下川裕治本の魅力

アジアを中心に紀行文を執筆する下川裕治という作家がいます。紀行文といっても、下川裕治の文章はひと味ちがった魅力を持っています。


観光名所をめぐらない

海外旅行の醍醐味といえばなんでしょうか。観光名所めぐりや、おみやげなどのショッピング、あるいはレストランで現地の料理を楽しむといったことがあげられるでしょう。下川裕治はこれらのことには縁がありません。何十年もアジアに通っているのに、カンボジアのアンコールワットに行ったのはつい最近のことです。なにせアンコールワットは石造りのお寺のひとつなのに、入場料が20ドルもかかります。1日何ドルの旅をしている彼にとっては縁遠いものだったのでしょう。さらに、おみやげもバックパックひとつで旅をする彼にとっては、余計な荷物となるため買いません。レストランも値段が高いので食事は屋台料理ですませます。

現地の人と交流する

若いころ、下川裕治はタイ人家庭にホームステイをしながらタイ語学校に通いました。そのため彼はタイ語が喋れます。今も、現地の人と、現地の言葉で交流をすることによって文章を書いているのです。

旅だけじゃない

さらに下川裕治は最近では旅そのものではない著作もあります。『日本を降りる若者たち』(講談社)では、外こもりと呼ばれる人たちを取材しています。さらに、『本社はわかってくれない 東南アジア駐在員はつらいよ 』(講談社)においては、現地で働く日本人駐在員たちの苦労話をまとめています。ただ楽しい、新しい体験ができるだけではないアジアの実態というべきものが描かれています。彼はそこにジャーナリスティックに切り込むというわけではありません。こんな話がありますよと、ライトに書いているのが読ませるのです。

元祖紀行作家ともいえる下川裕治の本は、独特のゆるさにあふれています。普通の観光地巡りだけではない世界があるので、ゆったりとした旅をしたい人におすすめです。最近では旅から離れたテーマの著作も多くあります。

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