アジアに出てみる選択肢

バックパッカーというと、若者向けの旅行というイメージがあるかもしれません。固い安宿のベッド、バスや電車を使った安い交通移動、確かにそれらは、シニアよりも若者向けの内容のように思えます。しかし、とらえようによってはシニアでもそうした旅を楽しめるのではないか。そうした視点から書かれた本が下川裕治の『シニアひとり旅:バックパッカーのすすめ アジア編』(平凡社新書)です。


何もしないという選択肢

著者は長らく貧乏旅行作家として活躍してきました。著者の旅のスタイルは独特です。観光地へ行っても名所をめぐらず、街をぶらぶらしたり、屋台で食事をしたりとリーズナブルな楽しみ方を選択します。それでも、異国情緒は十分に味わえますし、むしろ現地の人々との交流も生まれるでしょう。本書にはアジア地域、韓国や中国、ベトナム、タイ、ラオス、カンボジアといった国々をめぐった実体験に基づく記録が記されています。

酒の記録

特に面白いのは酒に関する描写です。著者は、一人でふらりと入れるような飲み屋でしんみりと飲むことが好きなようですが、アジアにはそうしたお店は意外と少ないことを嘆きます。その中でミャンマーだけは、ビール以外のお酒も充実し、ちょっとつまめるような一品料理も多いといった記述もあります。アジアを長く旅することで見えてきた新しい視点がそこにはあります。ゆるいアジア旅行に出てみるのも、選択肢のひとつとしてアリでしょう。

    
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