睡眠時間が短いと太りやすくなる理由

睡眠時間が短いと太りやすくなります。それは、肥満を増加させるホルモンが原因です。なぜ、睡眠時間が太りやすくなるのか、その理由を紹介します。


睡眠時間が足りないと太りやすくなる理由

睡眠時間が足りない人は、夜遅くまで仕事やテレビなどで起きていることが多いです。そのため、深夜にお腹が減りやすくなり夜食を食べてしまうことが原因で太りやすくなります。

さらに、睡眠時間が足りないとホルモンの分泌に変化が起き、肥満に最適な環境を作り出してしまいます。睡眠不足になると、肥満の発生に関わっている3つのホルモンの分泌に大きな変化が起きるからです。

1. 脂肪量を管理する「レプチン」

レプチンは、脂肪細胞が分泌するホルモンです。摂取カロリーが消費カロリーを上回り、余ったエネルギーが脂肪に変えられ、脂肪細胞に貯蔵されます。レプチンの分泌量は、この脂肪細胞が蓄えている脂肪量に比例します。

つまり、脂肪胞の脂肪量が増えるとレプチンの分泌量は増え、脂肪量が減るとレプチンの分泌も減ります。レプチンが作用するのは、食欲をコントロールする脳の視床下部です。レプチンの分泌量により、脳は脂肪の蓄積状況を管理しています。
 
脂肪量が減るとレプチンの分泌が減り、脳は食欲を高めて摂取カロリーを増やし、基礎代謝量をセーブして消費カロリーを抑える指令を出します。その結果、エネルギーがプラスになり、脂肪細胞の脂肪量が増えていきます。

脂肪量が一定レベルを超えると、レプチンの分泌量が増えます。すると、脳は食欲を抑えて摂取カロリーを抑えます。基礎代謝量を高めて消費カロリーを引き上げるように指令を出します。すると、エネルギー収支がマイナスになり、脂肪細胞に蓄えた脂肪が不足分を補うために使われて貯蔵量が減ります。

しかし、睡眠不足だと、脂肪細胞に脂肪が増えているのに、レプチンの分泌量が増えにくくなります。4時間睡眠は、10時間睡眠よりもレプチンの血中濃度が約18%も低下しています。5時間睡眠は、8時間睡眠よりもレプチンが約16%も低下しています。

レプチンの濃度が低いと、脳に「食欲を抑えて、代謝を上げてエネルギー収支をマイナスにしよう」というメッセージが伝わりにくくなり、脂肪量が増えていきます。そのため太りやすくなるのです。

2. 食欲を高める「グレリン」

グレリンは、空腹になると胃から分泌される消化管ホルモンの一種で、食欲をコントロールしている脳の視床下部に作用し、食欲を高める働きがあります。胃を悪くすると食欲がなくなるのは、グレリンの分泌量が減ってしまうからだと考えられています。

睡眠不足だとレプチンは減りますが、グレリンは逆に増えます。4時間睡眠は、10時間睡眠よりもグレリンの血中濃度が約28%も増えることがわかりました。5時間睡眠は、8時間睡眠よりも約15%グレリンが増えています。

これは身体にとっては、自然な防衛反応です。睡眠時間が短いと覚醒している時間が長くなりますから、その間の活動を支えるだけのカロリーと栄養素を摂り入れる必要があります。そのため、グレリンが増えるのです。グレリンの食欲促進の働きで、食べすぎてしまい、太りやすくなります。

3. 脂肪を合成する「BMAL1」

夜になると、脂肪の合成が高まり、脂肪の分解が抑制されます。これは、BMAL1が原因です。BMAL1の分泌は体内時計によって制御されています。

脂肪は、身体の基本的な活動エネルギー源です。活動量が多い日中は脂肪の分解を高めて使いやすくし、脂肪の合成をセーブしたほうが効率的です。活動量がダウンする夜間は、脂肪の分解を抑えながら、翌朝の活動に備えて脂肪の合成を促します。その切り替えをするのが、BMAL1です。

BMAL1には、脂肪の合成を高め、分解を抑える働きがあります。日中はBMAL1の分泌量は減り、夜になると分泌量が増えてきます。もっとも分泌量が少ないのは、午後3時前後です。もっとも分泌量が多いのは夜10時から午前2時頃で、日中の20倍にもなります。

そのため、夜遅くにごはんを食べると、BMAL1の脂肪合成の効果で面白いほど効率的に太ってしまうのです。

睡眠不足により、睡眠時間が短くなるとレプチン、グレリン、BMAL1の分泌が乱れ太りやすくなっていたのです。仕事や勉強などでどうしても睡眠時間が短くなる人は、夜10時以降の夜食を食べないようにしましょう!

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参考本

「眠れない人がぐっすり眠れる本(鴨下一郎)」

    
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