眠り病「ナルコレプシー」の原因、治療方法

ナルコレプシーは、急に眠ってしまったり、喜んだ時に急に倒れこんでしまったりする危険な睡眠障害です。眠気がコントロール出来ないため、大きな事故を起こす可能性もあります。それでは、ナルコレプシーの特徴、原因、治療方法を紹介します。


ナルコレプシーとは

ナルコレプシーは別名「眠り病」ともいわれる睡眠障害です。ナルコレプシー患者は、どんなに長く眠ったあとでも、日中ひどい眠気に襲われます。しかも、その眠気を本人がコントロールできないことが多いのです。しかも、歩いている時や自転車に乗っている時、試験、デートなど、普通であれば眠くならないような状況で眠ってしまいます。

また、ナルコレプシーは眠気がひどい病気ですが、一日中ずっと眠いわけではなく、普通の人と同じように眠くない時間もあります。ナルコレプシーは10代半ばに発症することが多く、日本全国に2万人〜20万人の患者がいると考えられています。

ナルコレプシーは、突然襲ってくる強い眠気(睡眠発作)や、突然両方の手足から力が抜ける発作(カタプレキシー)を特徴とします。最初に現れる症状が、昼間の強い眠気だけということも多いですが、時間が経過すると、カタプレキシーも起きるようになります。睡眠発作は毎日起こり、15分〜20分程度で覚醒しますが、しばらく眠気が残っていることが多いです。

ナルコレプシー患者に共通する特徴

不眠がち
悪夢が多い
金縛りによくなる
自然と居眠りをしたことがある
急に倒れたことがある

このような症状に心当りがあれば、ナルコレプシーの可能性があります。

ナルコレプシーの原因

ナルコレプシーが起きる原因は、オレキシンという脳内の神経伝達物質が関係していると考えられています。

レム睡眠が最初に出現してしまうナルコレプシー

普通の睡眠は、ノンレム睡眠の後にレム睡眠が現れます。しかし、ナルコレプシー患者の場合、眠った瞬間にレム睡眠が現れることがあります。そのため、眠るとすぐに夢を見る状態になってしまう「入眠時レム睡眠」となり、入眠時幻覚と呼ばれる症状を引き起こします。幽霊を見た、怪物が襲いかかってきたりするような幻覚をよくみるようになります。

また、眠ったらすぐにレム睡眠の状態になるため、手足の筋肉は弛緩した状態になります。そのため、よく金縛りの状態になります。金縛りにあったとき手足が動かないのは、脳がレム睡眠の状態にあり、体が動かないようになっているからです。ナルコレプシー患者の約半分が金縛りを経験します。

また、睡眠中のレム睡眠とノンレム睡眠の切り替えがうまくいかないため、途中で目が覚めたり熟睡感がなくなります。日中の眠気も、ナルコレプシーの特徴で睡眠発作と言います。

参考リンク

「金縛り」

カタプレキシー(脱力発作)

金縛りの状態が、目覚めているときに突然襲ってくる「カタプレキシー(脱力発作)」が起きるのも特徴です。カタプレキシーに襲われると、手足を動かすことはできなくなるのですが、金縛りと同様に意識はあり、数秒から数分で回復します。床に倒れ込むものから、瞼や顎が下がるだけで周囲からは居眠りしている程度にしかみえないものまであります。

恐ろしいのが、楽しいときや笑ったときなど、強い情動にともなってカタプレキシーになるケースもあります。感情を急に揺り動かされるような出来事があると、突然全身の筋肉が麻痺して倒れてしまうのです。

この症状は、発作的なものですが、眠くてたまらなくて眠ってしまうという睡眠発作とは異なり、嬉しかったり、悲しかったり、感動したりという、気持ちが大きく動いた時に突然体の力が抜けて倒れてしまうものです。倒れる瞬間も意識があることが一般的で、周りの驚く様子も自分が倒れて何かにぶつかる様子もよくわかるので、非常に怖く感じる発作です。

カタプレキシーは、覚醒状態から急にレム睡眠に近い状態になることから起きると考えられています。カタプレキシーはナルコレプシーに特異的な症状のため、カタプレキシーの発作があればナルコレプシーであると診断できます。すぐに病院に行きましょう。

ナルコレプシーの治療

ナルコレプシーは、薬物治療で改善することができる病気です。日中は目が覚める薬、夜は睡眠薬のようにぐっすり眠るための薬が必要になります。メチルフェニデート(リタリン)、モダフィニル(モディオダール)、ペモリン(ベタナミン)などが治療薬として主に用いられています。

ナルコレプシーは、恐ろしい睡眠障害ですが、薬で治ります。ナルコレプシーの疑いがある人はすぐに病院へ行くようにしましょう。

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参考リンク

「睡眠周期を理解して質の高い睡眠を! レム睡眠とノンレム睡眠」

    
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