にやめてはいけません。強い離脱症状が起こり、不眠症がさらにひどくなります。睡眠薬をやめる時は医師と相談してやめましょう。また、睡眠薬を辞めるには、不眠症状が改善されていることが必要です。1ヶ月以上不眠がみられなくなってからやめましょう。

また、睡眠薬をやめる場合は、4分の1量ずつ睡眠薬の量を減らして、4~8週間かけて中止する「漸減法」が一般的です。ただし、作用時間が24時間を超える薬の場合は、服用しない日を1日、2日、3日と徐々に間隔を延ばしていく「隔日法」を利用します。

薬局で買える睡眠改善薬

一時的な不眠症状を緩和する薬「ドリエル」の発売から睡眠改善薬を利用している人もいるのではないでしょうか? 医師の処方がいらず、薬局、ドラッグストアで買うことができます。睡眠改善薬は、風邪薬や花粉症の薬を飲んだときに眠くなる副作用を利用した「抗ヒスタミン剤」と呼ばれる薬です。急に眠れなくなった時などに一時的に利用するのであれば使用しても問題ありません。ただし、数日利用しても不眠の症状が改善されない場合は、病院へ行きましょう。

基本的には、睡眠薬による治療は、必ず医師に相談のうえ服用をしてください。

次の記事

「睡眠薬の睡眠時間はこんなに違う! 「睡眠薬」の種類」

前の記事

「認知行動療法による睡眠障害の治療」

    
コメント