特殊な立地でも売れるワザ

不動産の価値は「狭い=安い」とは一概に言えません。ビルとビルの谷間にたたずむ、いわゆる“うなぎの寝床”を絵に描いたような空間に、人気の店が入っているということはよくあります。一見売りにくそうな土地にも、その場所ならではの価値が隠れているのです。

「狭い=売れない」ことはない

たとえ狭い物件でも、駅から徒歩1分の店舗用となれば、飲食など業態によっては好条件の立地ということになり、広さ以上の価格で売れることになります。土地の値段を決める要素は広いか狭いかだけではないわけです。

更地にして売るのはNG

ただし、もしそうした物件の持ち主でいざ売ろうという場合、更地にはしないことが重要です。築年数が古かったり、前に入っていた店の汚れが激しいと、手放す前に更地にしておいたほうが価値が上がると思われるかもしれませんが、そこには落とし穴が潜む場合があるのです。

古くても建物付きの方が有利

新たに建物を立てる際、建ぺい率や容積率による規制が入るのですが、この法律が施行されたのは先の東京オリンピックよりも前のこと。それ以前に建てられた物件では、今では建てられないはずの、土地が狭いのに延べ床面積が広い家が現存するのです。これをわざわざ更地にして引き渡してしまうと、新たに買った人が同じような建物を作ることはできないわけで、売却前より価値が下がってしまいます。現在の規制に見合っていないままの建物でも、リフォームして使う分には問題はなく、あとの対応については売却先の事情に任せればいいというわけです。

車が入れない土地は高く売れない?

一方、郊外や地方に目を向けると、家までの道が階段になっているような傾斜地に建っている物件は、車をそばまで乗り入れられないから売りにくいと躊躇している人も多いようです。地方で車は必需品と言えますから、条件的に厳しいのは確かです。それでも、やり方次第で上手に売る方法はあります。例えば、家の近くの月極駐車場と契約し、それとセットで売る。また、可能なら家までの階段をスロープに改修工事をするなども、考慮する価値はあるはずです。工事となると行政が絡むなど手間がかかることもありますが、同じ問題を共有する近隣の住民を巻き込むことでスムーズに進むこともあります。


参考書籍:田中裕治・著、小木正和・監修『売りたいのに売れない! 困った不動産を高く売る裏ワザ』(ぱる出版刊)