ブータンの言語事情は?

ブータン王国は、周辺を山に囲まれた国家です。2011年に来日した若き国王の姿が記憶にある人も多いでしょう。


谷が違えば言葉が違う?

ブータンの公用語はゾンガ語です。この言葉はチベット文字を用いており、チベット語の南部方言に分類されます。しかし、日本語のような存在ではありません。ブータン王国は山岳地帯にあるので、かねてより村や街同士の交流がありませんでした。そのため、谷がひとつ違うと、言葉も通じないといった事情があったようです。さらに、現在においてもブータンの少数言語は解明されていません。

共通語としてのゾンカ語

そこで、ブータンが近代化を遂げるためにゾンカ語が共通語として定められました。ブータンでは学校ではじめてこの言葉を学ぶという人も多いようです。ゾンカ語の歴史は12世紀にさかのぼり、宮廷のほか軍隊、政府、行政機関、高学歴のエリート層の間で話される共通語として発達してきました。それが、現在では国語として規定するために行政機関における書類のやりとりはもちろんのこと、学校教育、新聞などの出版物、放送で用いられる言語として統一し、普及に努めています。しかし、いまだゾンカ語を母語とするのはブータン国民の20~30%にとどまっています。ひとつの国がひとつの言語を当たり前に話すとは限らないという例を知ることができるエピソードだといえるでしょう。

    
コメント