文芸・小説

小説、日本文学など文学に関する情報を紹介しています。

  • 夏の作家、山川方夫の世界

    戦後70年の節目となり、多くの戦争にまつわるテーマが回顧されています。戦争にまつわる文学作品も多く読み直されていることでしょう。その中で隠れた名作といえるのが山川方夫の「夏の葬列」です。 ショートショート 「夏の葬列」はとても短い作品です。しか

  • リブロ書店のもたらしたもの

    7月20日に、池袋の西武百貨店内にある大型書店であるリブロ池袋本店が閉店しました。これは一つの時代の終わりを現す象徴的なものです。リブロは通常の書店とは異なっていました。 他では売らない本を売る リブロは、1980年代のニューアカブームを牽

  • 桜桃忌に太宰治をしのぶ

    6月に入り、梅雨空が多くなりました。湿気は不快ではありますが、ぬるい夜の散歩などが似合う季節ともなっています。6月は、作家の太宰治が没した月でもあります。6月19日は桜桃忌と名付けられています。 玉川上水に飛び込み 太宰治の死

  • 五大文芸誌の棲み分けは?

    現在、日本には純文学の文芸誌が5つあります。文芸誌はそれぞれの雑誌ごとにカラーがあります。 文学界、新潮 まず純文学の文芸誌の大御所といえば『文学界』があげられるでしょう。お笑い芸人のピース又吉さんの「火花」が掲載されたことでも話題と

  • 没後10年に読む見沢知廉

    見沢知廉という作家がいました。2005年に46歳の若さで亡くなっています。自殺と言われています。これはペンネームです。一説には見沢という苗字は、尊敬する三島由紀夫にあやかって付けられたものだとも言われています。新潮文庫に自分の作品が入ったならば、三島由紀夫の

  • 戦後70年に読むべき文学

    今年度の2015年は、戦後70年にあたります。これを機会として先の戦争をふりかえる動きも多くあります。過去の戦争を知る手段として、多くの文学作品に触れるということもあるでしょう。戦後文学は、陰に陽に、先の戦争を意識して記されたものが多くあります。それらの戦後文

  • 「鉄塔武蔵野線」の世界

    「鉄塔武蔵野線」という小説があります。これは銀林みのるのデビュー作で、日本ファンタジーノベル大賞受賞作です。小学生が夏のある日、鉄塔を追いかけてゆくという話です。この話の驚くべきところは、作者自身が鉄塔ファンであり、物語とともに、鉄塔の写真を実際に添えてきたこ

  • 中上健次「十九歳の地図」の世界

    中上健次という作家がいます。1946年、和歌山県新宮市に生まれ、1976年に「岬」で芥川賞を受賞します。これは戦後生まれとして初めての芥川賞となりました。その後、数々の名作小説を書き上げ、92年にわずか46歳の若さで没した作家です。 初期青春

  • 大正時代に村上春樹がいた?

    村上春樹の小説の魅力とは何でしょう。初期の青春小説にあるものは、男女がとりとめもなく会話を交わし、淡々と生きていくという世界とも言えるのではないでしょうか。村上春樹の小説はアメリカのサブカルチャーの影響を大きく受けています。しかし大正時代にも村上春樹のような作

  • 「自殺されちゃった僕」から読みとく90年代サブカルチャー

    「自殺されちゃった僕」という書籍があります。なんともセンセーショナルなタイトルですが、作者の吉永嘉明は、サブカルチャー系書籍を手がける編集者、ライターとして知られています。彼は仕事仲間であり、先輩であった編集者の青山正明、そして同じく仕事仲間であり友人であった

  • 80年代の村上春樹と村上龍

    村上春樹という作家がいます。そして村上龍という作家がいます。どちらも日本を代表する小説家です。同じ苗字ですが、血縁関係はありません。ほぼ同時期にデビューして、80年代は「W村上」と呼ばれていました。現在では村上春樹の方が知名度が高くなっています。しかし、当初は

  • 村上春樹の初めての海外旅行はいつ?

    村上春樹という作家がいます。ジャズ、食事、スタイルなどアメリカ文化の影響を色濃く受けた若者たちの群像を描く作品を多く描いてきました。村上春樹が初めての海外旅行先と選んだのはもちろんアメリカです。それは村上春樹が何歳の時なのでしょうか? 遅い海外デ

  • 幻の名著、二階堂奥歯「八本脚の蝶」

    二階堂奥歯という人がいました。これはペンネームです。ネットでブログを執筆していましたが、2003年の春に自ら命を絶ちました。彼女の死後、彼女が記していたログと、親交のあった人たちの文章をとりまとめて「八本脚の蝶」が刊行されました。これはブログのタイトルと同じも

  • 小説の新人賞はどう決まる?

    小説の新人賞というものは、毎年1〜2回の募集があります。ジャンルも純文学系からミステリー、SFなどさまざまです。小説の新人賞には1000通以上の応募があるといわれています。そこから当選するのはわずかに1~2作のみです。倍率は実に1000倍にもなる狭き門です。

  • 佐藤優『紳士協定ー私のイギリス物語』が文庫化

    佐藤優の最高傑作ともいえる『紳士協定ー私のイギリス物語』が文庫化されました。佐藤優さんといえば、政治経済や外交、あるいは宗教に関する専門的な著作をする人という印象があるかもしれません。しかし、本書は異なる趣きを持つものです。 イギリスでロシア語研

  • 芥川賞、直木賞のルーツは何?

    7月は芥川賞直木賞の発表のシーズンとなりました。両賞とも、文学界の栄誉とも言われています。本に興味が無い人、普段本を読むことがない人でも、賞の名前くらいは知っているでしょう。さらには賞を獲ったのだから小説作品も読んでみようと思う気になる人もいるかもしれません。

  • 2015年に著作権が切れる作家

    小説家など文章の著作権は作者の死後50年間保護されます。世界的には70年や99年というところもある中で日本は50年を採用しています。その間は、権利継承者の許諾が必要となります。 来年2015年いっぱいで2名の大物作家の著作権が切れます。 谷

  • 日本が分断国家に!? 矢作俊彦「あ・じゃぱん」

    戦争をテーマとした文学作品は数多くあります。その中で日本において多いのが、架空現代史ものというべきものです。 これは戦争で日本が勝っていたらどうなっていたか、あるいは戦争がいまだ続いていたならばどうなっていたか、といった世界を描いたものです。そのジャンル

  • ガルシア・マルケスと寺山修司

    先日、南米文学の巨匠ガルシアマルケスが87年の生涯に幕を閉じました。マルケスの文学には現実離れしたファンタジックな描写で知られるマジックリアリズムという手法が多く用いられました。代表作といえるものが「百年の孤独」でしょう。この作品は寺山修司と深い関係があります

  • 編集者が書いた究極の裏話

    小説はどのように出来上がるのでしょうか。まず文章を書く作者がいることは確かです。しかし、それがそのまま発行されているわけではありません。作家と読者の間には編集者がいます。編集者は作家と一対一で向き合います。 当然喧嘩もしますし、時には刺し違える覚悟も必要

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