おじさんとは何かを知る本?

世の中にはたくさんのおじさんがいます。おじさんたちは年齢は大人でありますが、なかには精神がまだ幼い人たちもいます。それでいてお金や権力は持っているので、それを盾に若い女性に無茶振りをしてくることもしばしばです。そんなおじさんたちの姿をセクハラやパワハラといった言葉でまとめてしまわずに、ユーモラスに描いた本が鈴木涼美による『おじさんメモリアル』(扶桑社)です。

著者の青春録でもある

本書は著者が中学生から大学院生までの間に経験したキャバクラ嬢、AV女優、そして新聞記者という多くの立場から触れてきたおじさんたちの記録をまとめたものです。そこにいるおじさんは、いわゆる中高年ではなく、10代の彼女から見ればおじさんだった20代後半から30代前半の人間も含まれています。はじめは紳士的だけれども途中から豹変してくるおじさん、夜のお店の女性に本気の恋愛感情を求めてくるおじさんなど、さまざまです。自分も知らないうちにそうしたふるまいをしてはいないかと考えるきっかけにもなるでしょう。同時に著者自身の青春の記録になっているところも読みたいと思わせてくれる点ですね。

巻末対談も

さらに本書では巻末に作家の高橋源一郎との対談も記されています。本当のおじさん、おじいさんである高橋は、若い著者の文章を読んで何を感じたのか。そのあたりについても正直な言葉が記されているので、興味のある方は一度手に取ってみてはいかがでしょうか。