職人気質の大工が建てる家と大手ハウスメーカーの家

職人気質の父の背中を通して良い家づくりをする大工仕事を身近に感じ育ち、就職先の大手ハウスメーカーの建てる家に違和感を感じる若き棟梁の話です。今回は、職人の家づくりと大手ハウスメーカーの家づくりの違いをご紹介します。


職人気質の大工、父の背中

 大工の棟梁をしている父と、家を切盛りする母との間に生まれた末っ子の長男として、幼い頃から大工仕事を身近に感じながら育ちました。
 父はいわゆる職人気質で仕事一筋な人で、とにかく良い家をつくりたいがために、採算を度外視して最高級な資材を使ったり。見えない細部に凝ったり、効率や採算を優先せず丁寧な仕事をしてお客様に喜ばれる人でした。
 

大手ハウスメーカーが建てる家

 大手ハウスメーカーが建てる家は、建築材を的確に組み立てれば設計図どおりの家になるという規格製品なのです。つまり、作る側の効率を重視したもので、それは本来必要とされる日本の気候やライフスタイルにマッチする家づくりを重視したものと異なっているのです。

職人気質の大工の家づくり

 木材を頑丈に組み上げて家の骨組みをつくり、そこから天井や床や壁を仕上げ、そして屋根職人が屋根を葺き、左官職人が壁を塗り、というように一歩ずつ完成に向かっていく方が、私には馴染みのある家づくりの方法でした。

職人たちの家づくりの決め手とは

 家づくりの決め手となるのは、建築材の良さ、そして大工の腕前です。大工の職人たちはそれぞれ自分の腕によりをかけて、できるだけいい家を建てようと、真剣に仕事に取り組みます。
 分業態勢といっても、個々の仕事がバラバラに分断されているわけではないのです。すべては有機的につながっています。骨組みがいいから天井や床や壁の建築材が隙間なくぴたっとはまり、屋根葺きや壁塗りもうまくいくのです。

大手ハウスメーカーでの家づくり

 ハウスメーカーも一企業ですから、利潤を追求するのは当然のことです。作業の効率アップを図るため、営業、設計、現場監督、大工と仕事を分業化し、スピーディに家づくりを仕上げていきます。
 でも、その家に住む人と大工との間に距離が生まれ、お互いに顔を見たこともなければ思いも伝わらないというのはデメリットです。 

大工の棟梁の存在は「ものづくり文化」の担い手

 お客様は家族の幸せを願って一大決心をし、ローンを背負ってマイホームを購入します。それなのに大工や職人がお客様の顔さえ知らず、現場を見に来られても挨拶もしない、できないというのは、どう考えてもおかしなことです。
 昔は、大工の棟梁が接客をし、見積もり、設計、施工、アフターメンテナンスまで、すべてを一貫して請け負っていました。家に関する「ものづくり文化」の担い手といえる存在でした。

心から喜んでもらえる家とは

 
 職人によって丁寧につくりあげていく家は、見た目が良いのはもちろんのこと、住み心地も快適です。わずか1年で壁紙が剥がれてきたり、などということはないのです。
 心から喜んでもらえる家とは、せっかく家を建てていただいたのに、一世代が住み終えたら解体し、別の施主がまた新築をするというような、使い捨ての文化には馴染めないものがあります。

まとめ

 いかがでしたか?
 ハウスメーカーのスピーディーな家づくりと、職人気質の大工による家づくりの違いがわかりましたでしょうか? 一生に一度の大きな買い物、住み手の本当に望むのはどちらの家でしょうか。

参考書籍『100年安心できる! 「いい家」の建て方』ぱる出版 著者:谷口弘和

    
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