ビタミンD欠乏症にならないためには日光浴でビタミンDを生成するのが最適だった?

ビタミンD欠乏症にならないためにはどうすればよいでしょうか? ビタミンD欠乏を解消するためには、日光浴が最適だったのです。


最善なのは日光浴?

ビタミンD欠乏を解決する最善の方法は、日光浴をして自分の身体でビタミンDを合成することです。また、日光浴には別の効能もあります。UVBは皮膚では脳内麻薬とも呼ばれる快感物質・βエンドルフィン、脳では不足するとうつなどになる神経伝達物質・セロトニン生成を増す効果があるので、心地良さとリラックス効果という恩恵を副次的にもたらします。

マイケル・ホリック博士は自身の研究に基づいて「Holick's safe tan- table」という紫外線浴のガイドラインを策定しました。

たとえば、「北緯35~50度で、日本人に多い肌質(skin type )」の場合、紫外線B波(UVB)が地表に届く季節(2月~10月)の、太陽が南中に達する前後2時間の間に、半袖半ズボンで15~20分の日光浴を週に2、3回行うことを推奨しています。

なお、ビタミンDを生成するために必要なのは、UVBだけで、ただ日光浴すればいいというわけではありません。ですから、UVBがどのくらい地表に到達している場所か? という地理的条件を考慮することが大変重要です。

さらに、服装や場所など、日光浴を行う際の環境も同じように重要です。なぜなら、肌を露出した服装でなければ、UVBは皮膚に到達しません。つまり日光浴の際は、一般的な長袖長ズボンではなく、半袖半ズボンなど皮膚が充分に露出した服装を選ぶことが必要です。

またガラスやプラスチックはUVBを遮ってしまいます。室内の窓際での日光浴や、天井がガラスなどで覆われたテラスやベランダでの日光浴は、ビタミンDを生成するという観点ではNG(無効)です。

ですから、日光浴は日光が直接当たる場所で行う必要があります。もし、その場所が海辺やスキー場など水面、砂、雪などの反射物がある環境の場合は、最大、倍量までUVBの暴露量は増加します。

また、山や高地などでは、紫外線を散乱、吸収する大気が少ないため、紫外線量の地表への到達量は普通の場所よりも増加します。一方、曇り空や雨天の際は地表到達量は減少しますが、紫外線は可視光と比べると、多く地表に到達する傾向があります。

さらに、大気汚染がある、つまり大気中にチリが多いと、そのために紫外線が散乱され、地表への到達量が減少します。実際に、理論上、緯度的には季節を問わず1年中合成が可能なはずのアメリカのロサンゼルス(北緯34度)でも、ビタミンD欠乏が報告されています。

その上、日光浴をする人ひとりひとりの個体差、具体的には皮膚の色素の量や体脂肪の量、年齢もビタミンDの生成に大いに関係してきます。皮膚の色がもともと濃い人、すでに日焼けして黒くなっている人は、黒くなったメラニン色素がUVBを吸収するので、ビタミンDが生成されにくくなります。

体脂肪の多い人(太っている人)は、少ない人と同じように日光浴をしても、ビタミンDは脂溶性のため、同じ量のビタミンDが生成されても、脂肪細胞中に蓄えられてしまうので、血中濃度が上がりにくくなります。

さらに、加齢が進むと皮膚でのビタミンDを生成する能力は低下します。ですから、高齢者はより充分に「日光浴」を行う必要があります。また日焼け止めは、シミやシワの生成、皮膚がんのリスクを避けるために広く使われていますが、当然のことですがUVBをブロックして、ビタミンDの生成を阻害します。

ホリック博士によると、SPF8の日焼け止めの使用で、ビタミンDの生成は97・5%減少。SPF15では実に99・5%減少します。ビタミンD生成を目的とした紫外線浴の際は、まず日焼け止めを使用せずに光を浴びて、期待する暴露が終了した時点でSPF15以上の日焼け止めを塗布するべきです。では、地理条件と暴露条件、個体差についてまとめます。

地理的条件:緯度と季節

緯度が高くなる、つまり北になればなるほど、太陽の入射角度は傾くので、UVBは散乱されやすくなります。緯度の高い場所では、正午前後の数時間、日の高い時にしかビタミンDは生成されません。

具体的には、北緯34度以南ならば、通年合成可能。北緯35度(東京~京都)以北の地域では、合成のできない時期があると考えられます。北緯41度(弘前~八戸)以北では、11月~2月の4ヶ月間は、ビタミンDの生成ができません。

暴露条件:服装(皮膚露出面積)と暴露時間

余剰なビタミンD前駆体は、紫外線で破壊されるので、1回照射当たりに生成可能なビタミンDの量は、皮膚の暴露面積によって決定されます。

ホリック博士は著書『Holick MF, Jenkins M. The UV Advantage. I Books. 2004』で、半袖半ズボン帽子なしで1MED(最小紅斑量:照射後24時間で皮膚に赤みがさす最小暴露量)の25~50%の時間の日光浴で、経口で800~1500IUのビタミンD摂取と同等なビタミンDを生成する、と述べています(日本人の場合、日の高い時間で、およそ10~15分の日光浴に相当)。

もし全身を100%くまなく、1MEDのUVB照射を行った場合、それは1万から2万5,000IUの経口摂取に匹敵します。

個体差1. 皮膚の色素

アメリカやイギリスでは、白人に比べ、同じ地域に住む黒人の方がビタミンD欠乏の頻度が多いことがわかっています。また、同一の人が日焼けをして皮膚が黒くなった場合も、濃い皮膚の色素の場合と同様になります。

個体差2. 脂肪量(体組成)

脂肪細胞は脂溶性であるビタミンDを蓄えます。同じ量のビタミンDを光から生成、もしくは経口摂取した場合、体脂肪量の多い人の方が、ビタミンD血中濃度の上昇が起こりにくくなります。ビタミンDの血中濃度を上昇させたい場合は、体脂肪量を考慮する必要があります。

個体差3. 年齢

加齢によって、経口ビタミンDの吸収に変化はありませんが、皮膚での合成は低下します。ホリック博士らによれば、22~30歳の若年者群と62~80歳の高齢者群に同じ条件の人工光を照射し、ビタミンD最大血中濃度を比較したところ、4倍ほどの差がありました。アメリカやイギリスでは高齢者の大腿骨折の30~40%はビタミンD欠乏によって起きているという研究報告があります。

ビタミンDが足りないと悩んでいる人は参考にしてみてはいかがでしょうか?

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