没後初の大規模回顧展が開催中、工藤哲巳って誰だ?

青森県立美術館において、1990年に55歳の若さで逝去した芸術家工藤哲巳の回顧展が行われている。昨年度末から大阪の国立国際美術館、東京の国立近代美術館を巡回し、青森では6月12日までの予定で開催されている。


工藤哲巳とは何者か?

工藤哲巳は大阪に生まれ、幼少期を青森で過ごす。その後、東京芸大に学ぶも、既存の芸術体制に激しい抵抗と嫌悪を示す。

1960年代初頭には無審査出品制の読売アンデパンダン展での活躍を見せる。出品された作品は男性器を模したものなどセンセーショナルなものであった。

その後、工藤はフランスで渡る。そこでも過激なパフォーマンスや表現を続けることになる。

放射能に汚染されたあとの人間の姿や、びん詰の赤ん坊の人形、鳥かごの中に閉じ込められた人間の姿など、文明批評とも取れる作品を多く制作する。

作品に用いられている素材は、はっきり言ってしまえばその辺に転がっているようなガラクタを組み合わせたものである。工藤哲巳は、既存の“お芸術”に反発し徹底してジャンクであろうとしたのかもしれない。

故郷、青森を表現に

晩年には故郷青森の伝統技法であるカラフルな糸と用いた作品を多く手がける。工藤は大阪生まれであるが、幼少期を過ごした青森が作家の感性を育んだのかもしれない。

1つ着目すべき点は1935年という工藤の生年は寺山修司と同じであることだ。しかし両者がすれ違うことはなく、生前に表立った交友もなかった。これはあえて交友を避けていたようなフシもあったのかもしれない。

新緑の季節、青森に足を運んでみてはいかがだろうか。

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