何もしないのは苦痛?

働くとはどのようなことでしょうか。毎日決まった場所へ通勤し、そこで仕事をもらう、さらにはお金をもらうといったことでしょう。そこでは当然好きなことばかりではなく、嫌なことも経験しなければいけないといった辛さがあります。

当たり前を求めること

小林エリコによる『この地獄を生きるのだ うつ病、生活保護。死ねなかった私が「再生」するまで。』(イースト・プレス)は、働くとはどのようなことかについて考えさせられる本です。著者は短大を卒業後、漫画を作る仕事につきます。それはアダルト系の仕事で女性である筆者にはきついものでしたが、なんとか仕事をこなしていきます。しかし体を壊してしまい、長きにわたる精神疾患の治療に入ります。

精神疾患は苦しい?

著者は、ある精神科のクリニックおよび、その施設が運営しているデイケアに通うようになります。そこでやることといえば大したことはないのですが、著者にとっては唯一の居場所となります。やがて出入りする製薬会社のおすすめのままに新しい薬を試すようになり、さらには製薬会社の新薬のプレゼンテーションの講演会にも連れ出されるようになります。なんとなく毎日が過ぎていくのですが、どうにも味気のない日々がそこにはありました。やがて著者は生活保護を受けながらひとり暮らしを始めるのですが、そこでも何もすることがないこと、さらに履歴書に長いブランクがあることがネックとなり仕事が見つかりません。そんな当たり前のことが当たり前にできないことの苦しさなどが綴られています。この痛みに共感する人は多いのではないでしょうか。