相場より価格が安いマンション・戸建て物件には理由がある! ハズレ物件を見抜くポイント

「不動産にはハズレはあっても、掘り出し物はない」という言葉があります。物件探しをしていると、価格が安い物件ほど、ハズレの確率は高くなります。売り主が値付けを間違えてしまうケースもたまにありますが、価格が安いのには、理由があるんです。


買うべき物件は100件に1件?

不動産投資の世界では、買うべき物件は100件に1件程度しか見つかりません。物件を価格面から選び出していくと、訳あり物件の密度が濃くなっていきます。そこで、そのリストの中から手を出してはいけない物件をはじき出すの作業が大切になります。

めぼしい物件は、実際に現地に行って調査をするが、すべての物件を見に行くのは大変なので、事前チェックが必要です。この作業は新築物件よりも、中古物件を探すときの方に、より重要となります。

不動産物件の価格が安い理由は3つ

不動産物件の価格が安い理由は大きく分けると、

  • 物件自体に問題があるもの
  • 売り主の事情によるもの
  • 経済環境によるもの

の3つに分けられます。どの理由で安くなったかを分析すれば、判断をつけやすくなります。それでは、詳しく見ていきましょう。

1-1. 法令違反物件

戸建て物件で多く見られるのが、「再建築不可物件」です。建築基準法では幅員4m以上の道路に2m以上接していない土地には原則として建物は建てられないことになっています。つまり、道路と接している幅が2m未満しかない土地に建っている建物は違法建築の状態になっているのです。建物が古くなり、建て替えたくても、建て替えることはできないのでリフォームして住み続けることになります。住もうと思えば住めますが、できるだけ避けたい物件です。

また、「容積率オーバー物件」にもよく出会います。それぞれの土地には、建ててもいい建物の大きさの上限が決められています。土地の面積に対する建物の延床面積(建物各階の床面積の合計)の上限を容積率といいます。たとえば100平米の土地があるとき、容積率100%であれば延床面積100平米までの建物しか建ててはいけないのに、120平米の建物を建てていれば容積率オーバー物件ということになります。

また、容積率は前面道路の広さによっても制限されます。住宅地ではあまりないが前面道路が狭ければ、建ててもいい建物も小さくなることがあります。住居系地域では、容積率に前面道路の幅員×0・4×100(%)までという制限が設けられています。もしも、容積率200%となっていても、前面道路が4mしかなければ、4×0・4×100=160%と、160%までしか建てられないので注意が必要です。

これらの法令違反物件には、銀行は住宅ローンをつけたがらないのです。金融機関はコンプライアンス(法令順守)の強化が求められているのに、わざわざ法令違反物件に融資するのは問題があるからです。まとまった頭金を要求されたり、高金利など普通の住宅ローンではない可能性は高いでしょう。

いくら安く買っても、金利が高ければ総支払額ではあまり変らなかったということもあり得ます。売却するには、住宅ローンがつきにくい分、買い手がほとんどいなくなるから手を出すべきではないでしょう。こうした法令違反物件については、販売時の物件資料にも明記することが義務付けられているので、必ず確認しましょう。

1-2. 物件に瑕疵があるケース

最も避けたいのがこのケースです。建物が沈下して傾いている、床下がシロアリにやられている、基礎にひびが入っている、雨漏りがひどく腐食が進んでいる、といった欠陥住宅です。

しかし、物件の瑕疵といっても、問題ないケースもあります。たとえば、エアコンが古すぎる、台所が汚い、お風呂が古いといった設備上の問題、クロスや壁が汚い、外壁が傷んでいるといった外見上の問題などです。こうした問題であれば、リフォームすることで改善ができます。高額なリフォーム代がかかるなら避けたいですが、そうでなければ避ける理由にはならないのです。避けるべきは建物の基礎や柱など躯体に関する問題です。

1-3. 心理的瑕疵があるケース

住人が自殺した、殺人事件があったというようなケースです。相場よりも大幅に安くなるのが一般的です。自分は平気でも近隣の住民は嫌ということもある。それでも平気というなら買いかもしれません。

1-4. 環境に問題があるケース

交通量の多い道路、線路に接している、清掃工場や火葬場、墓地、刑務所が近いといったケースです。騒音や公害、イメージの悪化によって、相場よりも安くなっているケースが多いです。

保育園、幼稚園、小学校、中学校などに接しているケースも問題とされるケースが多いです。父母が送り迎えでたむろする、子どもたちの声や放送がうるさい、通学路になり車が通りにくい、たびたびピンポンダッシュされる、など不満はいろいろあります。こうした理由で、相場よりも明確に安くなることは少ないが、値引き交渉のネタにはなり得るでしょう。

また、東日本大震災以来、軟弱な地盤の地域や放射線量の高い地域を避ける傾向が出てきている。液状化被害がひどかった地域や放射線量の高い地域の不動産相場は下落しています。

2. 売り主に事情があるケース

物件に瑕疵がなさそうな場合は、売り主に何か事情があったのではないかと考えることができます。不動産業者に連絡し、「売り主はどうしてこの物件を売ろうとしているのですか?」と聞きましょう。売り主が抱えている事情を教えてくれるはずです。売り主の事情によって安い場合には、お買い得となることが多いです。売り主が抱えていることが多い事情には、次のようなものがあります。

2-1. 借金返済に困っている

競売物件が代表です。昔は、不法占拠者を立ち退かせるのが難しかったり、ローンを使いにくかったためまとまったお金が必要だったり、権利関係が複雑だったりと、プロでもトラブルに巻き込まれることが多かったのです。しかし、最近ではこうした問題が解消され利用しやすくなったため、数多くの人が裁判所で行われる入札に参加するようになった。

一方、競売は入札なので参加者が増えれば、割安に買える機会も少なくなります。競売で買うより、普通に買ったほうが安かった、ということも数多く見られます。競売は一部の人たちだけが参加していたからこそ安く買えたのです。

現在では、競売にかける前に売却してしまう任意売却物件のほうにチャンスがあるかもしれません。ただし、何も理由がなくて相場よりも価格が安くなるわけではありません。問題も数多くあります。まず、債権者である金融機関との交渉となるので、購入に時間がかかります。

また、売り主にお金がないので、管理費や修繕積立金の滞納が積み上がっていることも多いでしょう。戸建てでも修繕する費用がないので、建物がかなり傷んでいることが多いです。また、残置物がある場合には、その処分にも手間がかかります。任意売却物件には、テクニックが必要となります。

2-2. 現金化を急いでいる

相続で取得した物件を売却して相続人に分けるというケースなどが該当します。あまり金額的なこだわりは強くなく、早く現金化したいというニーズのほうが強いため、相場よりも安いことが多く、購入希望者が少なければ値引き交渉もしやすくなります。

業者が持っている物件でも、早く現金化して次の物件を取得したい、決算期末までに数字を上げたいという理由がある場合に安くなることがあります。こういう場合、買ったときよりも安く売る「損切り物件」であることも多いです。マンションの売れ残りの部屋が安くなるのも同じような理由です。こういう理由であれば問題があるケースは少ないでしょう。

2-3. 売却しなくてはならない

住宅を買い換えするときには、現在の物件を売るのが先か、新しい物件を購入するのが先かという問題が出てきます。もしも、売却した後に、購入する物件を探すのでは、いい物件が見つかるまで一時的に賃貸物件に住む必要があるかもしれません。ただでさえ、物入りな時期に、無駄なコストが発生してしまいます。できるだけ、新しい物件を決めた後に、売却を決めたいところです。

ところが、これだといつまでも希望の価格では売れずに、二重にローンを払い続ける必要があるかもしれません。いい物件さえ見つかれば、できるだけ早く売りたくなるはずです。なかなか売れなければ、トータルで考え厳しい値引きにも応じるしかなくなるのです。

3. 経済環境によるもの

供給過多、需要の縮小によって在庫がダブつくようなケースが該当します。全体の経済が不況の時期に発生しやすいです。また、ある地域に集中的に住宅を供給したものの、見込みほど売れないと、こういうことが起こりやすくなります。その場合には、思い切って価格を下げてでも売らなければ、現金を回収することができません。リーマン・ショック後に発生した、アウトレットマンションなどは、この理由によって安くなった典型的な例です。

こういうケースは、事業者の経営状態が悪くなっていることが多いです。それだけに、耐震偽装などの問題があったように物件に瑕疵があるのではないか、購入後に問題が起こったら誰が責任を取るのか、といった問題点をクリアできるのであれば、お買い得物件になる可能性が高いでしょう。

安い不動産物件にはそれなりの理由があります。お買い得物件かどうか、必ず見極めるようにしましょう!

参考本

「マイホーム、買ったほうがトク!(藤川太)」

    
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