大学院生の実態をエッセイで味わう

社会人の学び直しとして大学院のリカレント教育が注目されて久しいです。さらに、生涯学習の一貫として大学院も存在します。しかしながら大学院生活の実態の多くは謎につつまれています。そもそも研究するという行為どのようなものなのか。そんな素朴な疑問に答えを与えてくれるかもしれない本が、森井ユカによる『突撃!オトナの大学院』(主婦と生活社)です。


当事者の記録

本書は、立体造形作家にして雑貨コレクターであった著者が、社会人生活20年目にしてふと思い立って大学院へ行こうと考え、受験準備から合格、進学後の生活までをコミックエッセイとして綴ったものです。現在、コミックエッセイは、私生活の身辺雑記エッセイとして多くが出版されています。中でも本書は、大学院受験というあまりなじみのない分野で記されているので、注目すべき一冊だといえるでしょう。

誰でも行ける?

一般的に大学院は、大学を卒業してから進学するものとされています。しかしながら、大学院の予備審査に受かれば、大学を卒業した時に得られる学士号が必ずしも必要ないということも本書では記されています。さらに大学院の学費は、学部の授業料に比べて安いといわれていますが、著者が進学した分野は、それほど安いわけではありませんでした。さらに大学院は研究を遂行する場所ですから、教科書やコピー代なども思ったよりかかります。そうした細かい部分を含めて描写がなされているので、大学院生活へのちょっとした疑問にこたえてくれる本だといえるでしょう。そもそも大学院はどういう場所なのか。詳しく知らない段階で、興味がある人にとってはとても有意義な本になるのではないでしょうか。そこで大学院への興味がさらに深まることもあるかもしれません。

    
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