日本文学

本屋大賞や古典文学など日本の文学に関する情報を紹介しています。

  • J文学とは何か?

    文学と聞いてどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。何か堅苦しいもの、古くさいもの、そうしたイメージが先行するのではないかと思います。そんな旧来の文学のイメージを突き崩そうとしたのがJ文学でした。

  • 気持ちを吐き出す大切さ

    植本一子による「家族最後の日」(太田出版)は、彼女の日記で日々の気持ちが吐露されています。植本はこれまでにも「働けECD」「かなわない」といった本で、家族と身の回りについて赤裸々な文章をつづってきました。年上のミュージシャンであるECDと結婚し、2人の子どもをもうけ、子育てに追われる日々を過ごしている彼女の前に、大きな困難が立ちはだかります。

  • 阿部和重文学の入門書

    阿部和重といえば、山形県の神町を舞台とした物語群、サーガを作り上げる小説家として知られています。その土地への拘泥は中上健次の路地であり、大江健三郎の四国を彷彿とさせます。

  • 坂口恭平と自動書記

    坂口恭平という人間がいます。彼のことをどういう人間か説明するのは非常に難しいでしょう。建築家なのか、あるいはアーティストなのか、あるいは小説家なのか。彼は、「徘徊タクシー」という小説を記し、本作が芥川賞の候補となり、さらに日本ファンタジーノベル大賞を受賞しています。

  • 芥川賞直木賞なぜ新喜楽?

    年に二度の恒例行事となっている、芥川賞と直木賞が発表されました。この2つの賞は、東京の築地にある新喜楽という料亭で選考会が行われます。なぜ、この場所になったのでしょうか。 同日に行われます 築地の新喜楽では選考会の当日に、芥川賞は1階、直木賞は

  • 早見和馬「95」の世界

    早見和馬の「95」は、1995年に高校生だった主人公と、結婚し子供を持った20年後、2015年の世界がシンクロする名作青春小説です。 95年は何があった? 1995年といえば、一般的にはオウム真理教と震災の年として記録されます。1月に、神戸を中

  • 福生と村上龍

    村上龍は、1976年に講談社の文芸誌である「群像」の新人賞を「限りなく透明に近いブルー」で受賞して作家デビューを果たします。この作品は、米軍基地のある福生で、ドラッグとセックスにおぼれる若者たちの姿を詩的な表現でつづった作品です。 実体験? こ

  • ミステリー初心者でも一気読み!  30万部突破、ベストセラー街道爆走中の『仮面病棟』を読んでみた。

    ある日ふと、自分の本棚を見て思った。 「やっぱりミステリーやサスペンスが苦手なんだなぁ」 そこにあるのは村上春樹やよしもとばななをはじめとするしっとりめな純文学ばかり。ミステリーもサスペンスも、一冊としてない。小説を選ぶ際に無意識に避けてしまうジャンルなの

  • 原稿用紙に書けない小説家

    小説家が小説を書く時、どのような紙を使うでしょうか。現在ならばワープロ原稿を使うという人も多いでしょう。ですが、いぜんとして手書きにこだわっている作家もいます。 専用の原稿用紙も 作家が何かしらの賞をとってデビューした時などは専用の原稿用紙を用

  • W村上どっち派?

    80年代の日本文学においてW村上と呼ばれる存在がいました。言うまでもなく村上春樹と村上龍です。両者はW村上と呼ばれていました。なぜ同列に論じられていたのかといえば、世代が近く、共通項があるということがあげられるでしょう。 W村上の共通項 W村上

  • 北大路公子の世界

    本を読んでみたいけれども、どれも難しすぎて読めないという人はけっこういるかもしれません。もっと気軽に読めるものが欲しいという思いをお持ちの方におすすめなのが、北大路公子のエッセイです。 酒の日々 北大路公子は、北海道の札幌市在住のエッセイストで

  • 西村賢太「痴者の食卓」の世界

    西村賢太は、自分の人生遍歴をテーマとする私小説の書き手として知られています。さらに、大正期の作家、藤澤清造に私淑し、すでに藤沢の墓のそばに自分の墓石を立てているほどの、思いの入れようです。 すべて同じ 西村賢太の小説はすべて同じ展開です。主人公

  • 没後50年の山川方夫

    先日、創元推理文庫から山川方夫のミステリ傑作選「親しい友人たち」が発売されました。さらに、今月には慶應義塾大学出版会から「展望台のある島」が刊行されます。 なぜ今なのか? 山川方夫は、1965年に、トラック事故により35歳の若さで逝去しています

  • ハガキ職人小説の世界

    ハガキ職人という人たちがいます。主にラジオ番組や、雑誌の投稿欄に、ネタを送る人たちのことをいいます。基本的に無償の活動であり、さらに番組や雑誌ごとにレベルも分けられています。文字やネタのみのやりとりで名前を知ることになるので、相手の素性はわかりません。実態は謎

  • レーベルで読む文庫

    本を読んでみたいけれども、何から読めばいいのかわからないという人はいるでしょう。いろいろな読み方がありますが発行元、レーベルで読んでみるというのもアリでしょう。 ここではレーベルごとに、文庫の傾向を解説します。 新潮文庫 言わずと知れた日本を

  • 夏の作家、山川方夫の世界

    戦後70年の節目となり、多くの戦争にまつわるテーマが回顧されています。戦争にまつわる文学作品も多く読み直されていることでしょう。その中で隠れた名作といえるのが山川方夫の「夏の葬列」です。 ショートショート 「夏の葬列」はとても短い作品です。しか

  • 桜桃忌に太宰治をしのぶ

    6月に入り、梅雨空が多くなりました。湿気は不快ではありますが、ぬるい夜の散歩などが似合う季節ともなっています。6月は、作家の太宰治が没した月でもあります。6月19日は桜桃忌と名付けられています。 玉川上水に飛び込み 太宰治の死

  • 五大文芸誌の棲み分けは?

    現在、日本には純文学の文芸誌が5つあります。文芸誌はそれぞれの雑誌ごとにカラーがあります。 文学界、新潮 まず純文学の文芸誌の大御所といえば『文学界』があげられるでしょう。お笑い芸人のピース又吉さんの「火花」が掲載されたことでも話題と

  • 没後10年に読む見沢知廉

    見沢知廉という作家がいました。2005年に46歳の若さで亡くなっています。自殺と言われています。これはペンネームです。一説には見沢という苗字は、尊敬する三島由紀夫にあやかって付けられたものだとも言われています。新潮文庫に自分の作品が入ったならば、三島由紀夫の

  • 「鉄塔武蔵野線」の世界

    「鉄塔武蔵野線」という小説があります。これは銀林みのるのデビュー作で、日本ファンタジーノベル大賞受賞作です。小学生が夏のある日、鉄塔を追いかけてゆくという話です。この話の驚くべきところは、作者自身が鉄塔ファンであり、物語とともに、鉄塔の写真を実際に添えてきたこ

1 / 2 1 2 最後 »